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自民、驚愕の293議席獲得!? 霞が関官僚群の関心は早くも安倍晋三政権の陣立てに移行している!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34276
2012年12月08日(土)歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
マスコミ各社情勢調査の結果報道(12月6日付朝刊)は、正直いって、筆者の予測の外であった。特に共同通信社が前日夜、配信した推定獲得議席数「自民党293(280〜306)、民主党69(57〜82)」は驚愕の一言であった---。
同夜7時ごろ、興奮気味に電話で知らせてくれた某紙政治記者が挙げる数字を聞いていた筆者は瞬時、理解に苦しみ、頭の中が真っ白になったほどだった。前週末までの筆者なりの見立ては、自民党が220±20、民主党は85±15をベースとして、第3極は日本維新の会もみんなの党も伸び悩み、日本未来の党が壊滅状態になるというものだった。
『朝日新聞』調査でも自民党は272議席という数字が報じられ、衆院選序盤の情勢は「自民党、単独過半数の勢い」というのは間違いない。残る1週間にリバウンド現象が起こり得るとは思うが、全国小選挙区での自民党の勢いは揺るがず、比例代表で民主党がそれなりに挽回したとしても、朝日報道の「81(68〜95)」が精一杯であろう。
■仙谷副代表や枝野経産相も当落のボーダーライン上
このような推定議席数となった最大の理由は、やはりこの3年2ヵ月の民主党政権への失望以外何ものでもない。政権交代を果たした09年8月総選挙で民主党が308議席の大勝を得たのは、自民党との議席数差に比べて得票数は僅差であり、一に掛かって当時の選対責任者であった小沢一郎代表代行の卓越した選挙戦略が奏功したからだ。要は、政党としての基礎体力があったからではない、ということである。
厳しく言えば、政権運営の経験も知見もない上に、政権交代を果たしたという熱気だけを拠り所にした鳩山由紀夫、菅直人両政権が沖縄県普天間飛行場移設=日米関係悪化や福島第1原発事故処理=原子力行政で迷走し、国民の広範の支持を失ったのは必然であった。
加えて、前回総選挙で落選した自民党元衆院議員がこの3年間にドブ板選挙の苦労を惜しまなかった時期に民主党の現執行部を含む選対関係者は衆院選をかく闘うべしの努力を怠ってきた。支持母体の連合を始めとする各組織・団体にオンブにダッコ状態からの脱却をさぼっていたからだ。
事実、財政再建のための消費増税、原子力・エネルギー政策など同党の主要政策立案に重要な役割を担ってきた仙谷由人副代表や枝野幸男経済産業相がいま当落のボーダーライン上にあるというのに党執行部が目に見える支援を講じているとは思えず、飽くまでも両氏の自助努力に委ねているのが実情だ。
■麻生元首相は副総理兼財務相になるのでは
いずれにしても、先を見ることには長けている霞が関官僚群の関心は早くも安倍晋三政権の陣立てに集中している。安倍人事の要諦は、自民党幹事長、内閣官房長官、そして強いて挙げれば財務相の3ポストに誰を起用するかである。
最大の焦点は石破茂幹事長の去就。常識的には、自民党圧勝に導くことになる石破幹事長を代える大義名分はない。が、かつて福田赳夫首相がライバルの大平正芳氏を幹事長に起用し、後の「大福40日抗争」を通じて首相の座を降りざるを得なくなった先例もある。安倍氏に石破氏を主要閣僚として閣内に封じ込めたいとの想いがあるのは当然だ。最側近の菅義偉幹事長代行を幹事長に昇格させるという案である。当該の石破氏も引き続き幹事長として来夏参院選の陣頭指揮を執りたいと考えているはずだ。安倍氏も悩ましいところである。
次期官房長官として最有力視されているのは、その菅氏である。だが、ソツなく官邸をまとめるという観点から、安倍氏とは同じ派閥・清和会の細田博之元幹事長を起用すると筆者は見ている。総裁選逆転勝利の最大功労者である麻生太郎元首相は副総理兼財務相ではないか。1月下旬召集予定の通常国会冒頭で10兆円規模の12年度大型補正予算を成立させる腹積もりである安倍氏は、対財務省を考えて腕力タイプの麻生氏に期待しているはずだ。
霞が関住人が特に関心を持っているのは、政務担当首相秘書官と官房副長官(事務担当)人事である。前者は、かつて安倍首相秘書官(事務担当)を務めた今井尚哉資源エネルギー庁次長(82年旧通産省入省)が当確だ。また後者については、谷内正太郎元外務事務次官(69年外務省入省)が恐らく閣議出席を認められる英国型の新設官房副長官として官邸入りするのではないか。
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