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「危険な緩和論」「そんな認識だから…」民・自党首応酬
2012/11/25 13:06日本経済新聞 電子版
野田佳彦首相(民主党代表)と自民党の安倍晋三総裁が25日、金融と自衛隊の位置づけなどで意見を交わした。首相は安倍氏が提唱する「大胆な金融緩和」を「危ない考え方」「極めて危険だ」と批判した。安倍氏は首相の批判に対して「びっくりした。こんな認識でやっているから、惨憺(さんたん)たる結果になった」と応じた。12月4日の公示を前に、二大政党党首の応酬は激しさを増している。
テレビ朝日の番組に首相がまず出演し、安倍氏が続いて出演した。
首相は安倍氏の金融政策に関する発言について「首相経験者が、口先介入で効果があったと満足しているのはいいとは思わない。発言も少しずつぶれている」と指摘した。そのうえで「インフレで喜ぶのは株や土地を持っている人で、一般庶民は関係ない。金融政策の具体的な方法まで言うのは、中央銀行の独立性を損なう」と強調した。
安倍氏は「首相は日銀には指1本触れてはいけない存在かのように言っているが、まったく間違いだ」と首相の見方を退け、まずインフレ期待を起こし、財政が役割を果たし、成長分野をつくることで経済を立て直すと表明した。
日銀法を改正する場合は「雇用についても責任を負ってもらう」と語った。
自民党が公約に掲げた憲法改正による「国防軍の設置」に関して首相は「自衛隊をあえて名前を変えて位置づける意義がわからない。大陸間弾道弾を飛ばすような組織にするのか」と疑問を投げかけた。同時に「憲法改正、9条が争点とは思わない。経済やエネルギー、具体的な安保政策が争点だ」と主張した。
安倍氏は首相発言に「社会党党首のようだ。極端な例を出して不安をあおるやり方なんだろう」と反論し「自衛隊が軍でない、と詭弁を弄するのはやめるべきだ」と強調した。「民主党は無邪気な外交で日本をめちゃくちゃにした」とも述べた。
事実上の選挙戦序盤は、安倍氏の発言と自民党の公約が先行し、首相と民主党がこれを批判、主張する形で推移している。小選挙区制はもともと、党首の存在感が大きくなる。1996年に初めて現行制度で衆院選を実施した時も、当時の自民党総裁、橋本龍太郎首相と、新進党の小沢一郎党首の論戦が軸になった。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK25008_V21C12A1000000/
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