http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/870.html
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「党首討論会にまで触れてはならぬ「放送コード」があるらしい日本:共産党・社民党も含め穏やかに棲み分けている日本政界」(http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/832.html)の投稿でいただいたコメントへの回答です。
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09. wAwjOWtrpA さん、コメントありがとうございます。
【引用】
「投稿者 あっしらさんへ
>みんなが自動車を買ったときに払っている消費税は1円たりとも国に納められていない。
事実誤認してます。国内で生産されても海外で販売(消費)される自動車には消費税がかからないだけで
みんなが買う=国内で買う(消費する)自動車の消費税は全額が国に納められてます。」
【コメント】
たぶん、まじめにそのように理解しているのだと思いますが、そのような認識は誤りです。
(失礼な言い方になりましたが、学者を含め不埒な消費税推進派には、平気でウソをつく人もいるので・・・)
「国内で生産されても海外で販売(消費)される自動車には消費税がかからない」といった消費税に関する説明も、「輸出戻し税」を正当化するための虚構でしかありません。
なぜなら、消費税は、販売金額に対して課されているものではなく、認定範囲の付加価値金額に対して課される税だからです。
ですから、消費者が購入時に負担したと思っている消費税が、ほんとうに税金として政府部門(国庫及び地方自治体金庫)に納められているかどうかは、各企業(事業者)の消費税に関する税務処理が終わるまでわからないのです。
最初に、「みんなが自動車を買ったときに払っている消費税は1円たりとも国に納められていない」とする根拠を示します。
国内における乗用車小売総額はおよそ9兆円です。
これは消費税込みの金額ですから、消費者が自動車購入で負担したつもりになっている消費税額を4300億円と見積もることができます。
一方、下に示すデータをご覧いただくとわかるように、自動車メーカーの消費税還付金(俗に「輸出戻し税」と呼ぶ)は、トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・三菱の5社だけでも、4562億円に達しています。
トラックやバスなどの商用車はほとんど別会社で製造販売されているので、この金額は乗用車にかかわる消費税還付と考えることができます。
(他にも富士重工・スズキ・ダイハツ・いすゞなどの乗用車自動車メーカーが存在しますが、消費税還付金が少ないためリストには出ていません)
この消費税還付には、大きな誤解があるようです。
消費税の還付は他の税目の還付と違い、納付済みの消費税が払いすぎということで戻ってくるわけではなく、「売上に係わる消費税−仕入に係わる消費税」の計算式でマイナスになると、1円も納付していないのに受け取れるという奇妙なものです。
納付していない税金を還付するのですから、「消費税還付(金)」という呼称そのものがマヤカシということになります。
乗用車メーカーの消費税還付金は、ディーラーから受け取ったことにできる消費税から、仕入先に支払ったことにできる消費税の差額がマイナスであることを意味します。
このことから、「5社の消費税還付金4562億円>消費者“負担”消費税4300億円」であることをもって、「みんなが自動車を買ったときに払っている消費税は1円たりとも国に納められていない」と主張できると考えています。
(※ 最終消費者が生産・流通の全段階で発生する消費税の合計を負担しているというのが、財務省などの公式的説明です。自動車に使われているネジ1本の原料費にかかわる消費税まで最終消費者が負担したとみることができます)
さらに、「5社の消費税還付金4562億円>消費者“負担”消費税4300億円」ですから、「みんなが食べ物や衣類を買ったときに負担した消費税の一部も、受け取った消費税を1円も国に納めていない自動車メーカーなどに「輸出戻し税」というかたちでわたっている」と説明しても間違いではないはずです。
【輸出戻し税の上位10社[2010年度]】
※「AERA」‘12.7.2 P.20〜22より
1.トヨタ自動車 2246億円
2.ソニー 1116億円
3.日産自動車 987億円
4.東芝 753億円
5.キャノン 749億円
6.ホンダ 711億円
7.パナソニッック 633億円
8.マツダ 618億円
9.三菱自動車 539億円
10.新日鉄 346億円
※ 税理士の湖東京至さんが2010年度の有価証券報告書(キャノンは12月期決算のため2010年のもの)をもとに推計した。
消費税がどのような税制なのかを知るために、簡単な流れで説明します。
[自動車に関する消費税処理の簡単な例]
消費税税率5%で、消費税と地方消費税を分けずに説明します。
A:
自動車税込小売価格:199万5千円
消費者の受け止め:本体価格191万円+消費税9万円
消費者は、9万円の消費税を負担したつもりになっています。本体分を含む199万5千円が自動車ディーラーに入ります。
B:
ディーラー:仕入価格150万円
この仕入価格は、消費税の税務処理上、
本体仕入価格:142万8572円
仕入にかかわる消費税:7万1428円
に分解できます。
このディーラーには輸出がないとします。(顧客から買い取った中古車を輸出すると「輸出戻し税」の適用がある)
自動車販売のために地代家賃・広告宣伝・事務機器などの経費が発生しますが、それらにかかわる消費税は、相手先がしかるべき処理をした後に自身の消費税として納付されていることとし、ここでの検討からは除外します。
(誰が納付したかではなく、回り回ってでも政府部門に納められればいいからです)
このディーラーが納付する消費税は、9万円−7万1428円=1万8572円です。
ここまでの流れでは、消費者が負担したつもりになっている消費税9万円が政府部門にきちんとはいるかどうかはわかりません。
問題は、自動車ディーラーが負担したことになっている消費税7万1428円がどうなるかです。
C:
この例で使っている自動車を製造販売しているメーカーは、国内向け販売だけではなく、輸出も行っているとします。話を簡単にするために、輸出は、台数1で金額142万8572円とします。
売上金額合計:292万8572円(150万円+142万8572円)
国内向け1台と輸出分1台を製造するための仕入金額(認定分経費を含む):160万円
仕入に係わる消費税額:7万6191円
このメーカーの消費税処理は、「売上に係わる消費税−仕入に係わる消費税」で算出されます。
輸出は免税ですから、売上に係わる消費税7万1428円・仕入に係わる消費税7万6191円を用いることになります。
最終消費税額:7万1428円−7万6191円=▲4763円
このメーカーは、消費税を納付する必要がないだけでなく、還付税4763円を受け取ることができます。
この処理の内実は、
売上金額合計:292万8572円
仕入金額合計:160万円
付加価値:132万8572円
消費税:???円
と言うことができます。
付加価値に対する課税(消費税)が、国内専業であれば6万2785円、半分輸出であれば▲4763円となるのです。
(※ 国内向け価格150万円・輸出価格142万8572円という設定でしたが、ここでの国内専業の消費税額算出は、1台は輸出価格で国内向けに税込みで販売したと考えて処理したものです)
この事実をより明確に言えば、消費税制度があることで、国内専業は付加価値を6万2785円減少させる一方で、半分輸出の企業は、付加価値をなぜか4763円増加させるのです。(税金は基本的に稼いだ付加価値から支払うものです)
半分が輸出であれば、消費税制度があることによって、何も努力しなくても、付加価値が4763円増えるのです。
これが、グローバル企業を加盟企業の中心とする経団連が消費税増税&法人税減税を声高に叫ぶ理由であり、消費税制度がグローバル企業を支える中小企業を含む国内専業事業者の経営を困難にさせ社会構造をも歪ませてしまう理由でもあるのです。
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