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写真:声を詰まらせ、支援者たちに謝意を伝える亀井氏(2012.12.16高橋清隆撮影)
元記事http://www.janjanblog.com/archives/87318
2012年 12月 17日 01:24 高橋清隆
第46回総選挙は、広島6区で亀井静香元金融相(未来・前)が小島敏文氏(自民・新)、花岡多美世(共産・新)を破り、12回目の当選を決めた。選挙期間中、一時は亀井候補の「劣勢」が伝えられていたが、最後は総力戦を展開し、小島候補との競り合いを制した。
待った当確、「日本人の魂取り戻す」
なかなか出ない当確が、接戦を物語っていた。3年前の選挙では、午後8時15分ころに当確の情報が流れた。今回は投票締め切りから1時間半たっても同区だけ結果が出ない。県内のほかの6つの選挙区は9時台に、すべて自民党が獲得していた。
建設会社の資材置き場を借りた選挙対策本部には、約250人の地元支援者が集まり、テレビの速報を食い入るように見ていた。「広島6区はまだ結果が判明していません」と飛ばされる度、ため息が漏れる。詰めかけた40人近くの報道陣もカメラを置き、しゃがみ込んでいた。
午後10時10分、NHKが「当確」を出すと、一斉に「ワーッ」という歓声がわいた。場内に拍手が鳴り響き、誰彼かまわず抱擁し合う。50代の女性は「待たせやがって」と喜びを爆発させ、60代の男性は「信じてた」と破顔した。
亀井候補は自宅のテレビで「当確」を確認してから、車で選挙本部に向かう。事務所に姿を現すと、万雷の拍手と握手攻めで迎えられた。地元、庄原市選出の小林秀矩県会議員に手を引かれ登壇すると、長女の亜希子さんから花束を渡される。
マイクを渡された亀井氏は「皆さん、血の出るような闘いを勝たせてくれ、本当にありがとう。(広島県選出の参院議員)佐藤公治さんとびったりと力を合わせてやりますから」と枯れた声を発し、深々と頭を下げた。
「選挙で勝った負けた、こんなことを繰り返しているうちに秋津洲(あきつしま)は沈没する。もう、今その瀬戸際に来ているから、わたしはとにかく、命を賭けてやる。日本人の心、魂を日本人が取り戻すために。皆さん、やりましょう」
亀井氏がこぶしを突き上げると、「ウォーッ」「そうだ」の歓声が上がり、割れんばかりの拍手が続いた。
ローラー作戦で「劣勢」跳ね返す
亀井氏は運輸相や建設相などを務めた自民党の重鎮だったが、小泉元首相による郵政民営化に反対して離党。綿貫民輔元衆院議員らと国民新党を立ち上げるが、消費税引き上げ反対の公約を守り同党を追い出された。
野田首相による突然の解散で「反TPP」、「脱原発」を結成した後、「未来の党」に合流。自公民とマスコミは「政党をころころ変わる」と非難した。11日には通信社が「亀井氏苦戦」を報じた。
知名度を生かし、選挙戦後半も他候補の応援弁士に出向く日程を続けて組んでいた。しかし、地元秘書らの情報を聞き、急きょ予定を変更。12日夕、広島県に入った。
最初に足を運んだのは、瀬戸内海に浮かぶ因島(いんのしま)。亀井氏は同県最北の庄原市川北町の生まれで、正反対の場所である。6区は同県で最も広い選挙区で、南部の尾道市や三原市にもともと縁はない。しかし、人口の多い地域で、当選に避けては通れない。
亀井氏は連日、南部で集会を複数回開く。党名を連呼する選挙カーから街頭に降り、歩行者一人ひとりに握手して回った。三原市内の集会では、選対本部長が「10票から100票の差になっています。政治生命をかけてきました。助けてください」と壇上でひざまずいた。
一方、北部の地元後援者は電話を増設し、婦人部の女性たちは朝立ちを開始。地区ごとのローラー作戦で守りを固めた。「県北で7割固めれば、尾道で50%・50%でも勝てる」(後援会幹部)との読みからだ。ただし、亀井氏の表情は険しいまま。
候補者を筆頭に、後援者とその家族、知人、大阪や東京などから駆け付けた亀井支持者も心を一つにして、危機を乗り越える総力戦を展開した。ミカンの木が並ぶ段々畑を上り下りした亀井氏は、足が棒になっていた。
最終日の15日午後7時台に選んだ場所も因島だった。かつて仇敵だった故佐藤守良(もりよし)農水相、公治参院議員親子のおひざ元でもある。今では「未来の党」の同志。「よくしていただき、思い出の場所となった」と亀井氏は吐露した。
同日8時40分すぎ、尾道の選挙事務所に戻ってきた亀井候補は、柔和な表情をしていた。報道陣に囲まれながら、すべての運動員に「皆さん、ありがとう。お礼の言葉もない」と労をねぎらった。
「よくも、これだけ死に物狂いになってやってくれた。男冥利に尽きる。結果がどうあれ、満足だ」
その顔はさっぱりしていた。
今回の衆院選は、投票率の低迷が目立った。そんな中、同県小選挙区の最終平均投票率56.80に対し、6区は60.54%と高い。「亀井氏苦戦」と報道されたためだろうか。一般有権者の獲得合戦がし烈を極めたことをうかがわせる。
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