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2012年12月20日 永田町異聞
どこに投票していいかわからなかった人が多かったおかげで、自民党は低い得票率でも衆院選に圧倒的勝利をおさめることができた。
すなわち、迷える国民が政権投げ出しの安倍政権をよみがえらせたということであるが、2006年9月から1年間にわたった、決断できない安倍政権の崩壊過程がいまだ鮮明に記憶に焼きついているだけに、不安はつきない。
前回の安倍政権は、公務員制度改革をめざし、官僚組織の謀略とサボタージュによって潰された。
官僚側の首謀者は安倍内閣の官房副長官補、坂篤郎だ。20日付で日本郵政の副社長から社長に昇格したが、菅義偉幹事長代行ら自民党幹部が「看過できない」と騒いでいる。
表向きの理由は「政権移行期に財務省(旧大蔵省)出身のたらい回しをするのは許されない」ということだ。
だが、安倍の最大の理解者である菅の心中には、坂への敵意がくすぶっているのではないか。
前回の安倍政権において、官房副長官補、坂篤郎は、安倍の改革を骨抜きにするため、上司である官房副長官、的場順三を巧みに取り込んで、様々な画策をした。的場と坂、それに総理秘書官、田中一穂。いずれも旧大蔵省出身だ。
この三人が国交省と水面下で手を組み、安倍首相と塩崎官房長官が進めようとした道路特定財源の一般財源化を阻止すべく動いた。
そして、結局、彼らや国交省、道路族議員の抵抗に負け、安倍は「道路への歳出を上回る税収を一般財源化する」という中途半端な妥協で閣議決定してしまった。ここから、官僚組織が安倍官邸を舐めてかかる空気が醸成されていく。
安倍が潰瘍性大腸炎の悪化もあって政権を投げ出すと、福田政権では、町村信孝官房長官が霞ヶ関側にまわり、行政改革の足を引っ張った。官房副長官は小泉政権時代にもつとめた二橋正弘が出戻り、坂はそのまま官房副長官補に居座って、渡辺喜美が進める行政改革の骨抜きにかかった。
そして、麻生政権にいたると、ほぼ完全に霞ヶ関、族議員主導の古い自民党体質に戻り、民主党への政権交代につながった。
自民党が郵政の社長人事に反発するもう一つの理由は、19日まで日本郵政社長だった斎藤次郎との確執であろう。
かつての非自民細川連立政権で小沢一郎に重用された斎藤は、自社さ連立で政権に返り咲いた自民党に冷遇され、その後、元大蔵事務次官としては異例の冷遇天下りコースをたどったが、民主党政権誕生後、郵政民営化見直しの動きにより日本郵政社長として返り咲いた。同時に、副社長になったのが坂篤郎である。
天下り禁止を唱えていた民主党政権のこの郵政トップ人事を自民党が激しく批判したのは言うまでもない。
さて、今回の社長人事批判、「天下りに厳しい新生自民党」という宣伝にうまく使いたい自民党中枢のハラが透けて見える。財務省としても、斎藤、坂という二人のOBを生贄として差し出すことで自民党を操縦できるのなら、納得だろう。
斎藤は19日の記者会見で「株式会社は取締役会で了承を得て決めるのがすべてだ。政権交代に関係なく実施できる」との見解を示したが、菅義偉幹事長代行は安倍政権発足後の見直しも示唆しており、自民党がこのまま見過ごすことはなさそうだ。
新 恭 (ツイッターアカウント:aratakyo)
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