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2012/12/6 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
3年前政権交代に掲げた公約を実現せず今回選挙で嘉田小沢の新党「未来」が同様の公約を提示したら財源なしで不可能だと攻撃する浅ましさ
嘉田・滋賀県知事が率いる「日本未来の党」が卒原発とともに掲げている公約が女性、子育て支援だ。具体的には子ども1人当たり、中学卒業まで年間31万2000円の手当を支給し、その一部を「子育て応援券」にする。高校の授業料無償化も堅持する。嘉田は「卒原発と並ぶ目玉政策」と位置付けたが、これに噛み付いているのが民主党だ。
言うまでもなく、子ども手当は2009年の総選挙で、民主党が掲げたマニフェストの目玉だ。しかし、財源を見つけられず、事実上、頓挫した。
で、安住幹事長代行は「財源はどうするのか。私たちと同じ失敗をすると思う」とこき下ろし、前原国家戦略相は「極めて小沢色が強い」と言い、「卒原発」と併せて「空理空論」と切り捨てた。
前原らには「小沢=無責任なポピュリスト」という固定観念しかないのだろうが、ホント、醜悪な連中だ。
自分たちが無能でできなかったことを他党が掲げると、批判する。 そこには謙虚さのカケラもないし、かつての仲間ほど口汚く罵るのは、労組体質というか、卑劣の一語だ。
改めて、こんな連中には絶対に政権を維持させてはいけないと思った有権者も多いのではないか。
経済評論家の荻原博子氏も呆れていた。
「本当に浅ましい人たちですね。確かに子ども手当を配るには財源の問題もあったのでしょうが、その一方で、無駄遣いもたくさん出てきた。それをそのままにして、あっさりあきらめたのが民主党です。安住さんが言うべきは未来の党批判ではなく、まず、謝ることでしょう。そのうえで、私たちも『引き続き、努力する』というべきところが、『できっこない』はありません」
大ウソツキのペテン政党が、自分たちを正当化するために、出ていった小沢ら離党組をなじる。新たに結集した未来を敵視する。こういうところに人間性が出るのではないか。政権与党とは思えない女々しさだ。
◆やらずブッタクリのサギ政党を許すな
民主党が子ども手当を断念したのは、財源がないという理由だけではない。
カネを出してもタンス預金に回れば、景気浮揚効果がない。ただのバラマキで終わってしまう。こんな官僚の屁理屈に屈したわけで、情けない政党だ。
子ども手当は景気対策うんぬんではなく、民主党の理念だったはずだ。社会が子どもを育てる。だから、女性は安心して産んで育てて欲しい。この理念を高らかに掲げることで、政府が本気になって、国民の将来不安解消=少子化対策に乗り出すことを宣言したのが子ども手当だ。だったら、予算組み替えでも何でもやればいいのに、民主党はあっさり撤回しただけじゃない。
「子ども手当をエサにして政権を取った瞬間、扶養控除の打ち切り、消費増税をやって、負担増を押し付けた。家計が使えるお金はマイナスになったんですよ」(荻原博子氏=前出)
やらずぶったくりの詐欺なのだ。その額もベラボーだ。大和総研の試算によると、消費増税、復興増税、年金保険料アップなどもろもろで、家計の負担増は年収500万円世帯で年間32・89万円、年収800万円で43・12万円になる。
こんな犯罪的行為をやっておいて、「未来」を批判する民主党のさもしさ。心底、サイテーのやつらである。
◆埋蔵金はなくなっていないし今も増え続けている
民主党がマニフェスト断念の“言い訳”に使う「財源がない」というのも大ウソだ。つい最近、「日本を滅ぼす消費税増税」(講談社現代新書)を著した経済アナリストの菊池英博氏はこう言う。
「日本は借金まみれと言いますが違います。中央政府も地方も豊富な金融資産を持っているので、本当の純債務は新聞報道の半分、「日本は借金まみれと言いますが違います。中央政府も地方も豊富な金融資産を持っているので、本当の純債務は新聞報道の半分、527兆円に過ぎません。それに特別会計には埋蔵金がたくさんある。鳩山政権はこれを活用、デフレ脱却のために本予算と合わせて100兆円規模にした。ところが、菅政権になったとたんに、埋蔵金がないと言い出した。当時、国会答弁で大ウソをついたのは野田財務相です。2010年度決算では37兆円の剰余金と52・3兆円の積立金がありました。こうした埋蔵金は今も減っていないどころか、増えているのです」
未来の党の看板政策にはもうひとつ、「消費増税の凍結」がある。なぜ、それができるかというと、公約の小冊子にハッキリ書かれている。
〈必要な財源は特別会計の全面見直しをはじめとする政治改革、行財政改革、地域主権改革によって捻出する〉
政治家が特別会計に切り込む覚悟を決めれば、子ども手当は言うに及ばず、増税ストップだってできるのである。
◆民主党ができなかったことをやる未来
こうして見ていくと、未来の党の位置付けはハッキリ分かる。民主党ができなかった理念、理想をやり遂げる党であるということだ。
未来の党の現職国会議員は、国民新党出身の亀井静香や社民党だった阿部知子ら一部を除き、民主党の離党組だ。マニフェストを放り投げ、国民を裏切り、財務省に魂を売った民主党に愛想を尽かして飛び出してきた面々である。彼らが新党で掲げたのは、まさしく、国民の生活が第一であり、官僚主導の見直しであり、暮らしを守ることなのだ。
だからこそ、子ども手当であり、消費増税ストップになるのだが、看板政策の卒原発も、奥が深い。単に「原発は危ないからやめる」のではないのだ。
「原発をやめれば、当然、自然エネルギー重視になる。この分野で日本は世界一ですよ。充電、節電、電気自動車と、あらゆる分野で卒原発に取り組めば、新しい産業と設備投資が生まれ、経済は脱デフレで動き出す。だから、卒原発なんです。原発は不良債権みたいなものです。きちんと処理すれば、新しい世界が開けるのに、その決断が遅れれば、膨大なコストがかかってしまう。国民はそのことを認識すべきです」(菊池英博氏=前出)
もちろん、こうした改革は官僚にはできないのであって、だからこそ、真の政治主導の政党が必要になる。それが果たしてどこなのか。既成政党でもないし、脱原発を鮮明にできない「維新」でもない。投票先はおのずと限られてくるのである。
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