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2012年12月03日 世相を斬る あいば達也
あいも変わらず、飽きもせず、マスメディアは“世論調査”を武器に、「こっちの軍勢が有利だよ。こっちの水は甘いよ、アッチの水は苦いよ。」と世論誘導に勤しんでいる。まったく懲りると云う事知らないし、原発報道や小沢陸山会報道のアンフェアな出来事さえ、なかったような風情で、百年一日の如きマニュアル通りの日々を送っているようだ。彼らの辞書には“反省”という語彙は掲載されていないらし。相手にしても、バカバカしいだけなので、程々にしておく。
彼らの“世論調査”による“世論誘導”が有権者に「空気」を醸成する事に失敗した時は、“無党派の投票率が予想を上回り、世論調査の結果が選挙結果に反映されなかった”等と言うだけである。場合によれば、それすらも言わないかもしれない。いずれにせよ、あと一日で衆議院選の公示日を迎える。そこからは公選法適用の期間であり、奥歯にモノが挟まったようなネガキャンしか出来なくなるので、実質的には選挙は、地べたをどれだけこまめに回り、有権者の心を惹きつけるかという勝負になって行く。
多くの人々も指摘する通り、21世紀になって、固定電話所有層だけ相手に、電話調査を行うこと自体がナンセンスなわけで、携帯・スマートフォン所有層を半々に対象にしなければ、正確性は現実と乖離する。また、固定電話所有層の有権者意識は、おそらく固定観念が強い傾向を持つことは想像に難くない。つまり、日夜、テレビで洗脳された固定的空気を持っている傾向が強いので、安定的保守支持層が重なる可能性が高いのだ。また、彼らの生きる残り期間は、携帯スマートフォン所有層に比べ短いだろうから、放射能への危機感も薄く、戦争による実害も少ないくらいに考えている事が想定できる。
まぁ既得権益派代表の一勢力のマスメディアの話はこのくらいにして、主な政党の政権公約等を見ながら、主な政策の違いなどを見ておこう。固定電話層で、固定観念層の有権者にとっては、このような比較さえ意味をなさない。それほど“雨が降ろうが、槍が降ろうが関係ねぇ”という層なのである。毎日新聞が似たような形式で比較を書いているが、主な政党が民主、自民、維新、未来の党と選択しているのが面白い。朝日・読売の調査では弱小政党なのに?不思議だ。主な政治マターとして、(1)原発政策、(2)消費増税、(3)経済政策、(4)社会保障、(5)子育て教育、(6)外交安全保障とする。
(1)原発政策
これは明確だ。原発をゼロにすると明言しているのは「未来の党」だけ。後はあやふやで、言葉遊びに興じているだけ。維新に至っては、内部崩壊、公約として打ち出さない感じになっている。民主党は2039年までにゼロを目指す、実現させるとは言っていない。自民党は、絶対継続!核保有のオプション権を確保しておきたいと正直に言っている。要するに、デタラメなのは維新。嘘つきなのが民主という構図。
(2)消費増税
自民、民主は3党談合したのだから、当然、消費増税大賛成。増税で歳入が増えるかどうか、両党とも名言は避けている。自民は一応、名目3%の経済成長が認められなければ、増税は行わないと言っているが、強靭化計画で公共土木に200兆円つぎ込むと云うのだから、財政健全化どころか財政破綻風味になっている。民主党は社会保障を維持乃至は減額し、目減りを減らしたい財務省支持に従っている。維新は、道筋示さず、消費増税は11%で地方と中央で分け合うのだそうだが、道筋は行政官僚がやれだそうだ。国政レベルの財政の仕組みが判らないからだろうが、財務省の罠に嵌るだけだね。此処でも、消費増税絶対凍結を主張しているのは「未来の党」だけのようだ。主な政党に入れなかったが、みんなの党も消費増税の前にするべきことがあると主張している。
(3)経済政策
民主、自民、維新共に名目経済成長率3%と主張するものの、その方法論は金融政策。日銀の金融緩和、市中への資金供給量増を目論むが、設備投資や新規事業に前向きとも思えない民間企業が資金潤沢と雖も、市中から資金を借り入れるほどの動機が見当たらないので、お題目だけになることは必定。エコノミストらが予測する1%前後の成長があれば御の字なのが実情。そこで、自民党などは国土強靭化で、公共事業に200兆注ぎ込む政策のようだが、誰がその資金を出すのか。当然財政出動、消費増税の3%アップ分入れても財政悪化に輪がかかるのみ。「未来の党」は明確に経済成長に触れていないが、再生可能エネルギー転換、地産地消の地域経済での成長を目指しているようだ。経済政策の関連になるTPP協定への参加の是非は、自民、民主、維新は党内の賛成反対両派に配慮、積極推進が内部分裂を起こすかも知れず態度は曖昧。「未来の党」はTPPには反対。個別FTA等の推進。 各政党ともに、現在の産業構造の行き詰まりには言及していないが、国民や組織からの支持を仰ぐ立場の政党にとって、現産業の限界を語る勇気を望むのは酷かもしれない。筆者などは、経済成長は新産業分野が育つまで、現状維持が妥当とやっと、と考えているのでどの政党の政策にも納得出来ない。
(4)社会保障
民主・自民は3党談合の社会保障制度改革国民会議の結論待ちで、適当な課題を羅列している感じだ。自民は生活保護期間の制限、民主は最低保証年金制度創設など掲げるが、3党談合の枠組みでの議論なので、個別の政策は課題の列挙に過ぎない。つまり、公党が談合してしまうと、党としての個性が失われ、日本丸翼賛党と化すと云う悪しき症状ばかりが目立つ。維新は“受益と負担の均衡”を基本にし年金支給年齢の引き上げを挙げており、年金は70歳以降の支給にのようだが、TPPによる米国保険会社の参入により、民間個人年金加入を視野に入れているものと思われる。「未来の党」も民主と変わらないが、財源のねん出が違う点だろう。何処の党も、社会保障に関しては決め手を欠いているようだ。おそらく、どのような政権になろうとも、不平等・不公正の是正程度になるような按配だ。
(5)子育てと教育
子育ての基本ベースを、民主は「社会全体」、自民が「個別の家庭」と子育ての哲学は大きく違う。民主は都市部の待機児童の解消のため財政支援を行うとしている。自民は待機児童の解消と育休制度の強化を謳っている。維新は具体的言及無く、“保育の成長産業化”と表現、子育ても資本主義経済市場原理に委ねる哲学に則っている。未来の党は“子ども1人当たり中学卒業まで年間31万2000円の手当を支給”を具体的に打ち出した。教育ベースでは、自民が“歴史や文化を尊重する国民の育成”と銘打ち、歴史文化教育に力を注ぐ事を明示したが、他党は深く言及していない。
(6)外交安全保障
民主、自民、維新ともに日米同盟の深化を唱えている。日米同盟の強い枠組みを堅持、強化して行くとする。特に自民は、集団的自衛権行使を容認、日米同盟の絆を確たるものにし、対中包囲を確実にしようと提言している。自衛隊、海上保安庁の人数・装備・予算の拡充や尖閣への公務員常駐なども明記している。維新の政策は、何時変わるか判らないが、現状は自民に極めて酷似しているのが特長。民主の外交防衛は霞が関の言う通りなので、現状を黙々進めると云うことだろう。「未来の党」は外交防衛の基軸は日米だが、対等な日米関係である事が重要と指摘。アジア外交にも、米国同様対等な立場で積極的に臨むとしている。
総論的に考えると、消費増税問題(社会保障を含む)と原発の是非、子育て教育以外の政策分野は、日本一国の考えで、簡単に右左出来ないもので、選挙の争点と云うよりは、政党の思考経路を知る安物の羅針盤程度に考えておくべきだろう。勿論、消費増税や原発是非問題も、グローバル経済化した世界における日本と云う立場から、独自に好き勝手が出来ない部分も多い。財政健全化が世界的要請であった時期は遠のき、萎縮するばかりの世界経済の観点から、近時の世界経済の潮流は、緊縮財政による副作用が顕在化し、舵を反転させる機運も生まれている。原発の是非は、その立場を経済効率に置くか、倫理に置くかで、大きく隔たった政策が生まれる。また、日米関係からの影響もあり、事を複雑にしている。
結局、一国として独自性を最も発揮出来るのは、「子育てと教育」のようだ。本来であれば、この課題こそ、将来の国家の方向性を示すもので最重要課題なのだが、どうも世界的にみても社会主義国家を除き、民主主義・自由主義国家では、政治マターとして議論は盛り上がらない。まぁ自民党が全体主義的教育傾向を見せたのが特筆されるが、上からの押しつけ教育の色彩が濃く、時代を逆行しているようにも見える。筆者などは、自由主義を重んじたいので、選択肢を増やす事には賛成だが、その教育方針を国家統一という全体主義的方向に向かわせるのは避けたいと考える。子育て教育と云うもの、社会全体が、どのような方向に向かいたいと考えているか、自然発生的である事が望ましいわけで、イデオロギー的な立場で国家が決めるのではない点を重視したい。どちらかといえば、最低限の社会ルールの教育、礼儀作法の浸透など、時代に即応させた基本を学ばせる程度で良いのではないかと考える。生きて行く世の中には危険があり、その危険はどういうものか、避けるのはどうすべきか、そのような情報を知らせる教育が望ましい。その上で、だからこのようにすべきだ教育は避けなければならない。
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