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白河天皇と石原前都知事
◆NHKの大河ドラマ「平清盛」で伊東四朗さんが演じていた白河天皇が、当時8歳だった善仁皇子(堀河天皇)に譲位したのが応徳3年(1086年)のきょうだったそうだ。以来、40年を超す長きに渡り、上皇として実権を握り続ける。いわゆる「院政」の始まりだ。この言葉にはどうしても負のイメージがある。
◆「石原前知事による院政ではないのか」。東京都議会で石原氏が10月末の辞任直前に決めた人事に批判が集まっている。自らの側近だった特別秘書2人を都の専門委員に起用したことだ。この2人は石原都政の1期目に特別秘書になっており、政務担当として政策全般にかかわっていた。
◆石原氏の個人的な秘書だったのだから、知事が辞任すれば一緒に辞めるのが筋だろう。専門委員は知事が委託する問題に関して助言する非常勤の専門家で、都は月30万円を超す報酬を支払っている。議会から批判が出るのは当然で、2人は結局、就任してから3週間で辞任に追い込まれた。
◆石原氏が打ち上げた尖閣諸島購入のために集まった15億円近い寄付の扱いも宙に浮いている。政府が国有化したのだから国に譲渡するか、寄付した人に返すのがよいのだろうが、判断は次の知事に委ねられる。ここで新知事が石原氏に相談すれば、それこそ「石原院政」と言われかねない。
◆都庁では現在、来年度予算の編成作業が本格化している。新知事は早々に予算査定に入ることになる。来年初めには夏季五輪の招致に向けた開催計画書を国際オリンピック委員会に提出する仕事もある。知事をいつ辞めるかは政治家の自由だが、都政の円滑な運営という観点からみれば良い時期だったとは言い難い。
◆もっとも、石原氏にとってはもはや、こうした話はたいした問題ではないのだろう。御本人は「小異を捨てて大同につく」と第三極による衆院選に奔走中だ。だが、その衆院選のために同じ日にある都知事選の注目度が一気に下がった感がある。それが有権者の判断にどう影響するのかが、何よりも心配だ。(谷隆徳)
[日経新聞11月26日朝刊P.39]
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