http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/802.html
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「茶番劇!?石原氏は、息子も出馬した総裁選での安倍勝利を予め知っていた可能性:無視されたままの党首討論会「石原重要証言」」(http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/780.html)でいただいたコメントへのレスポンスです。
03.の pSqvPWYgssさん、こんばんは。
【部分引用】全文引用は末尾:
「まして日本の外務省以上の情報分析力をもつだろう中国政府の側にしてみれば、日米同盟強化のために
尖閣を国有化したり、そうかとおもうと、経済的な理由から一転、関係修復をせまられて黙っているともおもえない。
そもそも尖閣の国有化がどれほど甚大な損失を日本にもたらすか計算もできない日本の経済界。(もちろん米国にしれみれば自国の損害ではないのだからそんなことは平気だろうけど。)
そのうえで今度は関係修復? そんなかんたんにゆくとはとてもおもえないほど相手の存在、動きを考えないゲームですね。」
【コメント】
中国の対日政策の基本:
[経済]現在及び近未来までの経済成長にとって日本の技術力と市場が必要不可欠
[政治]自主独立の日本より、「日米同盟」に繋がれている日本のほうが好ましい
これらを前提にすれば、中国側も、現在のような険悪化した日中関係を好ましくないと思っていることがわかるはずです。
今回の騒動の直接的原因である日本政府による尖閣諸島買い上げ(国有化)も、中国側が、絶対的な悪で受け容れられない政策と考えているわけでありません。国有化によって、「平穏な現状」が維持されていくのなら無問題なのです。
要はタイミングが悪かったのです。日中国交正常化40周年、5年に一度というより指導層の大幅な入れ替えを伴う10年に一度の共産党大会の直前、満州事変の発端となった柳条湖事件の直前というタイミングで、日本は、なぜ、わざわざ、尖閣絡みで動いたのかという怒りなのです。
日本の政治家や研究者は認めないし認めたくもないでしょうが、現在の米国にとってアジアでより重要な戦略的パートナーは、日本ではなく中国です。
これは政治的にどうのとか価値観的にどうのといった話ではありません。純粋に経済的損得勘定の結果です。
日本は、軍事的世界戦略の前進基地としては有効かつ重宝な存在であっても、肝心の経済的利益でそれほど期待がもてません。
金融・保険・製造業・航空機・エンターテイメントなど、米国が得意とするどの経済分野においても、高い成長を続けている中国にほうに魅力があります。
米国が中国をより重視していることは、成長期の日米関係がそのまま続いているかのような錯覚や軍事的衝突まで考慮した「米中相克」論をいったん忘れて、米国の立場から冷静に日中の歴史的推移を比較してみればわかります。
軍事的意義が高い日本は、米国がわざわざ譲歩したり対価を与えなくても、日本のほうからそれを求めているのですから失う心配はありません。
米国は、成長を続けるアジアでの権益を確保するためにも、軍事的プレゼンスが必要で日本の基地が重要だと考えています。
中国の立場で言えば、米国が、日本や韓国に軍事組織(艦隊を含む)を駐留させず、グアムあたりにまで後退してくれたら“楽”になります。沖縄など至近距離に巨大な力を誇る米軍が存在すれば、やはりうっとしく気にしないわけにはいかないからです。
米国は、日本相手とは違い、中国とは厳しい交渉を強いられますが、それに見合うだけの利益があると考えています。
中国にとっても、単独国家として最大の輸出市場である米国は、見返りの輸入を増大させてでも確保したい相手です。
このような関係が、相互に戦略的パートナーであり、ウィンウィンの関係と言えるものです。むろん、日本にとって、中国も米国も戦略的パートナーです。
日本の政治的支配層は、「日米同盟」を国是として掲げ続けるため、このような歴史的現実の変化にヴェールをかぶせ、80年代までの日米関係が今なお続いているかのような幻想を国民にふりまいています。
米国の政治的支配層も、日本がより大きな経済的利益を得られる中国になびかないよう、時として日中関係や朝鮮半島情勢を悪化させ、「日米同盟」の必要性を再確認するよう仕向けています。
(10年9月の中国漁船逮捕事件や今回の東京都による尖閣買い上げ騒動、さらに言えば、わけがわからない北朝鮮のロケット打ち上げ騒動も、正誤はともかく、この視点で考えてみる必要があると思っています)
政治的側面についてですが、中国は、「日米同盟」を敵視したり嫌っているわけではありません。
逆に、日本が政治的に独立して独自の主張を始めるほうがイヤだと思っています。考えてみたらすぐにわかることで、米国との交渉で日本問題までカタがつくのなら、それほど楽な話はないからです。
このような状況は、日本の行く末にとって好ましいものではありません。なぜなら、米中の戦略的パートナー度がよりいっそう高まっていくことを意味するからです。
最後に、今後の日中関係及び日米関係は、さらに難しいものになると考えています。
かつての中国は、日本の資本力(直接投資)も必要不可欠としていましたが、資本力はほとんど必要としなくなり、製造装置や基幹部品など日本の高い技術力に支えられた製品と日本市場(ほとんどが日系企業の逆輸入)を不可欠のものとするようになっています。
日系企業の手によるものが主力ですが、輸出先としての日本市場の重要性はしばらく続くとしても、経済成長とともに中国の技術力も発展し、日本の技術力に依存する割合が減少してゆきます。
このことは、日本が、1950年ころからわずか20年ほどで、目を見張るほどの最先端と考えていた米国の産業技術にキャッチアップしたことを考えればわかることです。
日本人と中国人のあいだで能力にそれほどの優劣があるわけではありません。韓国サムスンなどとの競争関係の変移を考えても見えてくる話です。
日本が優位にある技術分野も、日本がこれまでのような低迷を続ければ、その多くがここ10年ほどで追いつかれてしまう可能性もあります。そうなれば、日中の経済関係は大きく変わってしまうでしょう。
日本企業自身が、成長が期待できる巨大市場の中国に開発拠点を移す動きを見せています。このような動きは、中国のキャッチアップを強くサポートすることになります。
日本は、なんとしても開発力と製造技術力で中国の先をいくという気概をもって、国家社会が一体となった先端産業技術立国を達成しなければならないと思っています。
そして、それと同時に、より広く世界をとらえ、一つ一つはそれほど大きくなくても、確実にシェアを確保できる海外進出先を確保する動きを強める必要があります。中国にこだわりつつも、アジアにこだわりつつも、ターゲットをより広く求める必要があると思っています。
米国との関係は、今のところ抜き差しならないものですから、面従腹背を基本の構えにするしかないと考えています。
米国の怒りを買わないよう、そしてまた、米国の思う壺に嵌らないよう、のらりくらりと要求を受け容れつつ微妙に躱すしかないのかなと思っています。
日本経済はご存じのような状況なのに、米国はTPPというタガを日本に嵌めようとしています。米国が得意の分野であり、現在の日本でも魅力的な市場である金融・保険・医療・公共事業などで事業強化をはかろうとしています。同時に、TPPに参加させることで、日本が成長著しい中国を主たるターゲットにした「東アジア共同体」構想に向かわないようつなぎ止めるつもりです。
米中の軍事力比較は、あと20年ほどは米国優位だと見ていますが、徐々にその差が縮まり、20年後には逆転するだろうと思っています。
米中のGDPが25年に逆転すると見込まれていますが、元−ドルレートの推移を考えると、ドルベースでも10年後には逆転してしまう可能性もあります。
経済規模の差と経済成長の勢いが、軍事力開発競争にも反映されることになります。
現在の日本は、対米独立性を真剣に高めていくのか、それとも割り切って商売人国家として生き続けるのかを自覚的に選び取らなければならない岐路に立っているような気がしています。
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[全文引用]
03. 2012年12月11日 20:58:15 : pSqvPWYgss
こんにちわ。あっしらさん。
こないだコメントで疑問をはさんだものです。
>日中関係の悪化といってもほんとうの悪化を狙っているわけではなく、国民感情を煽り「日米同盟」強化に繋げるために関係悪化を利用しようというものであり、言うならばマッチポンプ的な動きと理解していただければ思っている。
>それゆえ、日中関係に波風を立たせたい勢力と日中関係を修復させたい勢力が対立しているわけではなく、極端に言えば同じ人々が両方を考えているとも言える。
なるほど。単純なものじゃないのですね。
日米同盟強化をたくらむ人たちが、そのために日中関係を悪化させたり、悪化させた関係を修復させたりしているわけだ。
これでわたしの疑問はあるていど払底されました。
ただし、こういうことであるなら連中はとてつもなく荒っぽいことをやっているわけですね。
荒っぽいし雑だし頭が悪すぎる。w
マッチポンプはそりゃやる方はおもしろいかもしれないけど、相手があることだし、
相手にしてみればそんなことをやられておもしろいわけがない。
まして日本の外務省以上の情報分析力をもつだろう中国政府の側にしてみれば、日米同盟強化のために
尖閣を国有化したり、そうかとおもうと、経済的な理由から一転、関係修復をせまられて黙っているともおもえない。
そもそも尖閣の国有化がどれほど甚大な損失を日本にもたらすか計算もできない日本の経済界。(もちろん米国にしれみれば自国の損害ではないのだからそんなことは平気だろうけど。)
そのうえで今度は関係修復? そんなかんたんにゆくとはとてもおもえないほど相手の存在、動きを考えないゲームですね。
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