http://www.asyura2.com/12/senkyo140/msg/288.html
Tweet |
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2197.html
2012.12.03 「日本(2本)維新の会」がフェードアウト(消滅)し、安倍・石原極右連合政権が成立する危険性が出てきた、(ハシズムの分析、その41)〔リベラル21〕
〜関西から(84)〜
広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)
橋下新党(日本維新の会)と石原新党(太陽の党)が野合したとき、私は「この政治選択が大きな誤りだったことを証明する日は遠からずやってくる」と書いた。ファシストの本性を隠しながら「ポピュリスト」の仮面をかぶって浮動票を掻き集めてきた橋下氏と、「極右」を表看板にして右傾化を煽ってきた石原氏とのイメージ格差があまりにも大きく、この野合は遠からず(近いうちに)破綻するに違いないと思ったからだ。
また石原氏が橋下新党と野合した直接的理由として、「自らが日本維新の会の党首となることと引き換えに維新の会の政策を丸呑みすると言う政治選択をした」とも書いた。石原氏は橋下新党の“党首”になることで自らの存在を際立たせ、橋下新党の人気と勢いを利用して国政への返り咲きを狙ったとの観測である。
橋下氏の方もまた東京都知事としての石原氏の人気を利用して、手薄な関東地方の集票をカバーしようと考えていた。つまり橋下新党の「広告塔」としての石原氏の位置づけである。こうして両者の思惑と利害が一致し、政策などと言った「小異」にこだわることなく、大衆的人気という「大同」に依拠して議席を掠め取ろうと言う作戦が成立した。
しかし橋下氏にとって大きな誤算だったのは、石原氏を橋下新党(日本維新の会)の“党首”に据えたことだ。「広告塔」として利用するには石原氏を党首にした方が効果的であり、自分は「党首代行」として実質的な党運営を握ればよいとでも思ったのだろう。だが石原氏は、民主党崩れの国会議員などとは格が違った。「広告塔」に甘んじることなどもともと論外であり、当初から“司令塔”になるつもりで橋下新党に合流したのである。
石原氏が橋下新党の“司令塔”になろうとしたのは、彼の肉体的政治寿命の短さとも関係している。石原氏の宿願である「自主憲法制定」「集団的自衛権行使」「核武装」などいった極右政策への道筋をつけるためには、彼に残された時間はあまりにも短かすぎる。石原氏がそれらの課題に糸口をつけようとすれば、どうしても「暴走老人」にならざるを得ないのである。
それからもうひとつ石原氏が党首にこだわった理由は、安倍自民党が石原氏の右傾化路線に急接近していることがある。両者の政策にはもはや「核武装」を除いてはほとんど差が無く、まさに「大同小異」の関係にあるからだ。石原氏は国政進出に際してまず橋下氏と手を組み(利用し)、総選挙後は安倍自民党との連携によって“安倍・石原極右連合政権”をつくろうと本気で考えているのではないか。
この点で私は、「石原・橋下新党が国会で一定の議席を占めれば、安倍自民党などと組んで一挙に右傾化する可能性(危険性)は十分ある」と指摘しながらも、中長期的には民主・自民の保守2大政党が崩壊に向かい、保守勢力は自公民主流派から編成される「新自由主義構造改革グループ」と「その他(残余)保守」に分裂する。これにともない「その他保守」の一部が「極右第3極」に合流するなどと呑気な見通しを述べていた。
しかし安倍氏が衆院選後の政権の枠組みについて「民主党との連立は考えていない。日本維新の会との連携は選択肢の一つだ」(読売新聞、2012年11月30日)と語ったところをみると、もし安倍自民党と日本維新の会が議席の過半数を占めるようなことがあれば、“安倍・石原極右連合政権”の出現もあながち荒唐無稽な予想とは言い切れない。
目下、マスメディアの選挙報道はもっぱら「第3極」の行方をめぐる政局動向に焦点が当てられており、なかでも原発政策の動向がその焦点になっている。この状況の流れを読んだ小沢氏が嘉田滋賀県知事に仕掛け、11月28日には「日本未来の党」が「卒原発」を選挙争点に掲げて発足した。そしてこの卒原発新党の副代表には、橋下ブレーンの飯田哲也までが加わっているのだから話はややこしい。
このような流動的状況を反映してか、日本維新の会内部でも原発政策をめぐる石原・橋下両氏の間の亀裂が急速に深まり、もはや修復の余地がないまでに拡大しつつある。「日本維新の会」が「2本維新の会」へと次第に変貌しつつあるのはそのためだ。その背景には、石原氏が「核武装」の実現のためには「原発ゼロはあり得ない」と考えているからであり、そのことがこれまでの橋下新党の政策と表向き異なっているからである。
総選挙を直前に控えて、「日本(2本)維新の会」がフェードアウト(消滅)し、安倍・石原極右連合政権が成立する可能性が出てきた。しかし「日本未来の党」には「卒原発」はあっても“護憲”の影が薄い。「脱原発・護憲」の旗を掲げた革新勢力の一層の奮闘が期待される。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK140掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。