http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/386.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/70ddc2bda0d12c93e2cffbdb111ff82e
2012年12月18日 世相を斬る あいば達也
この見出しは小沢一郎支持の筆者としては呻きの中ら生まれたものである。中には無礼者と怒り出す支持者もいるだろうが、此処までの完敗を喫すれば、反省に次ぐ反省、そして戦力の再検分、戦略の立て直しは必至だろう。参議院選に向けての戦略を、誰が立て、誰が陣頭指揮を執るのか明確にせざるを得なくなった。まぁ此処は慌ててもはじまらない、ジックリ考えることにする。
今回の選挙をふり返る時、年末に野田佳彦による民主党“自爆テロ解散”が仕掛けられたわけだが、自民党を利するのは決まり切っていたのに、敢えて自爆を断行した。その心を考える時、野田の脳裏には“反小沢”の炎が燃え盛っていたのだろう。小沢一郎の息の根を止めるミッションと党首討論での“気持良さ”が支持率好転の潮目と見たのかもしれない。まぁ一瞬の幻想だったのだが、焼酎漬けの脳味噌は、その準禁治産者並みのノウタリンを正気させることはなかった。
本来であれば、民主党の代表辞任程度でお茶の濁せる話ではなく、お家断絶切腹申し渡しが筋だろう。まぁ百姓育ちに切腹などと云う観念はないだろうから、返すがえすも“成り上がり者”の怖さを思い知った。その菅と野田が生き残るとは、この世は皮肉なものである。民主党と云う兵ども、一代目は毛並みの良い根性無し、二代目、三代目は“成り上がり者”の典型が続いた。挙句に平泉にねぐらを持つ、政権交代唯一の功労者は“破れかぶれ”の薄氷戦に望み、一敗地にまみれた。『夏草や 兵どもの 夢のあと』(平泉にて芭蕉)に因果を憶えるのは筆者だけだろうか。
そうそう、何時までも完敗の快感に浸っていても仕方がないのだが(笑)、完膚なきまでの完敗、意地でも“気持の良いものだ”と言っておこう。筆者の感慨などはさておき、本当に今回の選挙は何だったのか?考えておく必要はある。藪から棒の解散総選挙に、「国民の生活が第一」の小沢一郎も焦った。「維新の会」の橋下も血迷った。「みんなの党」の渡辺も迷惑した。この“生活・維新・みんな”の第三局オリーブの木構想に水を差したのが、米国戦争屋に唆された石原慎太郎である事は明白だ。
“生活・維新・みんな”の比例の得票数を合計すると、大勝だと悦に入る安倍自民を上回っているのだから、第三極の糾合が成立していたなら、こんな異様な選挙結果にはならなかったであろう。つまり、緊張感を持った政権運営をせざるを得ないわけだが、安倍自民党がどれ程言葉でひきしめを唱えても、ゆるみっ放しは人の性である。ただ、衆議院で2/3を自公に握らせた以上、国民はヒヤヒヤした綱渡りを、各処に見せられる嵌めに陥った。まぁ4割の有権者が権利と義務を放棄したのだから、ブー垂れる権利そのものがない。
安全が保証出来ない原発も再稼働するだろう。活断層があろうがなかろうが、無いものとして処理され、参議院選を境に雨後のタケノコ再稼働確実だ。再生エネルギーへの産業構造シフトも停滞するだろう。重厚長大旧態依然産業構造の重視にならざるを得ない。神話的経済成長戦力を矢つぎ早に打つ事で、財政再建など笑い話のようになるだろう。消費税率10%はトバグチで、財務省は25%の消費増税を視野に入れることになる。産業構造を根本的にチェンジする気概がない限り、少子高齢化著しい我が国が健全な経済国家で居られる保証はゼロである。
まぁ、暫く待てば、財政赤字が1100兆、1200兆と積み上がり、加速度的に国債の信用度は失われる。国内からの信用が失墜すれば、日本の国債は無惨なことになる。そうなれば、国債価格の低下と金利上昇は必須になる。経済成長もままならず、デフレ経済は継続し、金利は上昇と云う、マクロ経済の論理を覆すような異様な経済国家になる可能性が出てくるだろう。大企業は会計学を駆使して、法人税を逃れる手段を次々に繰り出し、税収はサラリーマンからの源泉徴収だけに頼るような税体系が出来あがるに違いない。ここまでくれば、国民総懺悔で何処の誰が、国家国民の為の政治をするか、真剣に考えるのだろう。それでも考えない可能性が幾分あるのが、この国の国民の怖さでもある。
それにしても、未来の党は負け過ぎたものだ(笑)。このままでは10人しか当選しないと読んだ、「国民の生活が第一」の小沢一郎の緊急避難的結党「日本未来の党」が生活の皮算用以下の当選者しか出せなかったのだから、角をためして牛を殺した。緊急避難政党では、亀井・山田・河村が加わってのことだから、更に酷い結果を生んだことになる。筆者が思うに、小沢を含む生活の議員達にも“民主党への怨みウィルス”の影響が及んだのが一番の原因だったのだと考えている。小沢自身からも、他の議員からも、民主党における自分達の立ち位置への軽いエックスキューズは聞かれたが、徹底した自己総括が為されたとは言えない部分である。つまり、憎き民主党の残党にしか、有権者の目に映らなかったとも言える。
勿論、言いたいことは山ほどある。如何にして小沢系議員が厳しい立場に立たされ孤立したか、言い出せば1年でも言い続けられる。しかし、有権者には、死にかけた霞が関傀儡の民主党を逃げただけと思われていたと云う点だ。多分、小沢支持者や信者でなければ、小沢一郎が官僚やマスメディアに、どれほどの目に合わされ苦悩していたか、殆ど寸借していないことが判ったのだ。此処は、222日後に控える夏の参議院選に向けた再出発を期すにしても、重要なポイントになる。
有権者の多くは直近の問題に対してしか、投票行動を起こさないのだ。政治理念が立派でも、一定の数を有しなければ、何もはじまらない。B層の一部にも反応を起こさせる“仕掛け”が必要なのだろう。崩壊が始まるであろう民主党が誰を代表にするか判らないが、岡田・前原なら連携はスル―だが、細野・輿石ラインなら、松下政経塾隠しもあるだろうから、連携も模索の一手である。みんなの渡辺との連携も無理ではないだろう。卒原発1点張りではパワーに欠けた。よくよく考えれば、重大な問題だが、国民の総意には難点があった。私費増税問題も、参議院選直前になれば、直近の話題としてB層国民にもアピール可能だ。
自己矛盾を起こすに相違ない安倍の経済政策は国民の大多数に影響を及ぼす。株価が上がり、円安に振れて、一般国民生活は一層の困窮に直面する。この困窮の状況は、必ず訪れる。官僚が経済指標をいじり回すマジックを振りまわしても、現実の困窮が直撃すればB層も目覚める。中国は一段と安倍自民への攻撃のボルテージを上げるのは確実なのだから。維新の会も早晩狂いだすだろう。どこまでマスメディアが橋下を寵児扱いするかが決め手だが、石原を抱えたままで寵児扱いには無理があり過ぎる。そうそう嘘の上塗りは継続しない。
多少の右傾化は止められないだろう。右傾した野蛮な言葉が吐かれる政治状況がしばらく続き、対中貿易の悪化のパワーは、他の国内経済政策を帳消しにするだろうし、最後には重厚長大経団連が悲鳴を挙げる。それはそれでいい気味だが、その悲鳴が安倍自民党への反撃の狼煙にもなる。政治とは皮肉の連続だ。皮肉だが、国民生活が更なる困窮になることが、日本を救う救世主とは、なんとも奇妙な成り行きだが、世間とはこういうものなのだろう。ただ、筆者が心配なのは、安倍晋三が“…いま喫緊の課題は対中国かも?”と気づき、中国訪問を米国訪問に優先すると云う快挙をしてしまうのではないか?と云う不安と云うか、なんとも言えない気分である。それだけは、是非やめて欲しい(笑)戦略のすべてが胡散霧消する。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK141掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。