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2012年12月11日 植草一秀の『知られざる真実』
12月16日に投開票日を迎える第46回衆議院総選挙の最大の特徴は、マスメディアによる情報操作が一貫して実行され続けたことにある。
その最大の狙いは、小沢一郎議員を軸とする政治勢力の攻撃である。
これは、裏を返すと、米国・官僚・大資本による日本政治支配の構造を盤石のものにすることである。
日本における政治の利害関係者は大きく二つに分けることができる。
ひとつが米国・官僚・大資本のトライアングル。
敗戦後の67年間、日本政治を実質支配し続けてきた勢力である。
これが日本の既得権益。
この既得権益の手先になって活動してきたのが、利権政治屋と御用メディアである。
米・官・業・政・電の五者が広義の日本の既得権益である。
これに対峙するもうひとつの利害関係者が主権者国民だ。
主権者国民勢力が政治の主導権を握りかけたことは何度かあった。
敗戦後、日本国憲法施行に合わせて実施された総選挙で、片山哲社会党政権が生まれた。
1956年には石橋湛山政権が誕生した。
1993年には細川連立政権が誕生した。
そして、2009年9月には鳩山由紀夫政権が誕生した。
鳩山政権は、日本の歴史上、初めて主権者国民が主権者国民の選択で主権者国民の政権を樹立したものであった。
しかし、この政権はメディア、検察権力、官僚機構、米国、大資本の総攻撃により、わずか8ヵ月で破壊された。
主権者国民勢力の中心に小沢一郎氏が存在する。
既得権益は、小沢一郎議員を軸とする政治勢力にターゲットを絞り、激しい情報操作を展開し続けてきた。
その最大の表れが、2009年3月以降の西松事件、陸山会事件を中心とする政治謀略=人物破壊工作であった。
無実潔白の小沢一郎氏に対して、不正で不当で卑劣な攻撃が展開され続けた。
このなかで、いま第46回衆議院議員総選挙が実施されようとしている。
この選挙に向けて、どのような工作が展開されてきたか。
情報工作の柱は二つあった。
ひとつは、民自勢力に対する「第三極」として、橋下徹氏を一貫して宣伝し続けたこと。
新興の諸派勢力など無数に存在するなかで、橋下徹氏の勢力もそのひとつに過ぎない存在である。
しかし、メディアは、一貫してこの勢力を誇大宣伝し続けて、虚像を創り上げてきた。
民自勢力を否定する小沢一郎氏を軸とする政治勢力がクローズアップされることを防ぐための、反民自勢力分断の戦術であった。
もうひとつの情報工作は、小沢一郎氏に関する報道を遮断することだった。
2009年3月に西松事件をでっち上げてから、小沢一郎氏を不正に起訴し、裁判にかけるところまでは、小沢一郎氏関連報道を土石流のように展開したメディアが、2012年以降は、ほぼ全面的に小沢氏関連報道を遮断する行動に転じた。
小沢一郎氏はもとより無実潔白であったから、裁判で無罪となることは当然のことであったが、小沢氏無罪報道を完全に遮断したのである。
同時に、小沢一郎氏に近い議員が、主権者国民との契約を重んじて民主党を離党し「国民の生活が第一」を結党して以降、「国民の生活が第一」、「日本未来の党」に関する報道をほぼ全面的に遮断した。
二つの情報工作は、いずれも、小沢一郎氏を軸とする政治勢力の影響力を排除するためのものであった。
その目的は、日本政治が主権者国民のための存在に変質することを阻止することにあると考えられる。
民・自、そして橋下勢力を日本政治の主たるプレーヤーにしておく以上、日本政治が主権者国民のための存在になることはあり得ず、米・官・業の既得権益トライアングルが、日本政治の実権を維持し続けることができる。
今回の総選挙に向けて、二度と日本において、主権者国民勢力が台頭することのないよう、小沢一郎氏を軸とする政治勢力をせん滅してしまうことが画策されているのである。
いよいよ総選挙が投票日を迎えるに際し、メディアはこの工作活動の仕上げの段階に移行している。
その軸は三つだ。
1.自公圧勝予測を流布して、有権者の「勝ち馬に乗る」行動を引きだそうとしている。
2.選挙結果は確定的であるとの印象を植え付けて、できるだけ多くの有権者が投票所に足を運ばぬことが目指されている。
3.最大の攻撃対象である「日本未来の党」を著しく小さく見せることによって、「日本未来の党」への投票意欲を削ぐことが目指されている。
権力とメディアが結託した「不正選挙」である。
「主権者国民のための政治」を希求する国民は、絶対にあきらめてはならない。
最後の瞬間まで、徹底的に既得権益トライアングル・ペンタゴンに抵抗し続けなければならない。
これが主権者国民レジスタンス戦線である。
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