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政党名が変わり対応に追われる選挙事務所。ビラをプリントするすがたが見られた=28日午前、大阪市阿倍野区(前川純一郎撮影)
二転三転の挙げ句“未来”…翻弄される生活・脱原発候補ら
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20121128/dms1211281244014-n1.htm
2012.11.28 ZAKZAK
滋賀県の嘉田由紀子知事(62)が立ち上げた「日本未来の党」。小沢一郎氏が代表を務める「国民の生活が第一」と「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」も27日中に合流を表明し、一夜明けた28日、両党からの立候補予定者らは、朝から「新たな看板」の掛け替え作業に追われた。解散後、何度目かの移籍となる候補も少なくないが、一様に「状況は良くなる…」期待の表情。生き残りに向けた“しぶとさ”も感じられた。
大阪6区に立候補予定の生活前職、村上好史氏(60)は28日、事務所移転作業に追われた。移転は当初からの予定だったが、党名変更で看板設置は数日遅れそう。だが、村上氏は「嘉田氏が党首となることで柔らかいイメージが加わり、相乗効果が生まれるのでは」と歓迎ムードだ。
「また、ちょっと、状況が変わっちゃって…」と話すのは、大阪1区から立候補予定の脱原発前職、熊田篤嗣氏(41)。10月に民主を離党して以来、減税日本→脱原発→日本未来と目まぐるしく所属先が変わった。「いつどうなるか分からないから」と、ポスターは民主のロゴをシールで隠して貼っていたが、大阪市阿倍野区の事務所はまた修正作業に追われた。
民主は対抗馬に寝屋川市議の吉羽美華氏(32)を擁立。これまで支えられた労組票はもう期待できない。脱原発では近畿ブロック唯一の公認候補で、比例復活も厳しい見通しだったが、「日本未来なら、小選挙区で落選しても可能性がある」との計算も働く。「人気のある嘉田新党に加われば、状況はよくなる。これから『卒原発』でがんばります」とこちらも表情は明るい。
大阪18区の生活前職、中川治氏(61)は今月15日に民主に離党届を提出、26日に生活の公認が決まったばかり。街宣車の看板を27日夜に修正、この日朝からポスター発注などに追われた。担当者は「事務的にはバタバタだが、同じ理念を共有した政党での選挙は戦いやすい。嘉田氏が旗印となれば、女性支持も増えるだろう」と話した。
大阪15区の生活前職、大谷啓氏(41)の事務所は徹夜でビラを作り替え、朝から早速新党名のビラを配布。「こんな直前に党が変わるなんて聞いたことがない。やることが多すぎてどうしたらいいかわからない」と困惑顔の男性職員に対し、大谷氏は「後援会は政党ではなく『大谷』でやってきた」と強調、「今はやるしかない」と話した。
29日に事務所開きを予定する大阪2区の生活前職、萩原仁氏(45)の陣営もポスターや看板の党名変更の作業で大わらわ。萩原氏自ら「政策の内容は同じ。党名だけ生活と言わないように気をつけて」と、街宣用テープを収録し直すスタッフに指示した。
この日朝から、大阪府吹田市の駅前でマイクを握った大阪7区の生活前職、渡辺義彦氏(56)は「わざわざ戻ってきて話を聞いてくれる人もおり、注目されていると肌で感じた」。新党には批判の声があるが、渡部氏は「合流に驚いたが、政策や理念的にはほぼ一緒で、いわゆる“野合”にはあたらない」と強調した。
政治評論家の有馬晴海氏の話 「政党とは、本来党員がいて同じ考えの同志が集まって代表を国会に送り出すものだが、今は選挙のために集まっているだけなので、党名もころころ変わるような事態が起こる。有権者も小選挙区など選挙制度の在り方を考えるいい機会だ」
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