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2012/12/18 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
自公政権が325議席という圧倒的多数を抱えて帰ってくる。衆院の3分の2を超えるから、再可決も可能。やりたい放題で思い通りの政権運営がやれる。
果たしてそれで、この国の未来はどうなるのか。国民の多くは、野田政権よりもマシな政治が行われることを望んでいる。国民の将来不安を解消し、閉塞感を吹き飛ばす政治。それができなければ、再び政権がひっくり返った意味はない。バトンタッチのたびに絶望が広がる悪循環はゴメンだが、結論から言えば、庶民無視の悪政が再現される危険性は大だ。
法大教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「国民は今回、民主党への懲罰を選択しました。ただ、罰せられたのは自公政権の方が先です。官僚主導や利益誘導の政治が行き詰まり、新自由主義を取り入れた結果、貧困が広がり格差が拡大した。自公政権で日本の社会は痛めつけられたのです。だから、09年に政権交代が起きた。景気は停滞し、デフレは深化しています。でも、これは民主党政権の3年が悪かったのではない。日本の失われた20年は、自公政権のときからずっと続いているのです」
地域振興券や定額給付金といった愚策、公共事業のバラマキで、国の借金はどんどん膨らんだ。自公連立がスタートする直前の1999年9月末に465兆円だった国債と政府保証債の残高は、09年9月末に869兆円と、400兆円も増やしている。
それでいて国民の暮らしはちっとも上向かなかった。国税庁の調べによると、自公政権の10年間で、民間の平均給与は403万円から350万円に53万円も急落している。年金の100年安心プランなんてペテンもあった。周辺事態法や国旗国歌法も成立させている。悪政の限りが尽くされたのだ。
「当時の間違いを反省し、よりよい政策を選択する。それが自公政権に求められていることですが、現実にはさらに悪くなりそうです。なにしろトップに立つのは、途中で政権を投げ出した安倍さんだから絶望的。前回は、古い自民党政治を断ち切ることには失敗し、右翼的な政策は任期が短すぎて失敗しきれなかった。そのため今回は、右を向いて思い切りアクセルを踏み込む態勢です。国防軍の創設や集団的自衛権行使の容認、教育の国家統制強化などがメニューに上っている。しかも、共助よりも自助だとして、生活保護の見直しや社会保障の削減を断行する構え。自公政権は、さらに悪くなって戻ってくるのです」(五十嵐仁氏=前出)
野田に鉄槌を下した国民は、ババを掴まされるのだ。
◆引き際までペテンだったドジョウ男
野田は「嘘つき」批判に耐え切れず年内解散に踏み切ったらしいが、ちゃんちゃらおかしい。党首討論では幼少期の思い出を持ち出して「嘘つきじゃない」と強弁。自爆選挙に向かったが、そもそもとんでもないペテン師ではないか。嘘なんて数え切れないぐらいついている。
なにしろ首相になったこの1年ちょっとでやったことといえば、消費増税の強行だけ。「マニフェストに書いてないことはやらないんです」と言いながら、さっさと法案を成立させている。選挙前に掲げた2030年代の原発稼働ゼロもTPP推進も結論はウヤムヤだ。解散前にが、自ら退くように装うのも嫌らしい。黙っていても引きずり降ろされる運命だ。それなのに決断したかのようなパフォーマンスをエラソーにやってのける。さすがペテン師というほかない。
国民との約束を破り、功労者を追い出し、同志を死地に引っ張り出しておきながら、よくもまあ平然としていられるものである。民主党政権の最後の最後にこの国をグチャグチャにした罪は、万死に値するはずだ。
◆極右政権の誕生招いた民主党
許し難いのは野田だけじゃない。民主党の連中は、どいつもこいつも切腹モノの大罪人だ。
新代表にはさっそく、岡田克也、前原誠司、細野豪志といった名前が浮上しているが、この連中が一体、今まで何をやってきたというのか。
権力の座についた途端に舞い上がり、「国民の生活が第一」の初心を忘れて官僚や米国にベッタリだった。
ことごとくマニフェストを反(ほ)故(ご)にし、「原点回帰」を訴える小沢一派を霞が関や大マスコミと結託して追放。揚げ句が今回の選挙だ。結果は見えていたのに、トチ狂った野田を止めることもできずに総玉砕。とても正気の沙汰とは思えない。最大の問題はこの惨敗の後始末だ。
政治評論家の森田実氏がこう憤慨する。
「これでまた自民党政治に逆戻りと言いますが、とんでもない。憲法を改正しろ、集団的自衛権を行使しろと、顔色も変えずに公言する極右勢力が“英雄”に祭り上げられてしまったのです。かつての自民党でもここまでデタラメではなかった。そんな史上最悪の右翼政権誕生の“功労者”は、ほかでもない民主党です。本来ならば、野田内閣は総辞職が当たり前で、そうしていたら、対応策を練る時間はまだあった。それなのに、どう転んでも自民圧勝という最悪の状況下、集団自決のような解散・総選挙に突き進んだのです。おまけに、選挙で生き残った連中は、民主党を破壊し尽くした“A級戦犯”ばかり。同志250人が討ち死にしたのに、平気の平左でいる度し難い連中です」
3年半前、国民は政権交代可能な2大政党制の誕生に夢と希望を抱いた。だが、その夢は民主党によって木っ端みじんに砕かれ、代わりに誕生するのは、戦争も辞さない極右政権。キツネにつままれたみたいだ。
野田は「解党的出直しを」とか言っていたが、冗談じゃない。解党してから出直せ! である。
◆浮かれ自民 果たして国の再生は可能か
開票から一夜明けたきのう(17日)、メディアが自民党本部に殺到した。大勢の記者に囲まれた安倍総裁や石破幹事長は、3年3カ月ぶりに与党として取材される喜びを、さぞ噛み締めていたことだろう。
安倍は記者会見を開き、石破の幹事長留任を正式表明。さらに閣僚人事については、「危機を突破するための職責を担えるメンバーの起用」が基本方針だと宣言していた。だが、すでに名前が挙がっている閣僚候補のメンメンが、危機突破にふさわしい顔ぶれなのか。
まず笑っちゃうのは、麻生太郎元首相の副総理兼財務相という人事案だ。麻生といえば首相在任中は「おバカ」「無能」が定着した政治家である。「未曽有」を「みぞゆう」と言い間違え、「漢字が読めない首相」と子どもからもバカにされたことを日本中が覚えている。経済だって、てんで分かっちゃいない。リーマン・ショック後に75兆円の景気対策を打ったが、場当たり的な内容ばかりで、新たな事業や雇用を生み出すような抜本的な成長戦略は描けなかったではないか。
官房長官に内定と報じられている菅義偉だって大丈夫? という人選だ。菅は党人派で“仕事師”といわれるが、「麻生政権でも側近として暗躍したものの、解散のタイミングなどことごとく失敗。麻生さんの評価を下げたA級戦犯」(自民党関係者)と散々だ。
経済閣僚での起用が浮上している甘利明なんて、さらに悪い。電力会社や役所ベッタリ。自公政権復活が決まり、さっそく電事連が「原子力ゼロ政策の見直しを」とコメントを出したが、こんな男が閣僚になれば、古い自民党よろしく、国民よりも霞が関と業界団体の方に顔を向けて仕事をするのは間違いない。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「民主党の敵失もあり、自民党は結局、野党の3年半の間に党内改革ができませんでした。『老・壮・青』の掛け声で派閥推薦の人事が復活しているし、官僚との距離の近さも昔のままです。公募の名の下に世襲議員が大勢当選してきたのを見ても、自民党に国の再生など期待できません」
この国は、ますます沈み行くことになる。
◆公明党小選挙区制覇の不気味
公明党は今回、小選挙区で全勝した。列島が政権交代の熱気に包まれた前回は、太田代表や北側幹事長(ともに当時)ら小選挙区に出馬した8人全員が落選。ところが、盛り上がりに欠ける選挙となった今回は、9人全員が当選だ。
山口代表は「小選挙区で最高の議席を取れた」とニンマリだったが、政策や主張が支持されたわけではない。
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