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支持者に囲まれて笑顔を見せる小沢氏=13日、大船渡市
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/20121214t31006.htm
2012年12月14日 河北新報
日本未来の党前議員小沢一郎氏(岩手4区)が衆院選(16日投開票)終盤の12日から岩手県入りし、党公認候補のてこ入れに懸命だ。民主党分裂や自民党への追い風で、自らも減票を覚悟しなければならない戦いとなり、選挙戦最終日の15日には4区で異例の街頭演説に立つ。党が全国的に劣勢と伝えられる中、「王国」岩手の存亡を懸け小沢氏の神通力が試される。
「出遅れたが、やっと(民主党前議員と)横一線に来た。(勝利まで)あともう少しなので、よろしくお願いします」
小沢氏は13日、岩手3区の新人候補を応援するため、6時間で大船渡、釜石、遠野各市の計11カ所で街頭演説に臨んだ。1カ所10分程度、数十人規模をきめ細かく回る戦術で、一人一人と握手を交わし頭を下げた。
最激戦とされる1区を中心に街頭演説や有力者を回り、選対関係者らにハッパを掛けるという。
「来てくれると心強い」。未来の各陣営は小沢氏の岩手入りに大きな期待を寄せる。たもとを分かった民主陣営は「小沢氏が入ると一気に組織が引き締まり、勢いがついた。票が伸びるのは間違いがない」と警戒心をあらわにする。
「4日間も岩手に入るのは記憶にない」(小沢氏の後援会幹部)というほどの強力なてこ入れは、「小沢王国」存亡への危機感の表れだ。100人以上いる党公認候補のほとんどが苦戦する中、岩手は候補者が当落線上にいる数少ない選挙区とみられている。
県議の一人は「この選挙は、小沢先生の発言力が国会で保てるかどうかの戦いだ」と、岩手での議席確保の重要性を強調する。
小沢氏が選挙期間中に自らの選挙区の街頭に立つのは極めて異例だ。後援会連合会の小笠原直敏会長は「それだけ危機感を持っている」と話す。
強固な小沢氏の地盤は、民主党分裂でほころびが生じた。長年支える後援会組織は高齢化が進み、悲願の政権交代を果たしたのに自ら離脱した経緯などから士気が低下した側面もある。
小沢氏は9月に後援会会合に参加して引き締めを図ったが、ある後援会幹部は「培った組織力の『貯金』で勝てると思っていたが、自民党への追い風が強い」と、予想以上の厳しさを口にする。
有権者には冷めた声もある。釜石市の仮設住宅で小沢氏の演説を聞いた無職の男性(69)は「あまり被災地に来なかったのに、こういうときだけ来られても釈然としない」と話した。
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