http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/313.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/5c19ee6c3e5c9b9f1d9042bb6c38b5d6
2012年12月17日 世相を斬る あいば達也
確定ではないが、今回の総選挙、戦後最低の投票率の可能性がある。60%を割り込むとは想像もしなかったが、事実のようである。これでは結党間近の「未来の党」には勝ち目がなかったと云うことになる。支持母体も組織もない政党にとって、投票率(無党派層の取り込み)が唯一の勝利のツールなのだが、それがまったく機能しなかった以上、今回の惨敗は致し方ないのであろう。未来の党の惨敗もさることながら、民主党の大惨敗がひときわ目立つ。当然のことだが、野田が代表辞任に言及した。
≪ 野田首相、民主代表辞任を表明=「最大の責任、私に」
野田佳彦首相(民主党代表)は16日深夜、都内のホテルで記者会見し、衆院選での同党の大敗を受け、「厳しい敗北に至った最大の責任は私にある」として、党代表を辞任する意向を表明した。同党は速やかに後継選びに着手する。党内では、細野豪志政調会長や岡田克也副総理、前原誠司国家戦略担当相を推す声が上がっている。
会見で首相は「国民の審判は厳粛に重く受け止める」と強調。「できるだけ早く両院議員総会を開いて新代表を選び、国民に期待される政党となる体制を一日も早くつくってほしい」と述べ、次期代表は、新首相を選出する特別国会召集前に決めるべきだとの考えを示した。
一方、 細野氏は同日のニッポン放送の番組で、代表選への対応に関し「いろいろな仕事から逃げる気はないが、皆で相談する」と述べるにとどめた。≫(時事通信)
ここまで負けた2大政党など見たことがない。前回の総選挙で敗れた自民党だって119議席は確保している。つまり、衆議院で大政党が100議席を割ることは、崩壊の道に向かう可能性が高い。現在、参議院で民主党が第一党である事が唯一の接着剤であり、これを失う事で、一気に崩壊が加速するに違いない。このような政党の代表に誰がなるか等と云うことは、それこそ何の興味も抱かない。岡田が良いだろう。民主党の最後の代表には相応しい人物である(笑)。連合も全然選挙運動をしていなかったようだ。個人的に支持者を多く抱えていた議員だけが生き残ったようである。まぁ今さら、ドブに堕ちた犬を叩いても仕方のない話である。
今後の政治的興味は、自民党の動きにある。再軍備的指向の強い安倍晋三だけに、参議院選で柳の下のドジョウを狙い、公明党との連立枠を排除し、維新の会と連立を組むかどうか、そう云うキナ臭い興味に変わってくる。選挙中は経済政策に関する言及が、株価や為替を動かしたが、言及通りの継続的経済政策が打てるかどうか、此処にも焦点が集まるだろう。しかし、日本経済の根っ子に横たわる、対中貿易は、安倍自民のスタンスから考えると、参議院選まで大きく変動させることは出来ないので、対中貿易が更に悪化する可能性が強くなった。今回の選挙の一大特長はリベラルがすべて惨敗した点だ。今後一層日本の右傾化と銭ゲバ国家の醜態を晒すことになるだろう。
おそらく、参議院選後、自民と維新、時には民主の生き残りらが「大政翼賛会」な動きを見せ、改憲に踏み出す方向も視野に入ってきた。 『 憲法・第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。』
この条文における≪各議院の総議員の三分の二以上の賛成で≫を二分の一とし、国民投票等で過半数を持って、憲法を改正出来る流れをつくるに相違ない。おそらく、今後参議院選までの間、対中関係が改善する可能性は少ないであろうから、中国の対日工作は激しさを増すし、より国民が噴き上がる状況が増幅する。安倍自民は参議院選まで、対中融和路線に舵は切れないので、そうなる可能性は高い。それまでに、戦火を交えるようなアクシデントが起きないことを祈るのみで、一種神頼みの領域にある。勿論、経団連を中心とする重厚長大輸出産業は大打撃を受ける。安倍晋三は、輸出企業と参議院選勝利の板挟みで苦労しそうである。
そうして、仮に幸運にも参議院選を乗り切「大政翼賛政治」が出来あがった暁には、小沢一郎がやむにやまれず立ち上がった、「いつかきた道」にまっしぐら突き進む可能性を含む、自民党の大勝利であり、維新の増幅だ。消えそうな民主の残りカスも、危険因子である。480議席のうち400議席オーバーの「大政翼賛」誕生の危険を強く孕んだ選挙結果が有権者の選択で示された。
4割の棄権した有権者や、「大政翼賛政治」が行われるなんて知らなかったから自民党に入れたのに、と嘆いても後の祭りだ。これから参議院選に向かって「大政翼賛政治」への確実な歩みが始まるかもしれない。これを阻止できる政治勢力を誕生させなかったのだから、有権者の責に帰す事項である。まぁ当面は応援できるだけの政党云々よりも、安倍自民党がどのような政策を行い、対中関係でどのようなスタンスを見せるのか、先ずはこの点に注目していこう。それと、小沢や亀井らが、今後どのような方向性を打ち出すかもウォッチングに値する。右傾政党に対抗し得るリベラルを結集しない事には、日本がトンデモナイ方向の国家になる可能性がある。
引かれ者の小唄ではないが、今回の総選挙で醜悪さが目立ったのが、マスメディアである。無党派層には、「近いうち解散」の実行と云うだけの“争点なき選挙”と云うキャンペーンを張り続け、戦後最悪の投票率を達成させた。投票したB層も短絡的に、揺り戻し雪崩現象で、マスメディアの事前調査と云う名を借りた、自公320議席報道への付和雷同に誘い込んだ。たしかに、そう云うB層や無党派層が悪い、無関心や無知のなせるわざで、当方が関知することではない、と嘯くだろうが、報道の責任は非常に大きい。政治への関心が低い国民を、マスメディアが誘導する国家。それこそ、近いうちに大変な人災をもたらすに違いない。「大政翼賛政治」を作り出すマスメディア、第二次世界大戦も、こうやって国民は誘導されたのである。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK141掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。