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2012年11月25日 世相を斬る あいば達也
まずは本題に入る前に、野田佳彦が名実ともに“柳の下のどじょう”狙いで、安倍に対し“党首討論”を嗾けた。“嗾ける”(ケシカケル)と云う言葉は、勢いづかせ相手を攻撃させるという意味があるので、当然嗾けた仕掛け人の存在が窺われる。特に、犬を興奮させ、相手である動物乃至は人を襲わせる時などに使われる事が多いのだが、泥鰌が腹痛に噛みつくと言われても、余程の人じゃないと笑えぬ冗談となってしまう。嗾けたのは民主党第一の策謀家でゲッベルスの異名をとるズウズウ弁ゲッベルス安住かもしれない。実際は判らないが、安住の“ああ言えばこういう度”はオウム上祐並である。
言葉の切れが悪く、言語不明瞭な安倍晋三にしてみれば、出来たら避けたい対決だ。1対1の党首討論を回避することで、野田の“二匹目のどじょう狙い”の意図を覆そうとしている。メディアの報道を総合すると、仕掛けは民主党がしたのだから、その対決土俵は自民がしつらえると云う構図になりそうだ。その安倍の提案を野田が受けるかどうかまでは決定はしていないらしい。NHKなども、時間的都合で、14党一堂に会した“政党討論会”が編成できず、不公平報道と言われたくもなく、手をこまねいていた。そこに登場がネットメディア・ニコニコ動画が、その土俵の提供を申し出た。野田としても、言いだしっぺなのだから、逃げるに逃げられず感極まっている様子が目に浮かぶ。13党党首から袋叩きに遭う覚悟が出来るか?愉しみである。
民主党にしてみれば、選挙の争点が“民主VS自民”と云う構図に持ちこまない事には、第三極等々の話題に隠れ、己らの政党の存在感が消え入りそうなだけに、起死回生のつもりだったろうが、どうも逆に回り出した時計の針を修正するのは困難なようである。ニコニコ動画による党首討論が実現した場合、安倍も針の筵に座ることになりそうだし、石原慎太郎が“トンデモ発言”を連発する愉しみも追加される訳で、29日らしいが見逃せない。ただ、このように想像してみると、実現する可能性は少ないのかも?と云う心配も出てくる(笑)。
本題が短くなりそうだが、前置きをもう一つ提供しておこう。橋下維新と渡辺みんなの鍔迫り合いが白熱してきた。もう半分喧嘩状態なのだから、と毎日や産経は完全に破局を迎えつつある雰囲気を報じている。たしかに、事実関係だけ繋ぎあわせると、到底、国政に携わる政治家レベルではない論争なのだが、本人達は大マジメに応酬し合っている。都知事選における、みんなの党と石原の共同推薦協定も破棄されたようなので、理屈上は芸能ネタ風にいえば“三角関係早々に破綻!”と云う趣きである。
ただし、筆者は橋下のことを“常に話題を振りまく電波芸者”と観察しているので、壊れかけた関係を、自らが大人のフリをして、縒りを戻す(ヨリヲモドス)と云う次なる話題提供と云う手もあるので、油断も隙もありはしないと解釈している。半分厭味でみんなの党との重複候補を擁立したが、候補者自体が“噛ませ犬”の扱いであり、最後には維新が降りた風味にするのかもしれない。今日は右で、明日は左と平然と言える橋下と云う、駆け引きに興ずる愉快犯に、国政を任せる有権者は本当にいるのだろうか?筆者の理解の限界を完全に超えている。現実に政権実務の携わった事がなく、ブレーンのアイデアをつまみ食いし、生来持ち合わせた呑みこみの早さで、連発的言動を繰り返すのだが、彼の口から出る政策には、橋下本人の理念・魂が抜け落ちており、アイデアと言葉芸人のニオイがプンプンとしてきた。
さて漸く本題に辿りついたが、もう半分疲れている(笑)。都知事選では、猪瀬副知事が、師匠の“あと出しジャンケン方式”に倣い、最後に立候補を表明した。主な顔触れは、猪瀬直樹・都副知事、宇都宮健児・前日弁連会長、松沢成文・前神奈川県知事、笹川尭・元自民総務会長だ。現在マスメディアの報道によると、猪瀬がダントツの人気で他を寄せつけない勢いと云う事のようだが、この調査は宇都宮と云う候補者が見えない段階で行ったものであり、調査の信頼度はかなり怪しい。
石原前都知事の好感度が、太陽の党、日本維新の会代表就任と云う経緯の中で、どの程度都民の中で変質しているのか、まったく調査されていない。当然、宇都宮の出現で、脱原発エネルギー政策・脱石原都政・築地移転・新銀行東京の暗部等々が知事選の争点として表面化するわけで、舛添要一や東国原、レンホー相手の世論調査とでは、大違いなわけで、形勢が猪瀬有利で微動だもしない、と云う読みは短絡的に過ぎる。自民・公明の推薦と石原の推薦が、既成の権力の象徴的印象はあるわけで、宇都宮のリベラル度は他の候補者と異質で発光しているのが強みだ。
橋下維新の会は当然推薦を出すことになるので、既存勢力に加担すると云う“禁じ手”に手を染めることになるわけだ。みんなの党と石原の共同推薦協定は石原側が破棄したと云うことなので、みんなの党が推薦を出すかどうかは流動的になっている。“自公維新推薦!”おやおや?何処かで見たようなフレーズだ。そうそう拙コラム「自民党政権公約を読む 安倍政権の皮算用 “自公+維新” を企てている」の見出しとそっくりだ。 この石原手垢まみれの東京都政を、都民の側がどのように思うか。ここが一つの争点になる。ただ、東京都自体は財政的に恵まれており、弱者切り捨てが問答無用に行われている傾向は乏しく、争点としては弱い気がする。弱者切り捨なら、大阪府・大阪市の方が大先輩だろう(笑)。
問題は、石原前東京都知事を都民が、既存権益政治家とみるか、或いは右翼政治家とみるか、第三極の代表とみるか、有名人とみるか、そこで評価は幾つかに分裂するのだろう。今までの都知事選の傾向をみると、東京都に地方の政治家を参加させる事を酷く嫌う傾向が都民に存在する。猪瀬は田舎者ではないが、橋下は都民にとって田舎者なのである。その橋下が石原を手蔓に、大阪人が東京に殴り込みを掛けてくる。このような印象を持たれた場合、猪瀬にとっては日本維新の会が全面支援する事は、プラスよりマイナスに作用するものと考えられる。
それと美濃部亮吉以降は、鈴木俊一、青島幸男、石原慎太郎と保守系政治家又は有名人が都知事になっている。そろそろ一回くらいリベラル派を知事にしても良いかもな〜と云う機運がないわけでもない。幾らなんでも、日弁連の会長までした弁護士だ。美濃部都政のような青天井の福祉政策にのめり込むとも思えない、と云う常識的認知もあるだろう。まして、福島原発事故における放射能汚染問題を強く受けとめ、反原発・脱原発の必要性を強く感じている都民も少なからず存在する。核保有シミュレーションまで言及してしまう石原慎太郎と関西人橋下の猪瀬支援は両刃である。筆者は都民のアレルギーの方が勝ると考えているので、マイナスに作用するだろう。自民公明だけだと、猪瀬有利だったが、維新の応援と云うか石原の影響下にいた猪瀬、橋下が応援する猪瀬は票を減らすことになるだろう。
政権与党である民主党は又もや不戦敗の体たらくだが、それを咎める気にもなれない(笑)。ところが、この民主党を政権交代させた都民もかなりいるわけで、都議会では力こそないが第一党である。その意味で考えると、政権交代時に民主党支持だった人々の多くが、リベラルな人を選びたくなる衝動は持っている。その点では民主党票は宇都宮に多く流れる傾向を示すだろう。猪瀬ダントツの噂を盾に、創価学会動員はあくまでも衆議院選挙に向けた動きをしており、学会組織票が石原後継猪瀬に集中するとは言い難い面もある。学会の会員はリベラルな傾向を持っているので、曖昧な衆議院選ならいざ知らず、都知事選と云う属人性が強い選挙の選択は微妙になる。
勿論、今回の都知事選におけるリベラル宇都宮の強みは“脱原発”、猪瀬の原発スタンスは“ベストミックス”だろうから、明確な違いが提示されている。直接、原発施設を抱えているわけではないが、その電力を利用してきた都民としても、関係者であることに変わりない。毎週金曜日の官邸集会、100万人デモ、都民投票などにおける状況を見る限り、リベラルな空気が東京都に吹いている状況もあるだけに、猪瀬ダントツの流れは変わっている。また、石原都政の継承か否かが問われている事はいうまでもない。
もう一つ注目すべきことが、宇都宮支持政党VS猪瀬支持政党の違いだ。「国民の生活が第一」「社民党」「共産党」などが宇都宮支持を表明。「自民党」「公明党」などが猪瀬支持を表明している。衆議院選よりも早い段階で公示日を迎える都知事選だけに、当初の1週間近くの都知事選の盛り上がり如何では、国政選挙の勢いにも、かなりの影響を与えるものと思われる。
筆者にとっての有名度は宇都宮も猪瀬も同等だが、一般的には猪瀬の方が有名なのだろう。ただ、猪瀬の唯我独尊的態度は女性票の反発も考えられ、原発姿勢とも相まって、男性票VS女性票的な構図も一部見られるのだろう。いずれにせよ、マスメディアや既成政党が考えるほど、猪瀬がダントツ楽勝の選挙戦ではないと考えている。宇都宮の選挙の盛り上がりは、その後始まる総選挙の勢いにも大きな影響を与え、小沢らが提唱する「国民連合・オリーブの木」への追い風になる事も期待できる。29日公示日を迎える都知事選に注目したい。
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