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孫崎享さんのメールマガジンから
1日朝日新聞は次のように報じた。
「日本未来の党代表の嘉田由紀子滋賀県知事は1日夜、同党の役員を発表した。飯田哲也環境エネルギー政策研究所長を代表代行に充て、副代表には森ゆうこ参院議員に加えて山田正彦、阿部知子両前衆院議員を起用する。東京都内で記者団に語った。」
「未来」の急展開を歓迎したい。
私は今度の選挙を本当に悲観していた。
国民の投票する先がまったくなかった。
国民の大多数は反原発である。しかし、自民党は原発維持、民主党は例によって選挙で誤魔化そうとしているが、選挙後再稼働に向かうのは疑う余地がない。
増税。
TPP。民主は推進だ。自民はなんだかんだ言っているが多分TPP支持に回るだろう。
オスプレー。
原発、増税、TPP、オスプレーと国民の行き場所がなかった。
勿論、社民党や、共産党は反対している。しかし、「冷戦時代と同じ服を着ていていい」と判断している党に、国民の大多数が支持することはない。
その中で「未来」の動きである。
私が副代表の3名で特に驚いたのは阿部知子氏である。
11月3日藤沢で阿部知子氏の講演会に出た。そこで90歳くらいの女性支持者が「阿部さん。あなたもう勝負しなきゃだめよ」と阿部知子氏を口説いていた。阿部知子氏は笑っていたが、こんな大胆な動きに出るとは思わなかった。
山田正彦氏は文字通り、体を張ってTPP阻止に頑張っておられた。山田正彦氏などの反対がなければ、とっくに野田首相はTPPへの参加表明をしていた。
そして森ゆうこ議員である。
ある明治大学教授が、「森議員と孫崎の書籍のベストセラーを目指すトークショー」を企画していた。どういうわけか不成立に終わった。
私は『アメリカに潰された政治家たち』に次のように書いた。
「自主路線の政治家は再び現れるでしょうか。
いま政治家に求められる条件とは次のようなものです。
第一に、修羅場から逃げないことです。失うことを恐れないこと。「すべてを失ってもいいから勝負してやろうじゃないか」という政治家はいまいません。
第2に若い政治家であることです。国民は古い政治家を見放しています。これは時代の流れです。若い世代の支持を獲得できる政治家を持ってこない限り、風はふきません。
第3に政策的に国民が求めている「原発再稼働反対」「消費増税反対」「TPP反対」を断固やる、という姿勢です。
以上の条件を踏まえたうえで、実現しないという前提であえて申し上げれば、小沢新党が森ゆう子議員あたりを首相候補に掲げれば、国民的な風が吹く可能性があります。彼女はそれらの条件をすべて備えているからです。世界を見渡せば、女性が指導者になるのは、決して不思議ではありません。英国にはサッチャーがいました。ドイツにはメルケルがいます。米国のヒラリー・クリントンは大統領候補の座を争いました。女性候補は風を吹かせる可能性を持っています」(孫崎享著『アメリカに潰された政治家たち』)
森ゆうこ、山田正彦、阿部知子は戦う政治家です。
修羅場から逃げない。失うことを恐れない。「すべてを失ってもいいから勝負してやろうじゃないか」という気概を持っている。
国民に選択の場を与えてくれた。
もう国民は「投票する所がなかった」という言葉は吐けなくなった。
これで自民、民主等に投票するなら、それだけの国民しかもてない国だということだ。
国民が大手マスコミの操作を脱して立派な判断を行えることを切に願う。(了)
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