http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/498.html
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(以下転載始め)
2012年12月 6日 (木)
消費税増税を白紙撤回するべき五つの理由(植草一秀の『知られざる真実』)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-cbd9.html
各党の政権公約が公表された。
客観的に評価して、もっとも分かり易い、優れた公約を発表したのは「日本未来の党」だ。
http://www.nippon-mirai.jp/promise/index.html
http://www.nippon-mirai.jp/promise/promise.pdf
1.「卒」−原発
原発稼働ゼロを実現し、10年以内にすべての原子炉を廃炉にする。
2.「活」−子ども、女性
子ども一人当たり年間31万2千円を支給。その一部を利用券とする。
高校授業料無償化の堅持
3.「守」−暮らし−
税財源の最低保障年金を創設するとともに所得比例年金を構築して年金制度を一元化する
4.「脱」−増税−
消費増税法は凍結
5.「制」−官僚―
官僚の暴走を止める
天下りの全面禁止と政府関係法人の廃止
国の補助金と政策経費は原則、自主財源として地方に交付
6・「誇」−外交−
TPPは単なる自由貿易協定でなく、ルールのアメリカ化であり交渉参加に反対
独立国家としての責任に基いた日米関係を構築
自由貿易のためのFTAやEPAは積極的に推進
極めて分かり易い。
日本未来の党が政権公約を発表したのは12月2日。
これまで、自民、維新などの政権公約を、時間をかけて報道したマスメディアが、日本未来の党の政権公約はほとんど報道しなかった。
中央高速トンネル崩落事故が発生して、この報道に大半の時間をシフトさせた。
事故を口実に日本未来の党の公約に人々の関心が集まるのを阻止したと考えてよいだろう。
原発・消費税・TPP、さらに天下り、年金制度などについての主張は百人百様である。さまざまな意見があるのは当然のことだ。
そのなかでのひとつの立場が明確に示された。
それぞれの方針をひとつの漢字で表現する手法も優れている。
原発ゼロ・全原子炉廃炉、消費税増税阻止、TPP交渉不参加、天下り全廃、最低保障年金創設と年金一元化、が明記された。
私の持論がほぼ全面的に盛り込まれた政権公約である。
消費税増税は白紙撤回するべきである。
大きな理由が五つある。
第一は、野田佳彦氏が推進した消費税増税は民主主義を破壊するものだからだ。
民主党は「シロアリ退治なき消費税増税はおかしい」として2009年総選挙を戦った。この公約の下で政権を獲得し、この公約と正反対の消費税増税を決定することは許されない。当たり前のことだ。
何よりも重要なことは、天下りとわたりの根絶という「シロアリ退治」が何も行われていないことだ。
財務省が官僚利権の削減に強烈な抵抗を示している。
「シロアリ退治」を叫んでいた野田佳彦氏は、財務省の抵抗を前にして、「シロアリ退治」の旗をたたんだ。それをごまかすために「議員定数削減」を言っている。恥ずかしい首相だ。
第二は、「一体改革」と言いながら、社会保障改革が何ひとつ決まっていないことだ。
財務省は若い世代の負担を軽減するための消費税増税と言っているが、まったく意味不明だ。
年金制度に世代間不公平があるなら、年金制度を手直しすればよい。
社会保障の財源調達に関して、世代ごとの負担調整など実行不能だ。
取るべき施策は、負担能力に応じた負担を求めることで、消費税では、この目的が達成できない。負担能力の低い国民に過大な負担を強制することになる。
第三は、日本の財政危機がウソであること。
たしかに財政赤字は拡大したが、これはサブプライム危機大不況によるもの。景気回復が実現すれば財政赤字は減少する。
日本政府の債務残高は大きいが、日本政府は債務を上回る資産を保持している。米国連邦政府が1000億円超の債務超過であることと比較しても日本政府の財務状況ははるかに健全である。
また、日本は経常収支黒字国で財政赤字のファイナンスに微塵の問題も生じていない。超低金利が持続していることが何よりの証左だ。
日本財政危機説は消費税増税を強行するために財務省が創作したおとぎ話である。
第四は、不況下の巨大増税が日本経済を破壊すること。
1997年度の橋本政権、2000年度から2003年度の森・小泉政権が不況下の超緊縮財政を実行した。結果は、いずれも経済崩壊・財政赤字拡大に終わった。
日本経済は今年の春から景気後退局面に突入した。この状況下で年額13.5兆円規模の巨大増税を実施すれば、日本経済が底割れすることは間違いない。経済地獄が生み出され、財政赤字も減るどころか拡大すると思われる。
第五は、消費税制度の致命的欠陥があることだ。
消費税増税を行う場合、増税分を価格に転嫁できない零細事業者は、増税分の全部または一部を自己負担せざるを得ない。
この場合、消費税の負担者は消費者ではなく零細事業者になる。
これは、消費者が負担するとしている消費税制度の根幹を歪める現象になる。
個人及び事業者には、別途、負担能力に応じた課税が行われており、消費税増税はこの税体系に極めて重大な歪みをもたらすことになる。
これらの理由から、消費税増税は廃止する必要がある。
(以上転載終り)
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