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マスコミによるインチキ世論調査では、自民党が過半数を制する勢いだそうです。調査対象者が支持政党を「日本未来の党」と答えると、この政党が作られる前の支持政党の名を訊かれるそうですから、明らかに操作しています。それでも、未だに自民党を支持している人たちがいることも事実です。中高年に多く、やっぱり自民党でなければダメだと考えているようです。しかし、今の自民党はかつての自民党とは違います。
自民党は結党以来、対米従属路線を主軸としていますが、米国はソ連が崩壊するまでは余り無茶な要求はせず、我国の経済発展に協力してくれました。しかし冷戦の終結と共に、日米の蜜月関係も終りを迎えます。覇権を独り占めした米国は、その矛先を同盟国へ向け、日本に対しても冷戦時の経済的果実を取り上げるべく牙を向いて来ました。
こうした構造の変化を逸早く見抜いたのが小沢一郎で、彼は我国を「普通の国」にすべく奮闘しましたが、自民党の対米依存体質は変わらず、結局自民党を飛び出しました。小沢氏は、自民党に見切りをつけたのです。そんな自民党ですが、小渕政権が崩壊するまではそれなりに頑張っていて、まだ良心的な部分が残っていました。橋本政権の時に米国に指嗾されて「日本版ビッグバン」導入というバカな真似をしましたが、橋本龍太郎は後にこれを悔いています。
橋本龍太郎は変な死に方をしたので暗殺の疑いがありますが、この点は小渕恵三も同様です。小渕総理が脳梗塞で倒れた後、青木幹雄や森喜朗らが密室で談合し、不透明な経緯で森が総理大臣に就任しました。その後が小泉で、ここから我国は決定的に可笑しくなりました。過度に異様な対米隷従路線が採られるようになったのはこの時です。
そしてこの対米隷従路線の総仕上げを狙っているのが安倍晋三で、前回の汚点を挽回すべくシャカリキになっています。安倍自民党が政権を担ったら、この国は終わってしまいます。安倍自民党が目指しているのは、我国を米国同様の戦争国家・格差社会にすることです。政権公約や安倍の言動から、この点は断言できます。原発を推進し、TPPに参加した上で憲法を改正して国防軍を創設すれば、米国と何ら変わらない国になります。
実際には、米国より酷い状態になるでしょう。我国は属国に過ぎませんから、米国と一体化してしまえば徹底的に収奪されることは目に見えています。有権者は、この現実から目を背けてはなりません。安倍が悲願としている集団的自衛権行使は憲法第9条の改正が必要ですが、憲法の改正はハードルが高いので、政権をと取ってもそんなことはできないだろうと多くの国民は考えています。しかし、そんなことはありません。憲法を改正せずに済ます手法が存在し、既に検討されています。
中日新聞は、本日付の社説でこの点を採り上げています。重要な論点なので、以下引用します。(http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012120902000081.html)
憲法改正のマジック 週のはじめに考える
憲法で禁じた集団的自衛権の行使を法律によって可能にする、こんなからくりが国会で進みつつあります。実現すれば平和憲法はなし崩しになります。十六日投開票の衆院選挙で集団的自衛権の行使容認を訴えているのは自民党、日本維新の会、国民新党など複数あります。
公約には掲げていないものの、野田佳彦首相が「見直す議論を詰めていきたい」と述べるなど民主党の中にも容認派はいるようです。尖閣諸島などの問題や国内の行き詰まった状況がナショナリズムを高めているのでしょうか。
集団的自衛権行使へ
集団的自衛権とは何なのか。あらためておさらいします。一九八一年、政府は答弁書で、集団的自衛権について「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を実力をもって阻止する権利」と定義したうえで、「わが国が主権国家である以上、集団的自衛権を有しているが、憲法九条で許容される必要最小限の範囲を超え、行使は許されない」としています。
政府見解は定着しており、憲法改正を経なければ、集団的自衛権行使は認められないはずですが、「国家安全保障基本法」の制定によって行使が可能になるとの見方が政党間で急浮上しています。例えば、自民党は七月の総務会で国家安全保障基本法の制定を決めました。まだ法案の概要しかありませんが、次に政務調査会が詳細な中身を定めていきます。
法案の概要をみると、第一○条「国連憲章に定められた自衛権の行使」は、国連憲章五一条の規定を根拠に集団的自衛権の行使を認めています。第一一条「国連憲章上の安全保障措置への参加」は、国連安保理決議があれば、海外における武力行使を認める内容となっています。
憲法解釈変える法律
どちらも憲法九条の解釈に明らかに反します。憲法違反の法案は国会提出さえできないのでは、そんな疑問が浮かびます。一面はその通りです。行政府の中央省庁が法案をつくる内閣立法なら、憲法との関係を審査する内閣法制局の段階でストップがかかり、国会提出には至りません。
国会議員が法案をつくる議員立法となれば話は別です。衆院、参院それぞれの法制局が審査して意見を述べますが、提出を決めるのは立法権のある国会議員。国会で法案を説明するのは提出議員のため、答弁に窮するような問題のある法案が提出に至ることはまずないのですが、前例があります。
二〇一〇年五月、中谷元・元防衛庁長官ら五人の議員が「国際平和協力法案」を衆院に提出しました。先月の衆院解散により審議未了で廃案となりましたが、海外での武力行使が不可避な自衛隊の活動が三項目含まれ、憲法違反が疑われる内容でした。国家安全保障基本法案も、議員立法の手続きが予定されています。自民党はこの法律とともに集団自衛事態法、前出の国際平和協力法を制定し、自衛隊法を改定するとしています。
これらの法律が成立すれば、集団的自衛権行使や海外の武力行使が解禁されることになります。法律が憲法違反か審査する憲法裁判所のような規定がわが国にはないため、法律によって憲法解釈が変更され、「国のかたち」を変えるのです。やがて憲法が自衛隊活動の実態に合わないとの批判が起こり新たな憲法が制定に至ると見込んでいるのではないでしょうか。まるでマジックです。
国会で過半数を占めさえすれば、国家安全保障基本法は成立します。三分の二の国会議員の賛成や国民投票が必要な憲法改正と比べ、なんとお手軽なことか。与党であっても党内で反対され、この裏ワザはとらなかったのですが…。〇七年、自民党の安倍晋三総裁は首相だった当時、自衛艦と並走する米軍艦艇の防御、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃など四類型を示し、集団的自衛権行使の容認を目指しました。いったいどの国が世界一の軍事力を誇る米国に対して正規戦を挑むというのでしょうか。
海外の武力行使が可能に
起こりそうなのは、米国による海外の戦争に参加して武力行使することではないでしょうか。第二次世界大戦後、各地で起きた戦争や紛争の多くは、米国や旧ソ連が介入して始まりました。「大量破壊兵器を隠し持っている」と言いがかりをつけて米国が始めたイラク戦争に英国は集団的自衛権を行使して参戦しました。イラクへは陸上自衛隊も派遣されましたが、憲法の規定から人道復興支援にとどまりました。日本の平和を守り、国民の安全を守ってきた憲法を法律でひっくり返す「法の下克上」は断じて認めるわけにはいかないのです。*******
この社説は秀逸です。安倍自民党が政権の中枢を占めたら、間違いなく国家安全保障基本法などを成立させ、国防軍となった自衛隊を米軍の盾として使い始めることでしょう。今度は米軍の代わりに我国の軍人が血を流すのです。日本もテロの標的とされ、民間人も犠牲になる恐れがあります。
野田民主党は消費増税を実現させました。これでお役御免です。安倍自民党の役割は集団的自衛権の行使ができるようにすることにありますから、これに政治生命をかけるはずです。その補完勢力として、民主党と日本維新の会が用意されています。
日本維新の会は、「たちあがれ日本」の面々によって乗っ取られ、片山虎之助や園田博之らが政策を取り仕切っています。橋下や松井らは弾かれていて、口を挟めない状態です。庇を貸して母屋を取られた格好で、橋下徹に期待して一票を投じても、旧自民の老害政治家たちを利するだけです。今回の総選挙は、我国の未来を大きく左右します。亡国に向けて大きく舵が切られていますが、土壇場で何とか食い止める必要があります。有権者の良識に期待したいと思います。
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-828.html
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