http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/509.html
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昨日、投開票が行われた韓国大統領選は、ご存じのように、軍事クーデタで政権を掌握し、朝鮮戦争の深い傷から出発していた韓国を、開発独裁型社会主義統治で“漢江の奇跡”を達成したパク・チョンヒ元大統領の長女パク・クンヘさんが当選した。
韓国史上初の女性でかつ親子二代の大統領である。選挙の有無という違いはあるが、北朝鮮のキム一族の世襲や日本政界の世襲と似た価値観や意識を感じる。
今回の大統領選の特長は、
● 大統領選史上初の過半数得票での当選
● これまで野党に有利だった高投票率(75%超)で与党が勝利
昨夜、ちょっとした感想を次のようにアジア板に投稿した。
「 パク・クンヘさんは、祖先崇拝の意識が強い韓国では異例のことに、父親パク・チョンヒ元大統領の統治手法を一定程度だが批判し、謝罪までした。
さらに、この大統領選で敗北したときは、政界を引退すると宣言して選挙戦に臨んだ。
そのような経緯と、好悪は大きく分かれるとは言え、韓国の高度成長期を築いたパク・チョンヒ時代に郷愁を感じる有権者もいたと想像する。
この結果は、米国も北朝鮮も歓迎であろう。
パク・クンヘ新大統領が、父親(南朝鮮労働党党員の経歴あり)の「開発独裁型社会主義」の衣鉢をついで、財閥の利益をどこまで国民多数派の生活向上に向けさせるかを注目したい。」(http://www.asyura2.com/12/asia14/msg/222.html)
パク候補の母親は74年に射殺され、父親のパク・チョンヒ氏も79年に側近の手で暗殺されている。
(KCIA長官に殺されたパク・チョンヒ氏は、田中角栄氏の政治生命途絶と同じように、対米自立志向を抱く“強い”政治家を封殺するための事件だったのではと疑っている。パク・チョンヒ氏も、経済成長を遂げ強い国家基盤を築くまでは米国に依存するが、それは、あくまでも手段と考えていただろう。日韓同時期に起きた二つの政治的事件は、日本と韓国から対米自立派の芽を育ちにくい状況を生み出したと思っている)
パク候補は、大統領選のTV広告で、06年に切りつけられた傷跡がある頬をクローズアップする映像まで使うという徹底した戦いを行った。
(統一地方選挙での出来事で、ノ・ムヒョン派が縫合を整形手術とからかったことで、当時のハンナラ党の圧勝につながった。これで、パクさんは「韓国のジャンヌ・ダルク」とされた。(本人もフランス留学経験あり))
なお、「北朝鮮も歓迎」と考えたのは、パク・クンヘさんが、11月に、「南北関係発展のためなら北朝鮮指導者にも会う」と表明しているからである。
また、安倍氏と同じく、“軟弱な左派系”が共産主義国家との関係改善に動けば国内で袋叩きにあうが、中身は無関係に見掛けが保守強硬派であれば、軋轢はすくなくうまくいきやすい。
むろん、“北朝鮮好き”の米国も、そのような動きを本当に反対することはないだろう。
今朝NHKBS1で放送された「韓国KBSニュース」で、出口調査だが、注意深いデータが公表されたので紹介したい。
今回の大統領選は、ぎりぎりまで残った革新系女性候補の辞退し、一騎打ちの選挙となったため、特徴が見えやすくなっている。
■ 世代間得票率(%)
パク氏:ムン氏
20代:33.7:65.8
30代:33.1:66.5
40代:44.1:55.6
50代:62.5:37.4
60代:72.3:27.5
超
韓国経済が高度成長を遂げ始めた60年代後半までに生まれた40代後半から上の世代は圧倒的にパク候補を支持し、80年以降に生まれた新世代は、圧倒的にムン候補を支持するという「世代間対立」が見て取れる。
■ 地域差
パク候補が過半数をとれなかった地域は、ソウル特別市と全羅道である。
各地からヒトが集まり地縁血縁の束縛も少ない首都ソウルは、以前から左派系の牙城とされてきた。
全羅道は、中央ないし他の地域に対し、高麗時代から千年を超える“恨”を抱く地域で(他の地域は全羅道を蔑視)、光州事件も起きている。キム・デジュン元大統領やノ・ムヒョン前大統領は全羅道の出身である。二人は、全羅道とソウル特別市の圧倒的支持を受けて当選した。
政治板に韓国大統領選のネタを投稿したのは、選管の発表よりずっと前に当選確実が報じられることでわかるように、日本でも「出口調査」が行われている。(そんな調査にホイホイ答えるヒトの考え方についていけないが・・)
都知事選については、「毎日新聞の出口調査によると、猪瀬氏への支持は全ての世代で6割超」というデータが見えているが、肝心の総選挙についてはそのようなデータを見た記憶がない。
ご存じの方は、是非とも公表して欲しいと思っている。
勝手な推測だが、自民党は、パク候補と同じように、高度成長期を生身で知る中高年有権者の支持を受け、「維新」は、石原氏がいたとしてもそれほどの中高年訴求力はなく、40代前半・30代・20代の若年層の支持を受けたのではないかと思っている。
「維新」は、その名前とは裏腹の自民党(というか支配層)の別働隊(歪んだ新撰組)と見ているが、「維新」を育てた狙いの一つが、夢も希望もズタズタにされ続けている若年層の反民主・反自民意識が、“あらぬ”反対派に向かわないようにする防波堤だと考えるとわかりやすいからだ。
大阪のノリのいい人たちを別にすれば、原発事故や消費税増税で怒る中高年層の“あやしい受け皿”としてあまり期待していなかったように思える。
このへんのところも、それが事実とは思わないが、分析の手掛かりになる「世代別投票行為」の「出口調査データ」を公表して欲しい。
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