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公明「弔い合戦」でヤッシーに大逆風 兵庫8区
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121204/plt1212040708000-n1.htm
2012.12.04 ZAKZAK
★(6)
「新党日本の田中康夫代表は厳しい選挙を意識してか、10人単位の小催事、夏祭り、老人会とマメに顔を出している。だが、地元は『地域に必要な公共事業などが進まない』などと相当不満がたまっている」
こう明かすのは兵庫県尼崎市の自民党関係者だ。この言葉通り、今回の衆院選では、田中氏に逆風が吹き付けている。
「田中氏は2009年の前回衆院選で、落下傘候補として兵庫8区から出馬した。『政治に関心を持ったきっかけが阪神大震災のボランティア活動で、その原点が尼崎市だった』というのが理由。懇意だった民主党の小沢一郎氏(現・日本未来の党)の要請という見方もある」(同)
当時の対立候補は「尼崎で政治家といえば冬柴」といわれるほど、1986年から連続7期当選の大物、公明党の冬柴鐡三元幹事長だった。自公連立政権の要で、国交相経験者。そのため、長野県知事時代に「脱ダム」宣言を打ち上げた田中氏が、「ダム推進」の国交省に強い影響力を持つ冬柴氏に殴り込みをかけた構図といわれた。
「民主党支援を受けた田中サイドには、当時の鳩山由紀夫代表ら大物が応援に駆け付け、2300票差で田中氏が競り勝った」(民主党選対筋)
あれから3年半。捲土重来を期していた冬柴氏は昨年暮れ、失意のまま亡くなった。創価学会や公明党は今回の衆院選を「弔い合戦」と位置付け、背水の陣で新人の中野洋昌氏を擁立した。
「中野氏は東大卒、国交省キャリア出身で、公明党の次世代を担うエリート。公明党は兵庫8区を『最重要選挙区』と位置付け、橋下徹代表代行の日本維新の会(維新)とも連携し、維新候補者を擁立しないことで間接的支援を受けて、『ヤッシー打倒』に燃えている」(尼崎市議会関係者)
さらに、厳しい事態が追い打ちをかける。
「田中氏は消費税増税に反対の立場で、野田佳彦首相を『間違いだらけの、決めちゃう政治だ』などと批判していた。民主党は同区に『刺客』として室井秀子前衆院議員を擁立した。反公明票を、田中氏と室井氏で食い合う形だ」(同)
地元の尼崎市長選では、2代続けて女性市長が誕生している。原動力は無党派の風とされるが、「今回の衆院選では、田中氏にその風が吹いている印象は少ない」(同)という。
日本記者クラブ主催で11月30日に行われた党首討論会に、新党日本は公選法上の「政党」に該当しないとして田中氏は招かれなかった。衆院選でも重複立候補は不可能。田中氏が生き延びる道は選挙区で勝つしかない。(ジャーナリスト・田村建雄)
【兵庫8区(尼崎市)主な立候補予定者】
室井秀子 57 民主前
△中野洋昌 34 公明新
庄本悦子 58 共産新
▲田中康夫 56 新日前
(記号は夕刊フジの分析。△=やや優勢、▲=やや苦戦)
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