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2012年12月07日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆総選挙投開票日まであと9日間となった。新聞各社が、「序盤戦」の「情勢調査」を報道している。「自民党復調」を見越して、焦点は、早くも総選挙後の「政権枠組み」に移っており、危機感を募らせている民主党・野田佳彦首相や日本維新の会の橋下徹代表代行は、「自民党批判」のボルテージを上げている。
「自民、単独過半数の勢い」「衆院選序盤本社情勢調査 民社100議席割れも」「維新50前後が」(朝日新聞12月6日付け朝刊)、「自民 過半数超す勢い」「衆院選情勢 本社10万人調査」「民主、苦しい戦い」「維新、第3党うかがう」「政権批判 自民に追い風 各世代・地域に支持浸透」(読売新聞12月6日付け朝刊)などという見出しを見せつけられては、厚顔無恥な野田佳彦首相も、いつも強気の橋下徹代表代行も、さすがに心穏やかではいられないだろう。
◆マスメディアの大半は、気が早い。もはや「勝負あった」と判断して、総選挙後の政権枠組みについて、いろいろとシュミレーションを始めている。将棋で言えば、3手も4手も先を読んで、公器である新聞紙面を「博打」さながらに当てものに使っている。
2大政党が激突して政権を争い、「政権交代」しやすい小選挙区制度を導入した最大の功労者は、小沢一郎元代表だった。「55年体制」の下で、自民党が長期安定単独政権を38年間も続けて、日本政界が「ぬるま湯」に浸かったような状態にあったのを憂えて、政権後退可能な選挙制度を導入したのである。
自民党がダメなら、民主党へ、民主党がダメなら自民党へという政治システムが定着するのは、小沢一郎元代表が期待していたことであった。だから、いまは民主党が国民の信を失っているので、今度は自民党が政権を担当する番であるというのは、予定通りのことである。いわば、「振り子の揺り戻し」である。
そこで、ダメな民主党が、「草刈り場」となって、多数党が生まれ、食い荒らしていく現象が、現出している。このなかで離合集散を経て、自民党に太刀打ちできる大政党が、必然的に生まれてくる。現在は、その「生みの苦しみ」の最中にある。
◆自民党が復調してきているのは、総選挙の最大争点を「景気政策」に設定したからである。「失われた20年」の結果、いまだに日本の景気は、上向かず、経済財政は、低迷状態を続けている。このまま無策でいたら、「失われた30年」という最悪事態を招きかねない。
しかも、「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズをかざした民主党が、「公共事業いじめ」を続けた結果、悲惨な事態まで起きてきている。その例が、「笹子トンネル事故、死者9人に 乗用車から3人の焼死体」(朝日デジタル)であった。「山梨県の中央道・笹子トンネルで天井板が崩落した事故で、県警は3日午前4時半、焼けた乗用車の中から3人の焼死体を確認したと発表した」と報じられた。これを受けて、自民党が立案した「国土強靱化基本法案」への国民の期待が、俄かに高まってきたのである。
◆総選挙後の「政権枠組み」は、まず、「衆参ねじれ解消」を目的に形成される。それは、以下のような枠組みが想定される。
○自民党・公明党連立(参議院は、84+19=103⇒過半数に19不足)
○自民党・公明党+日本維新の会連立(参議院は、84+19=103⇒過半数に19不足)
○自民党・公明党+日本維新の会+みんなの党連立(参議院は、84+19+8=111⇒過半数に11不足)
○自民党・公明党+日本維新の会+みんなの党+α連立⇒過半数122確保
このため、小沢一郎元代表は、すでに今回の総選挙を次期参院議員選挙と連動して戦略・戦術を組み立てている。民主党の輿石幹事長(参議院議員会長)も、総選挙で大惨敗した後の党立て直しを練っており、いまでも同志と思っている小沢一郎元代表と連携して、「参議院制覇」に行く。総選挙は、そのための前哨戦である。「参議院を制する者は、日本政治を支配する」という言葉が、いまでも生きていることを忘れてはならないのである。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
小沢一郎代表は、青森、宮城、福島県内の原発があるすべての選挙区で、「原発ゼロ」戦術を展開中だ
◆〔特別情報@〕
小沢一郎元代表は、総選挙戦において、当然のことではあるけれど、ホームグラウンドである岩手県をはじめ、東北6県(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)の制覇に力を入れている。足下がぐらついていては、強力な「政治力」は、発揮できなくなるからである。しかし、各県の個々の選挙区を見ると、人間関係を重視する小沢一郎元代表らしい細やかな配慮の跡がかなり窺える、その細やかな配慮とは?
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