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脱党組、2勝23敗の衝撃予測 「選挙目当て」批判が直撃
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121207/plt1212071826007-n1.htm
2012.12.07 ZAKZAK
12・16衆院選には、民主党や自民党、みんなの党で当選しながら離党して、日本維新の会(維新)や、日本未来の党(未来)などの、第3極から出馬した候補も多い。それぞれ信念に基づいた政治行動だろうが、衆院選間近になって離党した「脱党候補」に対しては、一般有権者から「選挙目当て」との批判が浴びせられている。脱党候補25人の中盤情勢を分析したところ、2勝23敗という、衝撃的な数字が出た。
「気をつけろ その候補者は 元民主」
インターネット上では一時期、こんな川柳が流行した。民主党政権が迷走を続けて衆院選での惨敗が予見されたため、民主党議員の間で「離党して他党で選挙を戦いたい」との願望が強いことを、皮肉ったものだ。
これは現実となった。野田佳彦首相が今年8月8日、自民党の谷垣禎一総裁(当時)に「近いうちに(衆院を解散する)」と約束して以降、別表のように、民主党から19人、みんなの党から3人、自民党から2人、社民党から1人の計25人が古巣を離れ、別の政党や無所属で衆院選に出馬している。現政党の内訳は未来12人、維新11人、みんなの党1人、無所属1人だ。
選挙情勢分析に定評がある政治広報システム研究所の久保田正志代表による分析では、25人のうち、「当選圏内」は谷畑孝氏(維新、大阪14区)、「やや優勢」も松浪健太氏(維新、大阪10区)という、維新の本拠地・大阪の候補者2人のみで、他の23人は「やや劣勢」以下となった。
維新では、山梨1区の小沢鋭仁元環境相、熊本1区の松野頼久元官房副長官といった、政府の要職を務めた候補者までが自民党候補にリードされる「やや劣勢」で、みんなの党参院議員からくら替えした3人は「苦戦」している。
久保田氏は「小沢氏や松野氏らは、民主党にいたときは、個人後援会による票のほかに、連合などの組織票を持っていたために強かった。しかし、民主党が新人の刺客を立て、組織を失った。加えて、政策がブレたこともあって、各種調査で維新の勢いは落ちている。民主党から維新に移ったことに、有権者は『選挙目当て』と見透かしている。日本人はこうしたことが嫌い。失った組織票を、維新の風で埋められなくなっている」と解説した。
維新では、比例代表で、小沢氏が南関東の、松野氏が九州の単独1位になるなど、前衆院議員や前参院議員らが、選挙区の新人候補よりも比例順位が上位のケースが目立つ。
久保田氏は「これも苦戦に拍車をかけている」といい、こう続ける。
「維新は比例で37議席と予測する。小沢氏らは優遇されているので、小選挙区で敗れても、法定得票数(有効投票総数の10分の1以上)を得れば、高確率で議員バッジを付けられる。結果、陣営や有権者が『必死にやらなくてもいい』と緩みかねない。新人には大きな不満となり、活動に影響している。党の戦略として、失敗といわざるを得ない」
大阪14区では、前出の谷畑氏に、民主党を離党して無所属となり、自民党推薦を受けた長尾敬氏が挑み、脱党候補同士の争いとなる。現状では、谷畑氏が頭ひとつ抜けているようだ。
一方、未来も厳しい戦い。公示日の4日に比例名簿提出が遅れたゴタゴタ劇も影響しているか。
長崎3区の山田正彦元農水相や、社民党を離党してみどりの風を経由して未来入りした神奈川12区の阿部知子氏も、自民党候補に対して「やや劣勢」だ。近畿比例14位と冷遇された福田衣里子氏は「苦戦」だ。
久保田氏は「福田氏は演説もうまく、はかないイメージが有権者にウケていた。民主党に残って長崎2区から出馬していれば、比例復活当選は可能だった。今回は絶望的ではないか」と話している。
「後悔先に立たず」という言葉をかみしめている方も、いるのではないか。
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