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憲法改正 曖昧にせず本質を論じよ
2012年12月9日 10:42
■2012総選挙■
衆院選では原発、経済政策などと並び憲法が争点の一つになっている。
国の根幹にかかわる問題だけに、各党が激しい論戦を展開して主張の正当性を有権者に訴えてしかるべきだが、選挙戦での論議は、今のところ低調な状況にとどまっている。極めて残念だ。
自民党は、党是でもある「憲法改正」を公約に盛り込んだ。だが、憲法9条改正に慎重な公明党への配慮もあってか、前面に打ち出して訴えてはいない。
公約に「自主憲法制定」を掲げる日本維新の会は石原慎太郎代表が積極的に憲法改正に言及するものの、公約では具体的内容については触れていない。
両党とも世論をにらみ深追いを避けている印象だが、今回は2010年5月に憲法改正に関する国民投票法が施行されて初の衆院選である。いつ政治日程に上ってもおかしくない課題にもかかわらず、論議の輪郭はぼやけている。
国民投票法は憲法改正の国会発議(衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成が必要)後、国民投票(過半数の賛成で承認)実施までの手続きを定めている。自民党の安倍晋三総裁が首相当時の07年、与党の自民、公明両党が提出し、両党の賛成多数で成立した。
これによって戦後初めて改憲手続きに関する法整備ができた。安倍首相は10年の改憲案発議を目指したが、直後に病気のため退陣に追い込まれた。自民党が09年衆院選で下野したこともあり、実際の発議に至らなかった経緯がある。
自民党は今年4月、「天皇を国家元首と規定する」「自衛権を明記し国防軍を設置する」などとした憲法改正草案を発表した。これを今回の政権公約の基本に据え、あらためて改憲に向け仕切り直しする姿勢を鮮明にしている。
一方、民主党は政権公約で「憲法を活(い)かす」「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」などとして現行憲法を尊重する姿勢をにじませているが、具体的な条項に関する主張は曖昧だ。
主要政党のうち、選挙公約で明確に「護憲」を主張しているのは共産、社民両党だけだ。衆院選での各党の獲得議席や政治状況にもよるとはいえ、複数の主要政党が憲法改正を公約に掲げた以上、選挙後のいずれかの時点で大きな政治テーマとして浮上する可能性がある。
であればなおさら、有権者が間違いのない選択をするためにも、各党が憲法改正に対する自らの考えを一層はっきり打ち出し、本質的な議論をするべきだ。
不安定な東アジア情勢を背景にした日米安保条約と集団的自衛権の問題、参院のあり方論を含む国会改革や、首相公選制の是非など、憲法改正に直結する重要な課題が政治の場ではすでに論じられている。意図的に争点から隠すようなことは、断じてあってはならない。
=2012/12/09付 西日本新聞朝刊=
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