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2012年12月07日 世相を斬る あいば達也
昨日のコラムで、“自民党大躍進、単独過半数!400議席を狙え”と書いたのだが、全候補者を足しても337人しか立候補させていないではないか。比例の326人が少な過ぎたのだ。400は冗談にしても24人くらい候補者が少ない感じだ。公明党など排除して、自民単独で衆議院2/3(321人)が確保できるところだったのに。憲法改正となれば、落ちこぼれも出るだろうから、340議席は欲しいところだった、残念(笑)。
こうなると、自民党で立候補した候補者にも関わらず、落選するなどと云う出来事は、前代未聞、末代までの恥と言われかねない。そのくらいの追い風が自民党に吹いている。素晴らしいではないか、保守隷米、隷官、隷既得権益政党の大逆襲である。選挙運動など糞喰らえ、“果報は寝て待て”ではないか。下手に真面目に選挙運動をしてしまい、選挙違反で捕まるより、寝ていた方が安全なのだから、自民党幹部も笑いが止まらないことだろう。遊び半分でも、当選確実な情勢、褌をゆるめるなと言っても、無理な話。筆者のように“褒め殺し”でもする以外、他党支持者には打つ手がない。大の自民党機関紙・読売新聞は以下のように伝えている。
≪「優勢」自民が引き締め、民主は巻き返し懸命
読売新聞社の衆院選序盤情勢調査で自民党が過半数(241)を大きく上回る勢いを見せていることで、自民党は「揺り戻し」を警戒し、民主党は巻き返しに懸命となっている。
初の衆院選で明暗の分かれそうな第3極を含め、各党は選挙戦の進め方や選挙態勢の練り直しを迫られている。
小選挙区選、比例選ともに優勢に戦いを進め、単独で過半数を超す勢いとなった自民党では、石破幹事長が6日朝、「民主党に逆風が吹いているのは事実だが、自民党に対する追い風が吹いているわけではない」と述べ、幹事長名で全候補者に文書を出して引き締めを図る考えを示した。自民党では「幹事長名の文書通達は極めて重い」としている。
石破氏は盛岡市内で記者団に、「公示後、全国を回っているが、単独で過半数というような実感は全感じられない」としたうえで、「おごりが出れば有権者の気持ちは一気に自民党から離れる。うちは新人が多いので、舞い上がってしまうことを警戒しなければならない」と語った。
自民党幹部は、「民主党は終盤、競っているところに重点的に幹部の応援を投入し、巻き返してくるだろう」と語り、今後、接戦で自民候補が優位に立っている選挙区への応援に力を入れていく考えを示した。
民主党が大幅に議席を減らす厳しい情勢となっていることについて、同党幹部は「2005年の小泉政権時の郵政選挙より状況が厳しい」と漏らした。 同幹部は「どん底状態からスタートしたが、徐々に支持を取り戻しつつある。民主の候補が自民と競り合う展開にし、今は第3極に流れている票が終盤に民主に流れるようにしたい」と述べ、巻き返しに意欲を示した。
第3極のうち、自民、民主に続く第3党の座うかがう日本維新の会の橋下代表代行は6日午前、埼玉県熊谷市で街頭演説し、投票先が揺れ動く無党派層を念頭に、「(前回衆院選では)もう自民党の政治は嫌だな、何とか変えてほしいと、民主党に政権を委ねたはずだ。3年もたたないうちに、今度は自民党、 公明党を圧勝させるのか」と訴えた。
苦戦が明らかになった日本未来の党の嘉田代表は6日午前、千葉県船橋市での街頭演説で情勢調査に関し、「今日の新聞を見てがっかりした。滋賀県知事としての実績、未来の党を皆さんと一緒に作ろうとした思いが、まだまだ伝わっていない」として、支持拡大を求めた。≫(読売新聞)
今回のように、選挙の争点をマスメディアが国民の目線を蔽い、可能な限り分散させる“争点なき総選挙”に導こうとしている選挙なので、当然序盤と云うか、当初は組織が強いところほど、良好な結果を出すのは当然の事である。筆者が茶化すように“自民圧勝”と持ち上げるのも、一種の褒め殺しというか、油断を誘おうとしているわけである(笑)。勿論、関係者にその気はないだろうが、有権者にしてみれば、“その他大勢の中の一票か”という貴重な一票度の自己評価が下がることになる。今日は寒いからパスなんて、自民党支持者も出てくるだろう。今後、中盤、終盤と出遅れ感のある政党ほど、チャンスが残されているともいえる。
自民党は既に頂点を極めてしまった。頂点を極めれば、あとは下山の道しか残っていないのは世の常だ。民主党は選挙の前から惨敗が決定的なので、浮上する材料はゼロ。益々下がることはあっても上がることはない。維新も石原・橋下コンビで、テレビジャックをしていたのだが、これからはその手も使えず、じり貧になる。橋下の街頭演説を聞いたが、呆れるほど下手糞、聴衆を唸らせる神通力は持っていないようだ。石原は演説なんてバカバカしくてやってられない、風邪でも引いたらどうしてくれるの風情だ。自民党下請け政党という評判も、石原の参加で決定的になり、否定すればするほど、その補完政党の性格を浮き彫りにするだろう。共産党も社民党も、これ以上良くも悪くもならない。こうなると、伸びる糊代を持っているのは、みんなの党、日本未来の党、新党大地という事になる。
特に、日本未来の党は11月28日に政党として届出をしたばかりで、知名度は相当低く、政策の認知も拡がりを欠いている。筆者でも、未来の党のことを、ついつい“生活”が、と口から出てしまう。おそらく、10人中6人くらいが日本未来の党・代表嘉田由紀子とフルネームで言えないだろう。有権者と云うもの、概ねそんなものである。馴染み度がないのだ。小沢一郎の急遽の策なので致し方ない。マスメディアも“未来の党”隠しは徹底し、小沢傀儡の一本槍報道に終始したのだから、ハンディは背負っている。
ここから、9日間のあいだに、各候補者や小沢一郎、嘉田由紀子がどこまで動き、有権者にアピールできるかが勝負だろう。無党派層の票は、09年選挙では民主党に大きく流れたが、今回自民党に流れてゆく傾向はみられない。維新・みんな・未来の三方に流れるのだろうが、維新は落ちかけている。政権公約上は未来の党が最も有利な立場にいる。解散前の61議席前後が目安になるが、有権者への浸透度次第だろう。強気にみて70議席、弱気でみると40議席程度だ。それでも、一定の政治勢力は確保するわけで、当初の小沢の目的は達成する。そこからは、夏の参議院選に向け、第二弾の戦いがはじまる。おそらく、安倍自民政権は、一つくらい原発再稼働に舵を取る可能性もあり、中国問題で窮地に立たされる可能性も大いにある。
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