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様々な角度から選挙情勢を分析した大特集
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2012/12/10 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
◆これはこの国のこれからを決定するだろう
○本当に自民と民主の対決なのか
12月16日の投票日まで、あと1週間。ロシア革命を描いた「世界を震撼させた10日間」じゃないが、この総選挙は日本を震撼させそうだ。とんでもない選挙結果になりそうなのだ。
テレビは12党の党首をスタジオに呼び、熾烈な選挙戦がつづいているかのように報じている。大新聞も「自民優勢 民主苦戦」と、まるで民主党と自民党が激しい“一騎打ち”を繰り広げているかのような報道が目立つ。
しかし、民主党が勝てそうな選挙区が、一体いくつあるというのか。もはや、民主党に一票を投じようという有権者はほとんどいない状態だ。
「プロ野球でいえば、優勝チームが決まった後の消化試合みたいなものです」と政治評論家の浅川博忠氏がこう言う。
「自民党に勝たせ過ぎてはいけない、という多少の逆バネは働くでしょうが、もはや〈自民大勝〉〈民主惨敗〉の流れは変わらないと思う。自民党は単独過半数に近い230議席台、民主党は100議席に届かない2桁でしょう。民主党への逆風が、そのまま自民党への追い風になっている。野田首相が街頭演説で自民党を批判すると『あんたには言われたくない』とヤジが飛ぶ。3年前、民主党に期待した有権者ほど、民主党には裏切られたという思いが強い」
自民党と接戦どころか、民主党は選挙に強いはずの議員まで軒並み落選しそうな情勢だ。
田中真紀子、仙谷由人、菅直人、樽床伸二、城島光力、藤村修……。国民を裏切った自業自得とはいえ、全員、苦戦している。首都圏で当選しそうなのは、野田首相くらいのものだ。首相は「火の玉になる」と選挙戦の決意を語ったが、民主党は火ダルマになっている。
○野田惨敗で票はどこへ流れるか
もはや、野田民主の惨敗は確実だが、そうなると問題は、反自民票がどこへ流れるかだ。
「維新」なのか「未来」なのか、あるいは「みんな」なのか。
「どこに投票してよいのか分からないという有権者は多いはずです。そういう人は、すでに自民大勝で決まりというムードになると、シラケて投票に行かない可能性がある。年末で忙しい時期だし、自分の一票が結果を左右するわけじゃないから、寒い中、わざわざ投票に出かける必要はないと考えてしまう。実際、自民党支持者の中にも、『圧勝するなら自分は行かなくていいか』なんて言い出している人がいる。無党派層はなおさらでしょう」(政治評論家・野上忠興氏)
投票所に足を運ぶ人が少なくなれば、ますます組織力で勝る既成政党に有利に働く。自公が圧勝する確率が一層高まる。投票率が下がるだけでなく“死に票”が大量に発生する恐れも強い。
「有権者は迷いに迷った末、脱原発を重視するなら未来、行政改革を重視するならみんなの党、と自分の関心に合わせてバラバラに投票することになるのではないか。ただ、そうやって票が分散すれば、得票率3割程度で自民党候補が当選するケースが大量に出かねない。有効投票の実に7割が死に票になってしまいます。そんな状況で自民党政権が誕生したとして、本当に国民の信任を得たといえるのか。わずか3割の得票で単独過半数という異常な事態になりかねません」(野上忠興氏=前出)
何から何まで狂った選挙だ。
○リベラルは崩壊し民主党まで右傾化した
このまま「自民圧勝」という選挙結果になったら、日本はどうなるのか。急速に右傾化が進み、一気に戦前に回帰するのは間違いない。
なにしろ、安倍晋三は「国防軍だ」「改憲だ」と公然と軍拡を叫んでいる。5年前、下痢が止まらず政権を投げ出した安倍総裁は、自分をバカにした連中を見返すために、今度こそ「改憲」「軍拡」「戦前回帰」を強行するつもりだ。
ヤバイのは、安倍の危険な野望を阻止する「リベラル勢力」が、選挙で崩壊しそうなことだ。
民主党も、小沢、鳩山を排除した後は、松下政経塾に牛耳られ、完全に右傾化してしまった。
政治評論家の森田実氏は、「この国は非常に危険な岐路に立たされている」とこう指摘した。
「安倍自民は言うに及ばず、右傾化した野田民主、ウルトラ右翼の石原維新と、選挙後は国会の議席の9割近くを右翼政党が占めかねない恐ろしい事態です。彼らを止めなければ、改憲、軍拡、核保有、その先は、戦争に徴兵制ですよ。欧州なら極右勢力に対抗するため、野党の統一戦線ができてもおかしくない状況ですが、この国のリベラルな“第三極左派”は手を組まず、互いにつぶし合っているのが残念でなりません。国民の願いは『平和』であり、それが政治の究極の目的なのに、いまや『平和』という言葉を口にするだけで『左翼だ、親中だ』と叩かれる異常な状況です。こんなときこそ、リベラルな政党、政治家が手を取り合う必要があったのではないか」
返す返す残念なのは、小沢が大同団結を呼びかけた“オリーブの木”が結実しなかったことだ。
「未来の党」はできたが、みんなの党や社民、共産との共闘はうまくいかなかった。共産党は299小選挙区に候補を立て、社民党は「脱原発」の元祖を競っている。この国と国民の将来を思うなら、小異には目をつぶり、自民党がもくろむ改憲、軍拡、戦前回帰に対抗すべきではなかったのか。
小沢は「このままでは日本の政治は偏ってしまう」と危惧していたが、国民は絶対にそれを阻止しなければダメだ。
○地方分権を主張した橋下が国家主義者原爆保有主義の石原と野合して意味不明となった
いったい、この政党は何のために国政に打って出たのか。そう言いたくなるのが、当初の姿は見る影もなくなった日本維新の会だ。
橋下独裁のころには、党綱領の「維新八策」を“踏み絵”にし、政治理念の合わない議員をふるいにかけてきた。ところが、ハナっから考えの違う石原老人と野合し、代表に迎え入れたことで、完全に変質してしまった。「脱原発」「企業献金廃止」といった看板政策も捨て去り、てんで意味不明な政党になり果てている。
いまや石原の暴走ばかりが目につく迷走ぶりで、きのう(9日)のNHKの党首討論番組でも、石原は「バカ」という発言を連発し、司会者にたしなめられていた。経済アナリストの菊池英博氏が呆れて言う。
「橋下維新は、石原氏を合流させたことで、どうにもならない自己矛盾を抱えました。地方分権を主張する橋下氏に対し、石原氏はバリバリの国家主義者です。最近は、橋下氏も最低賃金制の廃止を言い出すなど、言動がおかしくなってきた。まあ、2人とも根っこは同じ右翼タカ派の増税論者ですから、国民生活なんて関係ないのでしょう。化けの皮がはがれたのですよ」
維新が自家撞着を起こし、自滅するのは構わない。許しがたいのは自民党の補完勢力になり下がったことで、「既成政党VS.第三極」の選挙の意味を台無しにしたことだ。未来の党が出てこなければ、国民は選択肢さえなかった。
「彼らの狙いは最初から“真の第三極”をつぶすことにあったのではないか。実際、石原氏が国政進出を発表した会見は、小沢氏の『国民の生活が第一』の結党パーティーに合わせてきた。その後は橋下・石原連合に大マスコミが飛びつき、『第三極』ともてはやしました」(菊池英博氏=前出)
メッキがはがれた維新は失速し、その結果、自民党を喜ばせる最悪の事態になっている。この政党の罪は深い。
○この選挙は日本の終末の序曲になりそう
あとから振り返って「あの時が分かれ目だった」と、数年後に歴史の転換点に気づくことは多い。ほとんどの有権者は、まだ気づいていないが、12月16日の総選挙は、歴史の転換点になるとみていい。この選挙は、日本が終末に向かう序曲になるだろう。法大教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「民主党に失望した有権者は『ほかに入れる党もないし』という軽い気持ちで自民党に一票を投じるつもりかもしれない。しかし、軽い気持ちで投票したら、今回ばかりは、有権者の意図を超える重大な結果をもたらすと覚悟すべきです。『3年前の自民党政権時代に戻るだけさ』と思ったら大間違いです。3年前とは自民党の体質も、政治状況も一変しているからです。さすがに3年前は、自民党も〈国防軍〉や〈改憲〉を前面に出すことはなかった。安易に自民党に票を入れたら、こんなはずではなかった、という結果になりますよ」
国民生活も悲惨なことになる。まず、消費税が10%にアップされるのは確実だ。原子力村とベッタリ癒着してきた自民党政権では、国民が切望する「脱原発」も絶望的。オスプレイに怯える沖縄県民も見殺しにされるだけだ。
「最大の懸念は、中国とコトを構えそうなことです。安倍総裁は『尖閣諸島に構造物を造る』と中国を挑発している。しかし、中国との関係が決定的になったら、輸出もストップし、日本経済は大打撃を受けますよ。消費増税とダブルパンチで、国民生活はもたない。最悪なのは、安倍総裁は勇ましいことを唱えるだけで、国民生活にほとんど関心がないことです。このままでは、いつか来た道です。〈国が第一、私は第二〉と、国民生活はないがしろにされるでしょう」(五十嵐仁氏=前出)
○真相に迫らず「民自対決」を強調するマスコミの旧態依然
ほんの3年前、国民が鉄槌を下した自民党が、なんの反省もせず政権に復帰する。しかも、3年前より悪くなっている。
こんなヒドイ選挙結果になりそうなのも、大新聞テレビが本当のことを伝えないからだ。まるで「民主VS.自民」の戦いのように報じているが、これでは自民党が圧勝するのは当たり前だ。
大手メディアは、〈政権政党VS.野党第1党〉という構図で捉えているのだろうが、あまりに旧態依然だし、有権者の判断を誤らせるだけである。政治評論家の本澤二郎氏が言う。
「いまや民主党と自民党の政策は、ほとんど変わらない。消費税賛成、原発再稼働、TPP賛成、オスプレイ強行配備……と、違いがない。この2党では対立軸がないから、国民は選びようがない。本来、選挙で問われるべきは〈自公民か、それとも第三極か〉のはずです。この対立なら〈消費税、原発、TPP〉すべてが正反対だから、有権者も選択しやすい。なぜ、大手メディアは、本当の対立軸を隠すのか、まったく分からない。これでは自民党を応援しているのも同然です」
そもそも、民主党と自民党は対立しているどころか、選挙後に連立を組む可能性が高い。大手メディアが〈民主VS.自民〉を強調するのは、デタラメすぎる。
「民、自、公の既成政党に対抗する政党がないのなら、大マスコミが〈民主VS.自民〉の構図を強調するのも分かります。でも、未来の党も誕生し、みんなの党もある。大新聞テレビの報道は、意図的すぎます」(本澤二郎氏=前出)
多くの有権者は、どうにもならない政治を一票で変えたいと思っているはずだ。なのに、選挙結果は、自民圧勝になりそうなのだから、不毛というしかない。
○すべては自民悪政復活のための陰謀
こう見てくると、すべてが自民党政権を復活させるための陰謀のように思えてくる。
既得権益にドップリ漬かった大マスコミは、自民に政権を戻したい。利権屋集団と化した大マスコミにとって、政官財の癒着政治が復活した方が都合がいいからだ。野田もそれに乗っかり、演説では自民党批判をしてみせる一方で、「3党合意は順守」みたいなことを平気で言うのである。茶番もいいところだ。
「そもそも、野田首相は自民党に政権を明け渡すために解散したようなものです。民主党の支持率は最低、そのうえ第三極の準備が整っていないタイミングを狙って解散を打ち、自民党の復権に手を貸した。自民党が大勝したら、その最大の立役者は野田首相ですよ。野田首相はまったく勝つ気がない。戦っているフリをしているだけです」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
小沢の「オリーブの木」構想が実り、選挙までに第三極がひとつにまとまっていれば、〈既成政党VS.第三極〉の対決構図になっていたはずだ。争点もハッキリした。そうならないように、野田は姑息な解散を仕掛けたのである。
「第三極が結集できなかったのは、石原老人の存在もデカい。石原さんたちが加わったことで維新は変質し、みんなの党と組めなくなった。“小沢嫌い”の石原さんでは、維新は小沢さんのところとも連携できない。もし石原さんが来なければ、小沢新党、みんな、維新で組めたかもしれません」(維新関係者)
石原なんて、しょせん古い自民党の政治家だ。溺愛するバカ息子たちも自民党。最近は、選挙後に自民党と組む意思を隠そうともしなくなってきた。こうなると、第三極を潰すためにシャシャリ出てきたとしか思えない。本当にこんなデタラメを許していいのか。有権者は冷静になって考えるべきだ。
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