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12月5日(水) 「フェードアウト」するのは「双頭のタカ」日本維新の会の方ではないのか?
日本維新の会の石原代表が迷走ぶりをさらけ出し、顰蹙を買っています。このような迷走が拡散しないようにするため、総選挙の新人立候補予定者には各小選挙区で開かれている公開討論会への参加を見送るよう指示が出たとか。
候補者にとって、選挙は戦場のようなものではありませんか。そこでの武器は言説であり、政策でしょう。
討論会に参加するなと言うのは、選挙という戦場に出ても銃を撃つなと言っているようなものですから、呆れてしまいます。そのうち、演説もビラ配りもせず、無言で通せという通知が出るんじゃないでしょうか。
石原代表や維新の会の迷走と混乱によって、色々なことが分かるようになりました。有権者に投票のための判断材料を提供するという点では、大変、結構なことです。
第1に、石原さんの都知事辞任はかなり突発的なもので、辞めてからどうするかという点でのはっきりとした目算や見通しはなかったということがはっきりしました。先に決めたのは、辞任だったということです。
これは特に、減税日本との合流とその後の「婚約破棄」の経過を見れば良く分かりますが、日本維新の会との合流にしてもかなり行き当たりばったりでした。政策面では未だにしっくりいっていないのですから。
第2に、日本維新の会と旧太陽党との合併が完全な野合だったということも明らかになりました。一緒になったのは、実現すべき目標や政策が一致していたからではなかったからです。
選挙での当選を第一とし、分立することによって生ずる不利益を恐れての統合でした。当選第一、政策第二の便宜的合流であることは明確です。
こうして合流したにもかかわらず、未だに政策的な一致が得られていないことは、先日の石原代表の発言からも明らかです。石原さんは自党の政権公約である「原発は20〜30年代にフェードアウトする」の存在も知らず、「フェードアウト(徐々に消えていく)」の意味も分からず、「直させる」と発言しました。
第3に、橋本さんにとって石原さんと手を結んだことはプラスにならなかったということです。合流すれば普通はプラス以上の効果が生まれるものですが、マイナスになったのではないでしょうか。
石原維新になってから支持は減りつつあり、維新の公約についても「あれは大阪の連中が勝手にやったことだ」と石原さんは言ったそうです。旧太陽のお爺さん連中と維新はまとまるどころか、深い亀裂を宿したままだと言って良いでしょう。
「オレが(石原)」「オレが(橋下)」「オレが(平沼)」と言う人ばかりですから、これからも一悶着あるでしょう。タカ派のリーダーが2人いる「双頭のタカ」政党になっていますが、その「頭」は同じ方向を向いているようには見えません。
このような政党が躍進するよりも、フェードアウトして消えてなくなる方が、日本の政治にとっては大きな貢献になるでしょう。いや、「フェードアウトするまで待っていられるか。今度の選挙できっぱりと引導を渡すべきだ」と仰る方もおられるに違いありません。
実は私も、そう思っているんですが……。
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