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(以下転載始め)
2012年12月 2日 (日)
『日本の未来』のために原発即時ゼロを決断しよう(植草一秀の『知られざる真実』)
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/post-85c1.html
総選挙において主権者である国民の意思が選挙結果に反映されるためには、主権者である国民に適正な選択肢が提示されることが必要不可欠である。
現在の小選挙区制度と比例代表併用制の選挙制度では、衆議院定数480議席のうち、300議席が小選挙区での当選者によって占められる。
小選挙区制では、選挙区で第一位の得票を得た者だけが当選することになるため、2位以下の候補者に投票した主権者国民の投票は意味を失ってしまう。いわゆる「死票」化してしまう。
比例代表選挙を併用するから、小選挙区制度での投票と同時に行われる比例代表選挙の結果が比例代表での当選者数に反映されるが、この議席数は180で全体の3分の1強に過ぎない。
今回の総選挙における三大争点は、
原発・消費税・TPP=オスプレイ
である。
このなかで、最重要テーマとして浮上しているのが原発政策だ。
原発をゼロにするのか、原発を継続するのか。
原発再稼働を認めるのか、認めないのか。
日本の主権者国民にとって極めて重要な判断事項になる。
原発にこれまで巨額の費用を投じてきたために、原発をすべて廃炉にするこということになると極めて大きな損失処理が必要になる。
すでに設備が存在しているとの前提のうえで、今後の投入燃料と電力出力との関係では原発が見かけ上は経済的に有利な発電方式になることを原発推進派は強調する。
しかし、原発の場合、ひとたび事故を引き起こせば数十兆円単位での損失が生まれる。また、使用済み核燃料の最終処分についても方策が未定である。そして、何より、美しい大地が永遠に損なわれる。
福島の事故はまだ収束していない。
東電福島第一原発が撒き散らした放射能が、今後、福島を中心とする日本の国民にどのような健康被害をもたらすのか、まったく予断を許さない。
因果関係については確定されていないが、すでに甲状腺がんの発症が報告されており、これからどのような問題が顕在化するか、多くの日本国民が深く憂慮している。
この点を踏まえれば、すでに設備があるから原発利用を継続するとの考え方は、あまりにも浅薄である。
カネのためには日本国土を失っても良いという、まさに「守銭奴」の発想と言わざるを得ない。
原発産業は2兆円ないし3兆円の規模を保持する。この、いわゆる「原子力村」の関係者が、やはり「カネ」のために原発維持を強硬に主張しているのだ。
福島の事例でも明らかなように、日本は世界最大の地震国である。巨大地震と巨大津波に繰り返し襲われてきた歴史を有する。そして、その宿命は今後も変わることがない。
活断層の上で原発を稼働させることは、「一家心中」ならぬ「一国心中」の行為と言える。
福島の事故を経験したいま、この問題を深く考え、最終結論を出す権限を持つのは、主権者国民である。
今回の総選挙で、日本の主権者国民は、まずこの問題に明確な方針を示さねばならない。
多党乱立状況にあり、原発政策についての言い方には相違があるが、大きく分類すれば、
1.10年以内の原発ゼロを明確に示し、基本的に再稼働を認めないとすることを公約に掲げた政党
と
2.10年以内の原発ゼロを示さず、今後も原発利用を継続し、現在存在する原発も再稼働させてゆく方針を示す政党
の二つに分類される。
日本の主権者国民は、熟慮のうえで、どちらの選択肢を選ぶのか、判断しなければならない。
原発・消費税・TPP=オスプレイ
の三大争点について、
原発ゼロか原発継続かの分立と、他の問題についての基本方針とが、概ねリンクしている。
10年以内の原発ゼロを明確に示す「未来」、「社民」、「共産」、「大地」、「みどり」は同時に、
消費税増税反対
TPP・オスプレイ反対
を明確に示している。
つまり、「未来」、「社民」、「共産」、「大地」、「みどり」は
「原発・消費税増税・TPP=オスプレイ」反対勢力
と言うことになる。
これに対して、
10年以内の原発ゼロを否定しているのが、
民・自・公+国・みん・維新+改革
である。
この勢力は基本的に
消費税増税賛成(一部は条件付き)
TPP賛成(一部は条件付き)
である。
つまり、民・自・公+国・みん・維新+改革は、
「原発・消費税増税・TPP=オスプレイ」推進勢力
ということになる。
原発・消費税・TPP
の三大争点に関して、
の図式で、今次総選挙が行われることになるのだ。
現行選挙制度の下で、上記の二極対立図式で総選挙が行われるのであるから、全国300選挙区に、必ず
「脱原発・反消費税増税・反TPP」陣営が最低でも一人候補者を擁立する必要がある。
このための統一戦線構築が求められているのだ。
「未来」は100人強の候補者擁立を提示しているが、主権者国民にとって必要なことは、
「脱原発・反消費税増税・反TPP」陣営の統一候補者を全国300選挙区に擁立することだ。
総選挙は12月4日に公示日を迎える。時間はないが、早期に
「脱原発・反消費税増税・反TPP」を現実政治において実現するための体制
を構築することが求められている。
(以上転載終り)
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