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2012年12月21日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆小沢一郎元代表が、7月に行われる次期参院議員選挙に向けて、始動している。総選挙では、日本未来の党の候補者の大半を落選させてしまったけれど、そのほとんどを次期参院議員選挙に立候補させるべく、準備させているのだ。
このなかで、野田佳彦首相の選挙区である衆院千葉4区から、日本未来の党の公認候補として立候補した三宅雪子前衆院議員は、12月16日の投開票が終わった翌17日から船橋駅頭などに立ち、街頭演説を始めている。これは、参院千葉選挙区か、比例代表かに立候補するのを見越して、知名度を上げるのが目的である。比例代表の場合、国民有権者は、候補者が所属している政党の名前か、候補者本人の名前のいずれかを書く。候補者の得票数の多い順から当選者が決められるので、候補者としてみれば、個人名をできるだけ多くの国民有権者に書いてもらえるよう全力を上げていく必要がある。
三宅雪子前衆院議員は、小沢一郎元代表の指示により、群馬県から「選挙区替え」をして、千葉4区に「落下傘候補」として投入された。その群馬県内の支持者のなかには、参院議員選挙での戦いを聞きつけて、早速、支援にやってきているという。比例代表に立候補すると、選挙区は、日本全国となるので、群馬県内の有権者の支持も必要となる。
◆小沢一郎元代表は、日本未来の党の結党が、総選挙公示(12月4日)直前の11月28日だったことから、党名を全国に浸透させる時間的余裕がなかったため、大半の候補者を落選させてしまったことの反省に立ち、早々と準備に着手して、日本未来の党の執行部体制固めとともに、全国の組織固めに力を入れている。参院議員の定数は、242。このうちの半数121が改選される。
今回総選挙では、121人が立候補。このうち、小選挙区111人、比例代表119、重複立候補109、公示数勢力62人であった。これらの数字から、はっきり読み取れるのは、立候補者121人という数は。参院議員の改選121人とピッタリ付合している点だ。これは、明らかに、参院議員選挙を念頭に置いた布陣であった。これこそ、小沢一郎元代表が、東京都内の手持ちのマンションを売って、軍資金をつくってまでして、用意周到に組み立てた戦略戦術の肝要部分である。
◆日本未来の党の目下の最大の問題は、嘉田由紀子代表(滋賀県知事)の去就である。県知事のまま政党の代表として、次期参院議員選挙の先頭に立って、指揮することはできない。文字通り「二兎を追う者は、一兎を得ず」となりかねないからである。知事を辞任して、参院議員選挙に出馬するか否かが問われている。
朝日新聞デジタルは12月20日午後0時56分、「知事と党首の兼務「今後、改めて熟慮」 未来・嘉田氏」という見出しをつけて、以下のように配信している。
「日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事は20日の県議会で、知事と党首の兼務について『双方の職責を果たす』と重ねて答弁する一方、『県民の批判や県議会の意見を踏まえ、今後のことは改めて熟慮したい』とも述べ、引き続き兼務を続けるかどうかについて含みを持たせた。知事周辺によると、嘉田氏は19日の一般質問で兼務への批判が相次いだため、予想以上に厳しい反応だとして双方を続けるかどうか迷いも見せているという。
一般質問では、9議席に終わった衆院選結果を受け、党内からも知事か代表の辞任を求められているのでは、との指摘に『党首を続けてほしい、という声を党の重要な人たちから受けている』とも述べた。答弁では、未来結党の報道があった11月26日から衆院選投票日翌日の12月17日までに県庁に寄せられた知事あての電子メールやファクスが計740件あり、うち、結党を支持・応援する内容が27%、兼務を批判する内容が24%だったとも紹介。残りの49%は『主に様々な人の批判だ』と答え、小沢一郎氏に対する批判を含むことも示唆した」。
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