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「勝ち馬」か「判官びいき」か 衆院選「アナウンス効果」今回は
2012年12月7日 東京新聞[こちら特報部:ニュースの追跡]
「自民、単独過半数の勢い」(朝日・毎日など)─。6日各紙の衆院選序盤戦の世論調査では、自民党の優勢が報じられた。事前の調査結果が実際の投票行動に影響を及ぼすことを「アナウンスメント効果」と呼ぶ。16日の投開票日までまだ10日もある。小選挙区では有権者の5割超が投票先を決めておらず、「効果」はどう出るのか。(林啓太)
「『勝ち馬』に乗るのか、『判官びいき』で劣勢の他党や候補者に乗り換えるのか。有権者は投票先を決める際、報道の影響にさらされる」
慶応大の小林良彰客員教授(現代政治分析)は、アナウンスメント効果をこう説明する。
判官びいきが端的に表れたのは、選挙区で当選者が複数だった中選挙区だ。同制度の時代は、トップ当選を予想された政権与党の自民の候補者を避け、判官びいきから自民の別の候補者に投票するか、野党の候補者に投票する有権者がいた。
だが、1996年から行われた小選挙区選挙では勝ち馬に乗る傾向が強いという。「候補者が1議席を争うため、有権者は自分の1票が『死に票』になるのを嫌う。当選する可能性が高い候補に投票したいと願う」
では、こうした有権者の傾向が、今回の選挙にはどのような影響を及ぼすと考えられるのか。
衆院は全480議席。自民は300の小選挙区のほとんどで候補者を立て、民主のみならず同じ保守派の候補と支持層が重なるところもある。小林氏は「優勢とされる自民の候補が勝ち馬で有利」と、今回は自民が躍進するとの見方を示す。
一方、比例代表も含め大局でアナウンスメント効果の「揺り戻しもある」との見方も。自民は、憲法改正に国防軍の創設といったテーマを争点に掲げ、原発も容認する。日本政治総合研究所の白鳥令理事長は「急激な右傾化や原発に反感を持つ有権者も多い。自民が躍進するとの調査結果が、かえって票を逃しかねない」と話す。
過去の選挙では、「自民が優勢」と報じられた結果、自民が負けた場合も勝った場合もある。
前者は、森喜朗元首相が「神の国」発言などで内閣支持率を落とし、衆院を解散した2000年選挙。事前に自民が安定多数を確保すると報道されたものの、「無党派層は寝ていてくれればいい」発言などが響き、結局は過半数割れに追い込まれた。
後者は、小泉純一郎元首相が郵政民営化を争点とした05年選挙だ。刺客作戦などが注目され、公示の段階で過半数を割っていた自民が「勝ち馬」で大勝し、絶対安定多数を握った。
有利にも不利にも働きかねないアナウンスメント効果だけに、自民は世論調査の選挙予測報道を牽制する動きを見せたことがある。
明治大大学院の竹下俊郎教授(政治コミュニケーション論)は、事前の情勢報道と選挙結果が選挙によって異なることの背景に「時々の政治状況に流されやすい無党派層の増加」を指摘する。
直前まで投票先を決めない人も多く、情勢は変わる可能性もある。「勝ち馬に乗る動きと判官びいきが同時に起こり、結局相殺されるケースも考えられ、選挙結果を正確に占うのは不可能だ」
小林氏はこう注意を促した。
「情勢報道に振り回されることなく、政党や候補者それぞれの政策を見て投票先を決めることが、有権者の義務だ」
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