http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/178.html
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「国家による高度な“振り込め詐欺”=消費税:消費税に対する誤解と錯覚がインチキ税制の跳梁跋扈を許してしまっている。」(http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/133.html)のコメント欄からの引用です。
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私自身も勘違いをよくすると思っているので、勘違いではないかという指摘をいただきありがとうございます。
cN4vaGx1Pkさんは、本気でそう思われているようなので、真剣に対応させていただきます。
貴殿のコメントの全文は、末尾にまとめて転載させていただきました。
読んだ印象を率直に言えば、消費税特有の売上での預かりや仕入での負担という罠に嵌った説明になっているようです。
輸出と国内販売を区分けして、国内販売分は自動車関連企業の消費税として負担されており、消費税還付は輸出分の「仕入」だということで論を進めているようです。
そのために、国内販売分の乗用車に係わる最終小売消費税4286億円を超える消費税還付金4562億円が発生してもおかしくないという結論に達しているのではないでしょうか。
まず冷静に考え見てください。
問題になっているのは、日本国民が乗用車の購入で支払ったと思っている消費税が政府部門に入ったかどうかということです。
輸出の消費税はゼロ%ですから、その売上については、「売上に係わる消費税」が1円も発生しません。ですから、国内で生産された乗用車について、輸出を含む販売で発生する消費税は、理論値ですが4286億円のほかにありません。
そうであるのに、自動車メーカー5社は、消費税還付金4562億円を受け取っています。貴殿は、それを輸出用の仕入に相当するものだと言われますが、輸出からは消費税は入ってこないのですから、「仕入に係わる消費税」を差し引いたりすることはできません。
貴殿は、いやいや、自動車メーカーは仕入で消費税を支払っていると主張されるでしょうが、消費税は仕入に課税されているわけではありませんから、そのようなことは言えません。これについては後ほど説明します。
消費税が付加価値(荒利)に課税されているものという認識がないために、「輸出用の材料」といった説明が出てくるのだと思います。
そのように錯覚させる努力は財務省や学者などによってなされていますが、消費税は、売上に課税されているワケでも、仕入で納税しているワケでもありません。
■ 消費税の基本
貴殿は、「購入した材料のうち国内消費の割合が断定した段階で、輸出分の材料に対して暫定的に支払った消費税が還付される」と説明されていますが、輸出分の材料のみならず国内販売分の材料に対しても、消費税を支払うことは一切ありません。
「仕入に係わる消費税」は、あくまでも計算のツールであって、「売上に係わる消費税」から差し引く概念でしかないのです。
「材料に対して暫定的に支払った消費税」というのは錯覚で、実際に支払ったわけではなく、納付すべき消費税を計算するときに利用する概念でしかないのです。
これが理解できていないために、消費税還付制度のデタラメさに気がつかないのです。
これは、消費税が増税されたケースを考えるとわかりやすいでしょう。
消費税税率5%:仕入価格7千円・販売価格1万円・消費税143円・荒利2857円
仕入価格は同じで、消費税率10%になったとき、5%の時と同じ2857円の荒利を得るためには、販売価格を上げる必要があります。
販売価格を1万143円にすると、
消費税10%:仕入価格7千円・販売価格1万143円・消費税286円・荒利2857円
となり、同じ荒利を確保することができます。
経営や商売の基本は、どれだけの荒利を獲得するのかです。荒利すなわち付加価値が、人件費の源泉であり、配当の源泉であり、税金の源泉だからです。
消費税が10%になっても、経済状況や競争環境から販売価格を上げられずに1万円のまま売らざるをえなくなる事態も発生します。
このようなとき、販売先に消費税を転嫁できないときは、その分、消費税を減免する制度になっているのなら問題になりませんが、そのような配慮はありません。
ですから、
消費税10%:仕入価格7千円・販売価格1万円・消費税273円・荒利2727円
となり、消費税は2倍近くになり、荒利はその分減ってしまいます。
この経緯をじっくり考えれば、消費税が、売上や仕入に課税されているわけではなく、荒利(付加価値)に課税されることがわかります。
「売上に係わる消費税」や「仕入に係わる消費税」は、事業者が消費税について荒利(付加価値)に課税されているものと気づかないようにするためのゴマカシの表現なのです。
次に、消費税が増税されたときの仕入を考えてみます。
ここまでの説明で使ってきた商品を仕入れる事業者がいるとします。
その事業者は、消費税5%のとき、1万円で仕入れた商品を1万2千円で販売していました。
消費税税率5%:仕入価格1万円・販売価格1万2千円・消費税95円・荒利1905円
消費税税率が10%になったとき、この事業者が、仕入価格の引き上げを認めなかったために納品事業者は荒利を減らすことになったとお考えいただけば、上とつながりができてわかりやすいと思います。
この事業者は、消費税税率が10%になったことをお客に説明し、販売価格を1万2600円に値上げしました。
消費税税率アップで、「売上に係わる消費税」が571円から1145円に増えますが、ポイントは、それから差し引きことができる「仕入に係わる消費税」の変化です。
「仕入に係わる消費税」は、同じ仕入価格7千円であっても、5%のときは333円で、10%になると636円に増加します。この値は減じるものですから、値が大きくなるほど消費税の負担は減少します。
消費税税率5%:仕入価格1万円・販売価格1万2600円・消費税236円・荒利2364円
このように、この事業者は、消費税増税をうまく躱して、荒利を増やすことができました。
この事業者が悪いと言うために説明を行ってきたワケではありません。
消費税については、計算上のツールもしくは説明の概念でしかない「売上に係わる消費税」や「仕入に係わる消費税」を実体化するのは誤りで、付加価値(荒利)に課税されるものとして考えなければならないことをご理解いただくための説明です。
■ 貴殿のいくつかの勘違い
[引用1]
「消費者から預かった消費税4,286億円を納税するのではなく、逆に国から4,562億円が還付されるという事は
5社は材料購入の時にその2つを合わせた額である8,848億円を消費税として材料メーカーに払っているのです。」
「消費者から預かった消費税4,286億円を納税するのではなく、逆に国から4,562億円が還付されるという事は
5社は材料購入の時にその2つを合わせた額である8,848億円を消費税として材料メーカーに払っているのです。」
[コメント1]
上述のように、「5社は材料購入の時にその2つを合わせた額である8,848億円を消費税として材料メーカーに払っている」ということはありません。
「仕入価格×5/105」を「仕入に係わる消費税」として認定し、「売上に係わる消費税」の値から差し引けるということでしかありません。
材料メーカーは、自動車メーカーの「仕入に係わる消費税」を、自分の「売上に係わる消費税」として計上しなければならないだけです。
材料メーカーが納付する消費税がいくらになるかは、その他の「売上に係わる消費税」や材料メーカーの「仕入に係わる消費税」がどうなっているかによります。
自動車用の鋼板を納めている代表的鉄鋼会社である新日鉄は、346億円の消費税還付を受けていますから、自動車メーカーが計算上負担したことになっている消費税は、新日鉄からは納付されていないことがわかります。
「仕入に係わる消費税」として支払った気になるのはかまわないとしても、仕入先の決算が終わり、消費税の算定が行われるまでどうなっているのか、実態はわからないのです。
[引用2]
「材料メーカーは自動車メーカーから支払われた消費税8,848億円を国に納める。
国は8,848億円納税されるが、国内で消費された分の消費税は4,286億円だけなので、差額の4,562億円を
最初に財布から出した自動車メーカー5社に還付する。こういう流れです。」
[コメント2]
繰り返しになりますが、「材料メーカーは自動車メーカーから支払われた消費税8,848億円を国に納める」というのは、幻想であり、現実にはありません。
消費税は、「売上に係わる消費税」を税額とするものではないからです。
「国内で消費された分の消費税」というお考えだと、消費税の内実は見えてきません。
消費税は、その名前とは違い、荒利(付加価値)に課税されるものであり、消費に課税されるものではないからです。
[引用3]
「自動車メーカーから見れば、還付金も消費者からの消費税も収入です。収入の内訳同士の差額を算出して何の意味があるのでしょう。」
[コメント3]
おかしな説明になっています。
還付金は実際の収入ですが、消費者(ディーラー)からの消費税は、あくまでも計算上の値でしかありません。
私が比較しているのは、自動車メーカーの還付金合計と国内自動車小売市場で発生する理論値としての消費税総額です。
けっして、「収入の内訳同士の差額を算出して」いるわけではありません。
[引用4]
「差額を算出するなら収入と支出です。その支出、つまり5社が支払った消費税は8,848億円です。」
[コメント4]
5社が支払った消費税は、▲4562億円の他にありません。
消費税が▲4562億円だからこそ、還付金を4562億円受け取ったのです。
[引用5]
「その大事な部分を省いているから自動車メーカーが儲けていると勘違いするのです。
各部門別に消費税の収支を示すと
最終消費者▶▶ 4,286億円の支払い。
自動車メーカー5社▶▶ 材料メーカーに8,848億円払うが、消費者から4,286億円貰い、国から4,562億円の還付で差し引き0
材料メーカー▶▶ 自動車メーカーから8,848億円貰うが、国に8,848億円支払い、差引き0
国▶▶ 材料メーカーから8,848億円貰うが、自動車メーカーに4,562億円還付するので、差引き4,286億円の税収
だから消費者の支払った消費税は、全額が国の税収になっていますよ。
早く勘違いに気付いてくれますように。」
[コメント5]
これまでの説明をじっくりお読みになれば、「消費者の支払った消費税は、全額が国の税収」になぞなっていないことはわかると思っています。
なお、念のため、消費税を消費者が支払うということもありません。
消費税を支払うのは課税事業者であり、自分が稼いだ荒利(付加価値)の額に応じて負担し、荒利のなかから捻出して納付するものです。
最後に理をもってご指摘いただいたことに感謝しています。
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【引用4】
05. 2012年12月14日 22:08:42 : cN4vaGx1Pk
あっしらさん、だから勘違いですって。
前半で自動車メーカー5社合計で「消費税還付金4562億円>最終小売消費税4286億円」
を根拠に消費者が払った消費税が1円たりとも国に納められてないと主張していますよね。
だけど還付金というのは自動車メーカーが材料を仕入れる時、それが例え消費税が免税されている輸出車用の材料だとしても
材料を販売する側には、その材料が国内販売車に使われるのか、輸出車に使われるのかの判断が付きません。
ですからとりあえず国内消費(国内販売)されると看做して、購入者は販売額全体の5%の消費税を暫定的に支払うのです。
そして工場で完成車を組み立てて、それを国内販売や輸出をして
購入した材料のうち国内消費の割合が断定した段階で、輸出分の材料に対して暫定的に支払った消費税が還付されるのです。
材料メーカーは自動車メーカーから支払われた消費税8,848億円を国に納める。
国は8,848億円納税されるが、国内で消費された分の消費税は4,286億円だけなので、差額の4,562億円を
最初に財布から出した自動車メーカー5社に還付する。こういう流れです。
自動車メーカーから見れば、還付金も消費者からの消費税も収入です。収入の内訳同士の差額を算出して何の意味があるのでしょう。
差額を算出するなら収入と支出です。その支出、つまり5社が支払った消費税は8,848億円です。
その大事な部分を省いているから自動車メーカーが儲けていると勘違いするのです。
各部門別に消費税の収支を示すと
最終消費者▶▶ 4,286億円の支払い。
自動車メーカー5社▶▶ 材料メーカーに8,848億円払うが、消費者から4,286億円貰い、国から4,562億円の還付で差し引き0
材料メーカー▶▶ 自動車メーカーから8,848億円貰うが、国に8,848億円支払い、差引き0
国▶▶ 材料メーカーから8,848億円貰うが、自動車メーカーに4,562億円還付するので、差引き4,286億円の税収
だから消費者の支払った消費税は、全額が国の税収になっていますよ。
早く勘違いに気付いてくれますように。
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