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消費税で錯覚しやすいポイント:「輸出戻し税」が納品企業にまでいかないワケとメーカーが“負担した”消費税の内実
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/138.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 12 月 14 日 18:12:26: Mo7ApAlflbQ6s
 


A:「自動車購入で負担している消費税が1円たりとも国に納められていない根拠とワケ:消費税は売上ではなく付加価値への課税」
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/870.html

B:「国家による高度な“振り込め詐欺”=消費税:消費税に対する誤解と錯覚がインチキ税制の跳梁跋扈を許してしまっている。」
http://www.asyura2.com/12/senkyo141/msg/133.html
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A:「自動車購入で負担している消費税が1円たりとも国に納められていない根拠とワケ:消費税は売上ではなく付加価値への課税」(http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/870.html)のコメント欄からの引用です。


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【引用2】
「07. 2012年12月13日 16:01:20 : qEUFYUxu22

自動車メーカは部品を仕入れて組み立てている。 部品の代表としたネジメーカを例に取ると輸出車のネジに対しては理論的には輸出戻し税が入るはずである。 実際に戻し税がネジメーカに入っているのだろうか? どうなっているのだろう。」


【回答2】
 いわゆる「輸出戻し税」を正当化する論理とその計算式から言えば、自動車メーカーに対する納品企業も、「輸出戻し税」を受け取れるように思えます。

 しかし、現実には、輸出を行った企業のみが「輸出戻し税」を受け取り、輸出をするための部材などを納品した企業が「輸出戻し税」を受け取ることはありません。


 財務省を代弁して説明すれば、「輸出企業に納品した企業は、納品段階で消費税を上乗せしているはずである。一方、輸出企業は、輸出で相手先の輸入関税を負担することはあっても、日本の消費税を負担して貰うことができない。だから、「輸出戻し税」を受け取るのは輸出企業のみで、輸出企業から既に消費税を預かっているはずの納品企業には無関係の措置である」というものになります。

 なんとなく、「そうか、わかった」と思ってしまった人は、“振り込め詐欺”に気をつけたほうがいいですよ(笑)。


[理由]

● 消費税の算定式からわかるように、消費税は、輸出や売上に課されるものではなく、付加価値(売上−仕入:粗利益)に課されるものである。

● 統制経済ではないから、規制分野以外、利益をどれだけ上乗せできるかは“市場原理”であり、輸出価格が国内価格を上回っていてもかまわない。

● 輸出価格に国内なら消費税に相当する額を上乗せしても、売れるか売れないかの問題だけで、誰からもクレームを付けられない。ただし、その結果は、輸出企業の利益増加になるだけ。


※ 簡単な例

仕入単価:7千円
販売価格:国内向け税込1万円・輸出1万円
粗利益(付加価値):3千円

ここまでなら、国内販売であれ、輸出であれ、得られる付加価値(荒利)は、3千円で変わりありません。

ところが、消費税を考慮すると、

課税される国内売上からは、143円の消費税が発生します。
税率ゼロの輸出は、仕入に係わる消費税額のみ発生するので▲333円になり、消費税還付が333円発生します。

まったく同じ条件で商売をしていながら、国内向けか、輸出かで、得られる利益が異なってしまう税制を“詐欺”と言わずしてなんと言えばいいのでしょう。

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【引用3】
「15. 2012年12月13日 22:13:23 : TNyiQgHzBo

>トヨタ自動車 2246億円
トヨタ自動車が輸出した車の消費税をすでに、これまでの納入実績の消費税として税務署に収めているなら還付税は合理的であるがそれはどうなのか。
そういう流れになっているのかな・・」

【回答3】
 失礼ながら、この考え方も、錯覚に囚われている可能性が高いものです。

 おそらく、トヨタが、納入企業向けに2246億円以上の消費税を“負担している”のなら、輸出絡みで2246億円の消費税還付を受けても問題がないのではというお考えなのでしょう。


● 消費税は付加価値(売上−仕入)に課されるもので、「仕入に係わる消費税額」はあくまでの計算上の話でしかなく、せいぜい納品先企業に支払われているとは言えるだけで、消費税が政府部門に納付されているわけではない。


※ 「自動車購入で負担している消費税が1円たりとも国に納められていない」で説明したように、最終消費者が負担したと言える消費税額よりも、自動車メーカーが受け取る消費税還付の額のほうが大きいのですから、納品先企業に支払われたと見なされている消費税は政府部門に入っていないことがわかります。


● 「仕入に係わる消費税額」が納税だというのなら、【回答2】で示した国内販売は、仕入で“負担した”333円の消費税と政府に納付した143円を合わせた476円の消費税を負担したことになる。


※ このような説明に対して、国内向け販売は、相手先から消費税を受け取っているじゃないかという反論がよくなされます。

 しかし、【回答2】で説明したように、自由主義経済の非規制分野では、税金の計算方法は決まっていても、利益の上乗せに規制や制限はありません。

 わかりやすい例を出すと、仕入額7千円の商品を、国内1万円、輸出1万2千円で売ってもいいのです。課税ゼロの輸出のほうが、課税される国内販売よりも安いと決まっているわけではありません。

 実際にも、円安状況であれば、国内出荷価格よりも輸出価格のほうが高いという現象も生まれます。(1万ドルが、110万円になるか、80万円になるかということですから)

 【回答2】の例でも、輸出と国内向け販売で売り上げた時点の利益はまったく同じ額です。なのに、消費税を処理すると、手元に残る利益額が大きく変わるというのが消費税の仕組みです。

 仕入・荒利・売価とも同じ条件で、国内向け売上は143円の消費税納付が発生し、輸出は、逆に333円の消費税還付が発生するのです。
 違いは、輸出か国内販売かというだけです。

 消費税問題でよく使われる「転嫁」や「負担」という用語ですが、説明のアヤとしては意味があっても、内実的には何ら意味がないものです。

 消費税の負担を問題にするのなら、利益の負担も、問題にしなければなりません。
消費税は「小売売上税」ではないので、消費者にとって、消費税分がどれくれいで利益分がどれくらいなのかはわかりません。本体価格に5%を乗じたものというのも、自動車でわかるように、あてにならない“仮構”なのです。

消費税を転嫁できるかどうかという問いそのものが、錯誤のうえに成り立つもので、消費税を転嫁できるかどうかは、利益を転嫁できるかを問うこととまったく変わらない発想です。

 消費税は、課税事業者(企業)が稼いだ付加価値(粗利益)から、自分の負担で納付する直接税です。(消費税は、俗に言われるような間接税ではありません)


 

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コメント
 
01. 2012年12月14日 23:21:50 : xSDqWS57c6
最近、増税だけが問題なだけじゃなく、消費税そのものに、何だか騙されてるような気がするんだよね。
輸出企業への還付金が、上位10社で8,000億円って、消費税収が10兆円だというから、びっくり。

◆09年分の消費税還付金 輸出大企業10社に8014億円(全商連)
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/shouhi/101115-01/101115.html

◆税収の推移(財務省)
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei/04.htm


02. 2012年12月15日 02:31:46 : X0IE6OPi3w
○総仕入れ \7000(税込)の場合 本体価格\6667 + 消費税\333
  仕入先全体で\333納税される。

1:製品メーカが国内売価 \10000(税込)で国内販売の場合 本体価格\9524 + 消費税\476
   付加価値は\2857 
   製品メーカは\143納税する

   税金
    仕入先全体で\333納税
    製品メーカで\143納税 合計\476


2:国内と同じ価格で海外に販売する場合は 本体価格の\9524で売るということ
   付加価値は\2857
   製品メーカは輸出戻し税\333受け取る

   税金
    仕入先全体で \333納税
    製品メーカで -\333納税 合計\0


3:仮に\10000で海外に販売出来た場合は、要するに少し高く売れたと言う事で
   付加価値は\10000-\6667 = \3333
   製品メーカは輸出戻し税\333受け取る
 
   税金
    仕入先全体で \333納税
    製品メーカで -\333納税 合計\0

> 仕入・荒利・売価とも同じ条件で、国内向け売上は143円の消費税納付が発生し、輸出は、逆に333円の消費税還付が発生するのです

税込\10000は本体価格が\9524なので、本体価格\10000で(海外に)売るのとは、荒利・売価が異なります。



03. 2012年12月15日 09:38:48 : qEUFYUxu22
>なんとなく、「そうか、わかった」と思ってしまった人は、“振り込め詐欺”に気をつけたほうがいいですよ(笑)。

ズル賢い官僚の考えそうなことだな。 見返りに高額な給料、退職金目当てに輸出企業に天下りしたりして。  戻し税と払った戻し税を含まない消費税の額は実際はどうなんだろう?

個人が海外から出国のとき消費税の払い戻しを受ける制度と同じようにすべきだな。  輸入した側が日本の税務署に還付を受ける制度にすべきだ。


04. 2013年2月17日 23:04:21 : PRJcUhLfyU
> 個人が海外から出国のとき消費税の払い戻しを受ける制度と同じようにすべきだな

現行制度はまさにその通りですよ。出国時に物品を持ち出すことは輸出相当なので、輸出者たる出国者に消費税(付加価値税)を還付している。


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