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日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)が27日午前、福島県会津若松市で街頭演説を行った。原発事故の被災地・福島で街頭に立ち、被災者に語りかけたのは初めて。集まった有権者からは期待する声も聞かれたが、維新の「脱原発」路線が旧太陽の党と合流後に後退したことに「がっかりした」「脱原発の数値目標を示してほしかった」と話す人も目立った。【川崎桂吾、乾達】
【太陽との合流で原発に言及できず】維新・橋下氏 みんな・渡辺氏と隔たり
「原発はなくなってほしい。だから原発政策について聞きに来ました」
小雪舞い散る27日午前9時半、会津若松市・飯盛(いいもり)山のふもとにある維新陣営の事務所前。会津坂下町(あいづばんげまち)からやってきた農業の男性(72)は寒さに体をすぼめながら、橋下氏が登場するのを待っていた。「でも(戊辰(ぼしん)戦争中、飯盛山で自決した)白虎(びゃっこ)隊が見守る場所で『維新』というのも何か複雑だね」
陣営は集まった有権者を「800人」と発表したが、記者からは200〜300人に見えた。「会津を敵対視しているわけじゃありませんよ」。そんな「つかみ」から話を始めた橋下氏は冒頭、旧太陽との合流で「原発ゼロ」の表現がなくなったことを釈明した。「(マスコミは変わったと指摘するが)なーんにも考え方は変わっていません」「どの政党も、具体的なプランは持っていないんです」
身ぶり手ぶりの演説は17分間。「演説はうまいけど、あんまり言うことは他の政治家と変わんねえな」。耳を傾けていた会津若松市内の女性(72)はぽつりと言った。原発政策については「選挙目当てでしょ」と冷ややかだった。
市内には、警戒区域内の同県大熊町から避難した住民2850人が暮らす。借り上げ住宅で避難生活を送る鈴木文雄さん(60)は橋下氏の演説に「総論で細かいところに踏み込まなかったのが残念。脱原発の数値目標を示してほしかった。福島への対応の話もなく、大都市と地方の温度差があるのかもしれない。実行力を強調していたので、もう少し見てみないと分からないが、期待はしたい」と話した。遊説場所から約1キロ離れた仮設住宅で暮らす60代女性は「福祉などが削られないか不安。実行力の裏返しで、何をするか分からない怖さがあり、冷静に見極めたい」と語っていた。
橋下氏は前日の26日夜は市内のホテルでも1時間を超える演説をしたが、原発政策への言及は最終盤の6分間だけ。「タウンミーティング」と銘打たれていたが、参加者から質問を受け付ける時間はなかった。
◇脱原発を巡る橋下氏の発言の変遷◇
(4月24日)電力供給体制の改革をやる。可及的速やかに原発廃止という文言に集約しないと政治的なエネルギーが生まれない。
(8月9日)電気料金はそんなに問題にならない。2030年原発ゼロに向け、道筋を見せれば絶対いける。
(10月24日)安全性は当然だが、国を強くするために原発依存度を下げる。2030年代ゼロの方向性を目指すべきだ。
(11月18日)原発稼働のルールを再確立し、電力市場を自由化すれば、結果として新しい電力供給体制に転換する。原発ゼロを打ち出すことが問題ではない。
(11月24日)脱原発と言っている人はどういうプロセスでやるのか。選択肢ができてないのに2030年代ゼロなんて言えない。スローガンだけでは実現できない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121127-00000034-mai-pol
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