http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/587.html
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活用すべき政党として「未来」を第一に推す気持ちに変わりはないし、この時期にあまりに非難がましいことを書くのもどうかなという気持ちもあるが、「未来」であれ、共産党であれ、支持する対象ではなく活用する対象だと考えているので、おかしいと思うことは書いていきたい。
まず、嘉田代表には、かつて社会党土井たか子さんが消費税導入後の政治情況で見せたように、「ダメなものはダメ!」という姿勢に徹してもらいたい。
むろん、テレビでの討論会やインタビューでは、狙われている「未来」の弱点を突いてあれこれ訊いてくるだろうが、不得意の分野については、どの政党もそうであるように、抽象的(=曖昧な)説明をすればいいのだ。
(その対応法を具体的に教えるのが、小沢氏や亀井静香氏の役割でもあるはず)
今回の総選挙が、脱原発と消費税増税凍結をめぐる歴史的審判の機会であること、原発と消費税増税が続けば、日本経済及びそれに支えられている国民生活はさらなる困難へと向かうことをきっぱり言い切ることだ。
TPP問題は、次のような理由から、脱原発や消費税増税凍結とは切り離して扱うべきだと考えている。
※ (TPPについては、今回の総選挙でことさら争点にする必要もない。交渉は進んでいるのに詳細がまったく見えないものを総選挙の争点にするほうがよほどおかしいからである。
既に他の参加国で交渉がすすんでいるのに、どういう不都合があるのか知らないが、政府は国民にTPPに関する情報をまったく提供していない。
日本は1年以上も前に交渉参加を表明しているのに、米国などから交渉への参加を拒まれ続け、この時点でOKが出たとしても、日本が交渉に参加できるのは早くて4月からである。昨年、日本が参加表明した以降も、他の国々のあいだで交渉は進み、日本抜きで合意形成は八合目まで来ている。今後日本が交渉に参加したとしても、交渉は3、4回しかなく、協定の文言表現をめぐるものになりかねない。
このようなTPP交渉に参加を決めるという政策は、水が入っているかどうかさえ確認しないままプールに飛び込むようなもので、国益を守るとはとうてい言えないものだ。
交渉への参加表明は、TPPがどういうものかそれなりにわかった上で参加したいという意思表示でもある。住宅のモデルルームをふらっと見に行くとはワケが違う。
ここまで来たら、1年以上も参加を棚上げされたことを理由に、参加表明を取り消し、他の国々が最終合意に至ったあと、協定内容をじっくり吟味して参加の是非を決めると表明すべきである。)
本論に戻る。
昨夕投稿した小沢氏関連の話と同じ出所(6日夜の日本テレビ「NEWS ZERO」で放送された「未来」嘉田代表へのインタビュー)だが、卒原発政策の説明で問題含みの発言を行っていた。
関連部分の全文は末尾にまとめているので参照していただきたい。
いちばんびっくりしたのは、「電気料金を上げずに、発送電分離をすることによって、送電線利用の収入が入ります。その収入を電気料金の上がるところで吸収しようというような仕組みも、ここでいったん提案しています」と発言である。
嘉田代表の発言は、手にその印刷物を持っていたので、『「卒原発カリキュラム」骨子』(http://www.nippon-mirai.jp/curriculum/index.html)に依拠したものであろう。
※ なぜか、この『「卒原発カリキュラム」骨子』の末尾には飯田哲也代表代行(昨夕は誤って副代表と表記)の大きな顔写真が掲載されている。
嘉田代表の発言は、二つの面で問題を孕んでいる。
その一つは、『「卒原発カリキュラム」骨子』をきちんと理解していないことである。
『「卒原発カリキュラム」骨子』を読めばわかるが、“送電線利用の収入”は、卒原発スケジュールの助走期間(頭の3年間)に起きる電力値上げを“交付国債”で抑制し、“発送電分離”後に還してもらうための原資という位置づけである。
それゆえ、「その収入を電気料金の上がるところで吸収しようという」ものではなく、逆に、電気料金に上乗せされるものなのである。
ざっくり言えば、“交付国債”を利用し、短期的に急上昇しかねない電力料金を、長期の低レベルの値上げに均そうという仕組みである。
嘉田代表の説明を素直に聞いた人は、“発送電分離”で収入が増え、電力料金が抑制される(下がる)と考えるであろう。
私に言わせれば、「票入れろ詐欺」になりかねない誤った説明である。
もう一つは、経済論理や電力供給システムの理解度が低いことである。
嘉田代表の“送電線利用の収入”云々という発言は、収入が増えるわけではなく、ただたんに切り分けでしかないということがわかっていないことを示している。
“発送電分離”に踏み切ったからといって、電気料金を上げない限り、収入が増加するわけではない。
「総括原価方式」ゆえにわかりやすいことであるが、発電原価や発電資産に対応する収入(会社)と送電原価や送電資産に対応する収入(会社)に区分されるだけで、総収入が増えるわけではないからである。
“交付国債”を利用することで、短期的に急上昇する電力料金を長期に均すという仕組みである限り、旧電力(現在の電力会社)と新電力に対する送電線利用料を引き上げざるをえない。それは、旧電力も新電力も電力料金を引き上げることを意味する。
飯田氏に少しだけ好意的に説明すると、新電力の発電コストが旧電力よりも低ければ、送電線利用料を引き上げても新電力は旧電力ほど値上げをしなくて済み、電力料金のアップを抑制できる“理論的可能性”はある。
しかし、これも結局は空理空論で、せいぜい携帯電話市場ではそれなりに通用するというものである。
のちに詳しい投稿をするつもりだが、「発送電分離」政策は、経産省が音頭をとっていることから推測できるように、“旧電力優遇策”なのである。
これを理解できずに、「発送電分離」に反対するものを、「今頃、何を、寝ぼけた事を、抜かしておるのやら。投稿者は、ムラの工作員」を批判する方は、ものごとをもっとじっくり考えることをお勧めしたい。
旧電力が占める電力供給比率や新規発電所建設の困難度を少しでも考えれば、「自由化」や「発送電分離」が、旧電力を規制から解き放つ(値上げの自由を得る)だけで、産業力強化や国民生活安定になんら貢献しないことがわかるだろう。
※ 関連投稿
「[ぶれない原発廃止への道]即時ゼロ稼働:原発国有化による廃炉:立地地域の就業確保と自治体財政支援:核廃棄物最終処分」
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/226.html
「日本が参加しなければ米国も撤退し瓦解することがわかったTPP:前FRB副議長ドナルド・コーン氏がそう言明」
http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/418.html
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A:[MC村尾氏:「日本の契機や雇用をどう引っ張っていこうとしているのか?」という問いに答えて]
嘉田代表:「もう一度万一、原子力発電所事故を起こしたら、電気料金がどうこう言っている筋合いではないという大局観に立っております。
合わせて、しかし、経済の問題で電気料金必要だと言うことで、私たちは卒原発カリキュラムを作っております。
電力会社が値上げを抑制しながら困難を回避するための「自由化」についての仕組み、交付国債など発行しながら、電気料金を上げずに、発送電分離をすることによって、送電線利用の収入が入ります。その収入を電気料金の上がるところで吸収しようというような仕組みも、ここでいったん提案しています」
B:[MC:原発やエネルギー政策について問われて]
嘉田代表:「エネルギー政策は三つある。
一つは、まず、ざぶざぶと使ってきたエネルギーを節約する。
二つ目は効率化。同じ例えば冷蔵庫でも省エネ型技術開発ができますね。
三つ目は代替エネルギー。代替エネギーでは、自然エネルギーがもちろんあります。」
C:[MC:原発をやめると電力会社には巨額の損失が出ると思う。そこの手当が必要だと思うが、どう考えているのか?]
嘉田代表:「それは先ほどの巨額の損失と合わせて、巨額の燃料費が上がっているということ、そこをまず電力会社の経営をきちんと公開してくださいと。大変公開度が低い。私は、関西電力さんとずいぶんやり取りしていますけれど、職員の給与・役員の給与さえ公開されていないです。知事などは全部裸ですよ。まず、そこを公開していただいて、それで不足する場合は、先ほど交付国債の仕組み(表を見せながら)、ここのところで、電力会社が潰れても困りますよね。やはり安定供給してもらわなければなりません。これこそ国の仕事だと思いますね。」
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