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民主逆風 大物も苦戦
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2012112602000126.html
2012年11月26日 東京新聞[こちら特報部]
民主党への逆風が収まらない。前回2009年の衆院選で大勝し、政権交代を実現。あの時の民主党に対する国民の期待は、公約無視、原発対応などのまずさなどで、そのまま「失望」と「不信」に変化した。吹き荒れる民主党批判の中、首相経験者や現職閣僚の大物議員も苦戦。民主党に巻き返しの可能性はゼロなのか。(中山洋子、林啓太)
◆原発対応の責め 一身に
「原発事故の時に首相を務め、安全な原発はないことが身に染みて分かった。脱原発に逆行する流れを阻止したい」。菅直人前首相は24日、東京都府中市の団地前で声を張り上げた。
聴衆はざっと30人。遠巻きにして、誰も近づこうとしない。1年ちょっと前まで首相だった人物の街頭演説にしてはやや寂しい光景だ。菅氏の支援者がチラシを配ろうとしても露骨に拒否する人もいる。「原発で裏切られたからね」。団地に住む自営業の女性(50)はこんな言い方をした。前回は菅氏に投票したが、「もう信用していない」と語る。
東京18区で前回、菅氏は得票率約60%で圧勝。しかし今回は楽観できない。最大のライバルは自民党元職の土屋正忠氏。加えて、日本維新の会、国民の生活が第一の「第三極勢」が新人候補を立てる。民主党を批判して離党した横粂勝仁氏も出馬する。共産党候補もいる。
大乱戦の中、菅氏が苦しんでいるのは原発事故対応にあたった首相としての批判だ。原発事故の初動対応の失敗は必ずしも菅氏だけの責任ではないだろうが、有権者の中には、菅氏の感情的なやり方や過剰介入が事故対応を混乱させたというイメージが拡大している。
加えて、マニフェストを守らないどころか、混乱ばかりが目立つ民主党政権そのものへの批判がある。菅氏は党の中枢にいた人物として、選挙戦で責めを負う格好になっている。二つの批判で菅氏の地元事務所の関係者は「厳しい戦いになっている」と率直に認める。
自民党は首相経験者の菅氏を標的に定めて、攻撃を仕掛けている。日本大学の岩井奉信教授(政治学)は自民党の狙いについて「首相経験者の菅氏が危ないとなれば、民主党全体の選挙にダメージは大きいし、士気にかかわってくるためだろう」と指摘する。
自民党の安倍晋三総裁は24日、菅氏の地元・JR吉祥寺駅前で街頭演説を行い、「この選挙区には大きな雲が覆っている」と発言。「大震災での(菅氏の)対応はひどかった。誤った政治主導。役人を怒鳴れば、物事が進むと勘違いしていた」など菅氏を痛烈に批判した。
逆風に対し、菅氏は原発ゼロを突破口に支持を拡大したいと考えている。1時間に及んだ団地前の演説では政権運営、経済、外交には一切言及しないで、脱原発政策をひたすら訴えた。「今回の選挙は原子力に頼るのか、頼らないかを判断する場だ。原発ゼロの社会を目指そう」
ただ、民主党の最大の問題は、良いことを言ってもそれをなかなか実現できない現実だった。菅氏の言葉は有権者に信じてもらえるかどうか。厳しい戦いが続く。
◆地元期待取り戻せるか
逆風を感じているのは菅氏だけではない。埼玉5区の枝野幸男経済産業相。震災・原発事故当時は官房長官として批判もあったが、不眠不休で対応した。将来のエース候補として高い知名度を持っているが、楽な戦いではない。
枝野氏自身は24日、こちら特報部の取材に対し「原発事故の対応について、思ったほど有権者には(自分に対して)悪い印象はない。むしろ、プラスだと思っている」と強調。ただ「民主党には裏切られたとの批判は強い。前回の選挙に比較すれば、厳しい」(地元秘書)という。さいたま市内でガソリンスタンドを経営する男性(66)は「官房長官の時、原発事故の情報を隠したのではないかとの思いがどうしても消えない」と指摘する。菅氏と同じような「原発事故」批判だが、それ以上、枝野氏の選挙を難しくしているのは、地元との「関係」だ。
選挙という意味では、枝野氏のやり方は新しく、ユニークだ。地元利益と引き換えに集票を図る古い政治とは一線を画し、地元などへの利益誘致などは約束しないし、「しがらみ」につながる後援会組織をあえて持たない。国会議員は国のために働くべきだという考え方で、「しがらみ」によって国政での自分の判断を縛られたくないとの思いがある。
「しがらみを嫌うのは枝野さんの長所だが、民主党に逆風が吹くと、短所としてモロに出てくる」。こう語るのは長年、枝野氏をボランティアで支援しているコンビニ店経営者男性(71)だ。
追い風によって無党派層が支持してくれる時はいいが、民主党批判の中で地元組織を持たない枝野氏のやり方が通用するのかという不安が出ている。無党派層に期待する選挙戦術では民主党への支持が弱まると、枝野氏への支持も弱まるという構図になってしまう。
国政に集中したいという枝野氏の姿勢にも疑問が出ており、自民党を支持する男性自営業者は「枝野氏は地元のことを考えてくれない。予算も引っ張ってきてくれない。地元への愛着がない」と語った。
枝野氏も自民党のターゲットの一人だ。24日、JR大宮駅前で、谷垣禎一前総裁は、同選挙区で出馬する牧原秀樹氏と並んで「民主党政権を続けるわけにはいかない」と訴えた。安倍氏も近く、枝野氏の選挙区にやってくる。
新潟5区の田中真紀子文部科学相も警戒を強めている。父親の田中角栄元首相の強固な選挙地盤を継承したが、かつての田中王国の神通力にも陰りが出ている。自民党の長島忠美氏、日本維新の会の米山隆一氏、共産党の服部耕一氏が出馬する大混戦。地元には「前回も危ないと言われたが、当選した」との声の一方、悲観論も出ている。
田中氏にも「父親と違って地元のためになにもやってくれない」(長岡市の洋品店経営女性)との声があるほか、なにかと騒動を起こす田中氏のキャラクターにも一部では飽きが出ている。これに加えて、民主党自体への批判。戦いは厳しくなる。
首相経験者、現職閣僚でさえ安穏とできないほどの民主党への逆風。共同通信の世論調査によると第一回トレンド調査での民主党を比例代表投票先としたのは10.8%。前回の衆院選前の同じ調査では36.2%だったことを考えれば、3分の2程度支持を失ったことになる。
「マニフェスト違反、公約になかった消費税増税、不安定な外交、中途半端な脱原発」。逆風の背景として立教大学の逢坂巌助教(政治学)はこの4つを挙げた。しかも、民主党には巻き返す材料が見当たらない。
野田佳彦首相は「古い政治に戻してもいいのか」と訴えるが、民主党の政治が期待外れに終わった以上、その言葉には説得力を見いだしにくい現状がある。
[デスクメモ]
国民は政治に結果を求めている。生活向上の実感を求めている。民主党政権は結果を出せなかった。それでは次の政権は国民を満足させられるか。残念だが難しいだろう。そうすると次の次の衆院選では政権与党に逆風が吹く。そして次の次の次。それが選挙というものだが、どうすればいいのか。(栗)
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