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最高裁裁判官 国民審査 情報開示不十分 空欄なら「信任」
2012年12月15日 東京新聞[こちら特報部:ニュースの追跡]
最高裁裁判官の国民審査が、衆院選と同時に行われる。だが、多くの国民は、裁判官に関する情報が不十分で「よく分からない」のが実情だ。しかも、不信任としにくいかのような投票方式になっている。問題だらけの国民審査。少しでも変えるために、意思表示をしませんか。(出田阿生)
◆形骸化 罷免の前例なし
司法の頂点に君臨し、「憲法の番人」といわれる最高裁の裁判官は、長官を含めて15人。今回審査の対象になっているのは10人だ。投票者の過半数が「不信任」とした場合、その裁判官は罷免される。1949年から衆院選のたびに実施されているが、罷免された裁判官は一人もいない。
ジャーナリストの江川紹子さんは「制度の意味や基本的なルールすら、国民に十分伝わっていない」と指摘する。
投票用紙には裁判官の氏名が書かれており、適任でないと思う裁判官には×をつけることになっている。○や△など他の文字を書くと、すべて無効票になる。そのことを江川さんがツイッターで注意喚起したところ「初めて聞いた」という反応がいくつも来たという。しかも、選挙管理委員会の担当者に「分からなかったら何も書かずに投票箱に入れて」と言われた人もいたという。「何も記入しないと、全員を信任したことになってしまう」
最高裁は過去、数々の再審無罪事件で、誤った有罪判決を追認してきた。ところが、聖域扱いされて批判も検証もされない。
江川さんは「国民審査は国民が意思表示する唯一の機会なのに、役に立っていない。わざと投票方式を分かりづらくしているとしか思えない」といぶかる。
今回の投票ではどうしたらいいか。江川さんは「全員に×をつけてはどうか。抵抗があれば棄権する手もある。漫然と空欄で投票するのだけはやめよう」と呼び掛ける。
最高裁は52年、「何も書かない票はすべて信任扱いとして構わない」という判例を出した。この問題に長年取り組む鷲野忠雄弁護士は「最高裁の資質を問う制度なのに、自分たちに有利な解釈で、形骸化させてしまった」と話す。
70年代には日本弁護士連合会が○×式に変えるよう提案。社会・共産・公明の3党が○×式への改正案を提出したこともあったが、結局実現しなかった。
鷲野弁護士は「最高裁裁判官は、国民の意思と関係なく内閣が任命する。有識者による任命諮問委員会を設置し公聴会を開くべきだ」と提案する。参考になるのは米国の連邦最高裁だ。大統領が判事候補者を指名するが、上院の承認が必要。公聴会でさまざまな質問を受けて報道される。略歴や関与した裁判などが簡単に記された「国民審査広報」が配られるだけの日本とは大きく違う。
伊藤塾塾長で弁護士の伊藤真さんは「国民審査は、期日前投票が公示翌日ではなく投票日の7日前から。総務省は裁判官の個人名を印刷するのに時間がかかるからだというが、怠慢としか思えない」とあきれる。
「選任の過程を透明化し、個々の裁判官の情報をもっと積極的に公開する。投票方式も○×式に変える。重要な権利なのだから、国民の司法参加が進む中、国民審査だけが蚊帳の外という状態は許されない」
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