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[底流]予算獲得、農水省の思惑 TPP「コメで譲り砂糖を例外に」
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を巡り関税を撤廃する項目の「例外」が焦点となっている。民主党や自民党は「守るべきものは守る」と強調。日本の農業を象徴するコメを念頭に例外扱いを求める構えだ。ただ農林水産省が見つめる最大の急所はコメ以外かもしれない。
「コメで譲り、砂糖や乳製品を取った方が賢いのではないか」。農水省のある幹部が打ち明ける見立てだ。TPP交渉に加わり、そう主張するならコメの市場開放を拒み続けてきた日本の農政の大転換になる。
政府は1993年のウルグアイラウンド交渉でも海外米の一定量の輸入を約束する代償を払ってまで、778%という高い関税を維持した。
ここにきてコメの譲歩を探る声が出るのは「関税の撤廃を受け入れて農家への所得補償を積み増す場合、コメなら合意が得やすい」との読みからだ。視線の先に、コメ保護のための予算が膨らむ構図が広がる。
一方、例外化の「本命」と浮かんできたのは現在の関税が270%の砂糖と乳製品。輸入品と品質で差をつけるのが難しいうえ、保護に伴う財政負担について国民の理解を得にくいとの見通しが背景にある。砂糖の国内生産額は約1500億円にとどまり、主要な産地が北海道や沖縄県に限られるのもコメにない特徴だ。
国外の事情は好都合に映る。TPPを主導する米国が砂糖を重要品目と位置づけ、オーストラリアとの自由貿易協定(FTA)で関税撤廃の対象から除いた。砂糖なら「日米で共闘できる」との期待もささやかれる。
衆院選を控え、交渉入りに慎重だった農水省が本音を漏らすこと自体、TPPに身構える霞が関の緊張を裏づける。各政党は例外扱いを勝ち取る交渉力を競うのに躍起となっている。ただ構造改革を伴わない例外措置が農業の競争力の強化や国益につながるのか。その論点を素通りすれば、予算のばらまきだけが実現しかねない。
(勝)
[日経新聞12月5日朝刊P.5]
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