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痛恨の極みだが、今回の総選挙の結果、第一党の地位を得るのは自民党であろう。
主要メディアは、週刊誌は解散前からだが、総選挙の獲得議席予測に勤しんでいる。そのようななか、昨晩あたりから、「自民党が絶対安定多数の269議席さえ獲得できるという予測情報が一気に飛び交うようになった。
(その前までは、自民党もそれほど勢いがないという予測が主流であった)
主要メディアが、この時点でなぜ、「自民党の圧倒的勝利」という選挙情勢を大々的に報じているのかを考えてみたい。
まず、メディアが集めた情報と分析によれば(受け売りを含む)、民主党の惨敗と自民党の過半数超えはほぼ間違いないという状況なのだろう。
狙いは何かという結論を先に提示すれば、
● 自民党の勝ち過ぎを防止する。
● 「未来」の存在感を喪失させる。
の二つである。
面白いことに自民党自身も、民主党を連立に加えず、公明党と組むだけで絶対安定多数(269議席)に達するような結果を嫌っている。
過日投稿したが、民主党が政権与党に加わらない限り、衆参の“ねじれ状況”は解消しないからである。
福田−小沢両氏による「大連立」構想が浮上したように、長期にわたって衆参の“ねじれ状況”は、日本政治の宿痾とも言えるものになっている。
(菅民主党は、わざわざ消費税を持ち出して、いったん解消した衆参の“ねじれ状況”を復活させた)
俗に言う“決められる政治”を目指すのなら、仮に衆議院で2/3という圧倒的多数という議席を占めたしても、衆参の“ねじれ状況”が解消される連立を樹立しなければならないという“支配層”の思いが、「自民党の圧倒的勝利」報道を噴出させているのである。
長年選挙を眺めてきた人ならわかると思うが、“有利”や“圧倒的勢い”という予測記事は、勝利に向かう「鬼門」の最たるものである。
まず、投票行動は、大きく三つの違う層によって担われる。
Aは、何があっても○○党に投票するという層であり、Bが、気持ちとしては○○党が好きだが、重要政策で一致していなければ一致する別の党に投票するという層であり、Cが、どの党も好きではないが、投票の棄権は避けて、相対的に良さそうな党に投票するという層である。
(選挙なんか絶対に行かないという層も有権者の20%くらいいるとは思うが、そういう賢い人たちは除外)
A層のなかでも、ともに“信仰”に支えられている創価学会員と共産党員は、その“固さ”が顕著である。共産党員には少し希望があるが、創価学会員の投票行動を変えるのは至難の業である。自民党候補者に投票という指示がくれば、自民党にちゃんと投票する。
建設業を含む中小企業主や商店主そして農家は、同業者組織や地域組織との兼ね合いや歴史的な付き合いで自民党支持者が多いが、利にさとい層でもあるので時として“反乱”を起こす。
だからこそ、安倍自民党は、膨大な金額の公共事業をぶち上げるとともに、消費税増税凍結やTPP不参加を匂わせている。現在では、固定客Aはそこそこで、贔屓客B程度のひとが多い。
労働組合のなかでは、官公庁とグローバル企業の労組は組合決定に従って投票行動を決める割合が高い。グローバル企業の経営者も、組合が民主党という“補完勢力”を支持することを好ましく思っている。経営と労組が一体になって選挙を仕切る選挙区が、グルーバル企業のお膝元である。
このような図式は、新しい大きな争点がある選挙であっても、結局のところそれほど変わらない。05年・09年と2回続いて起きた議席の“大変動”は、最後のC層の投票行動によって引き起こされている。
まず、普段は棄権して投票しないC層が投票に行く。この場合は、何かに危機感を覚えたり、気に入らない政党(たいてい政権与党)を負けさせたいと考えている。
C層の残り半分くらいは、選挙にはいつも行くが、投票する政党は決まっていないという層である。
雑ぱくに、A層が20%・B層が30%・C層が50%の割合と考えている。
この割合に大きな誤りがないとすると、選挙の帰趨を決める層はCということになる。
メディアの予測も、C層及びB層に含まれるのだろうが、有権者の3割から4割は投票先を決めていないとしている。
(情報分析屋は、過去のデータを膨大にもっているので、捉えたC層のわずかな動きから変化を解釈できるので、C層の動きがまったく見えないわけではない)
このC層は、「自民党が圧倒的に勝利する」という情報を目にすると、たぶん半数以上が、“いやだね、自民党の天下になるのは”とか、“冗談じゃない、民主党もイヤだが、自民党だって許せないのに”と考えるであろう。
そう、相対的な話で独断的な見方だが、日本の有権者のなかでもっとも期待ができる人たちはC層なのである。
彼らは、職場では組合員だったり、会社で黙々と仕事をこなすひとであっても、組織に縛られるのを嫌うタイプが多いから、選挙においてはばらばらの個として振る舞う。その一方で、多くは、TVや新聞といった主要(腐敗した)メディアに情報を依存している。インターネットも覗くが、インターネットは情報の打ち消し合いで、どこがまともかなかなかわからない。
「自民党の圧倒的勝利」という報道は、C層及びB層に、自民党はほどほどで、対抗勢力である社民や目新しい維新に投票した方がいいんじゃないのというメッセージなのである。
もう一つ、「未来」の存在感をなくしていくという目的が、「自民党の圧倒的勝利」の報道のなかに組み込まれている。
主要メディアは、初っぱなから「小沢新党」・「野合」・「小沢隠し」・「脱原発はどこも同じ」といった報道や比例代表の届け出のドタバタ報道などで、「未来」が“危険”でかつとるに足らない政党というイメージを刷り込もうとしてきた。
嘉田代表も、根っこがそうなのだろうが、つい本音がでたり、舌足らずの発言をして、非難を浴びたり、ひんしゅくを買ったりしている。
日経新聞は、今朝の朝刊で、自民党を250議席前後、民主党を60議席前後、維新を50議席前後と予測する一方、「未来」を8議席前後と、「みんな」の10議席前後よりも下回るという予測をしている。
「未来」に関するこの予測は、結果的にそうなる可能性もあるが、有権者に、「未来」はほとんど人から支持されておらず、共産党や社民党並みの政党というイメージを植え付けようとするものである。
「未来」に関するこのような刷り込みが、結果的に8議席前後にさせてしまう可能性もある。
私自身は共産党のほうがいいのだが、より多数を得るためには「未来」を活用するほうが有効だと考えているので、「未来」が、なんとか「維新」を上回る議席を獲得できるよう願っている。
「未来」は、現在の日本である意味価値観的にもっとも危ない「維新」を徹底的に叩くことで、第三党の地位をもぎとって欲しいと思う。
「維新」は、価値観や経済政策において、自民党よりもずっと危うい政治勢力である。
だからこそ、「維新」を叩くことが、自民党にとどまらず民主党をも叩くことにも通じ、獲得票数と獲得議席を増大させる推進力となる。
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