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2012年11月24日 世相を斬る あいば達也
小沢一郎と既得権益勢力の権力闘争は、未だ継続中のようである。おそらくここまで来ると、永遠に続くと考えた方が賢明なのだろう。小沢支持の筆者にしてみると些かウンザリなのだが、此処はマスメディアがくたばるまでコラムを書き続けなければならない、と腹を決めざるを得ないようだ(笑)。検察庁を中心とする闘いに勝利しても、小沢一郎を遠巻きに包囲する既得権益勢力のシロアリ軍勢は、次から次へと襲いかかってくる。支持者でありながら、今さらのように小沢一郎の忍耐力、闘争心、政治力等々の底力には感服のひと言である。これもひとえに、自らが信じ、主張し続ける“自立と共生”と云う政治理念が盤石だと云うことなのだろう。
いま小沢一郎に襲いかかっているのは、マスメディアと云う既得権益勢力のシロアリ一派である。彼らは“手を変え品を変え”小沢一郎が立ち上げた新党「国民の生活が第一」(略称:生活)を存在しないものと扱う報道に徹している。しかし、彼らの意図的に作り上げた「架空の風」橋下・石原と云う“第三極”の主メンバーが合体することにより(日本維新の会)、“正体見たり枯れ尾花”だと云う醜態が晒され、「架空の風」は風前のともし火に向けて驀進中である(笑)。公示日以降を含めると、未だ3週間もあるのだ。どこまで崩壊するか、想像がつくと云うものである。
野田の自爆テロ解散を、民自公が維新の準備が整わない内にやっちまえと考えた等と論評している評論家やメディアも多い。財務省の手の平でしか動けない民自公、年内解散は必定だったと云う意見もある。しかし、筆者は違うと今でも思っている。財務省が消費増税が確実に14年から実施出来るように、一時的にミニバブルを生むには、自公民の大連立が都合が良いと読んだからだと解説している。しかし、それも表向きの思惑なのだと思う。霞が関・財務省にとって最も忌避したい政治勢力が小沢一郎の勢力だったと云う事が根っ子にあったと考えている。
彼らは、入口までのシナリオは作れるのだが、出口のシナリオまで書き切る器量は持ち合わせていない。彼ら官僚らにも公選法は適用されるわけで、選挙活動は出来ない。入り口と有利な背景は提供は出来るが、それ以上の手取り足取りは出来ないのである。つまり、そこから先は各政治勢力の器量に任せるしかないと云うことだ。小沢の選挙手腕には、彼らも畏怖を持っているわけで、なんとか小沢一郎の選挙手腕のツールの一つでも奪っておきたい意識があったと推量可能である。つまりは金である。小沢の懐を勘定した上で、潤沢な選挙資金を絶対に持たせてはならないと云う強い意志が働いた結果だと考える。まぁ、それと消費増税が確実に実施できるためと云う要素もあった。
それはさておき、各陣営の勢いはどうなっているのだろう。先ずはマスメディアの世論調査などで“単独過半数を視野”などと持ち上げられ、与党に復権したような酔いどれ気分から悪酔い気分に発展させ、今では嘔吐しそうな政権公約の勇み足に苦虫を噛みしめている。安倍総裁と石破幹事長の意志疎通がまったくなっていないので、ぎりぎり比較第一党確保と云う按配だ。時と場合によると、勇み足政権公約が命取りとなるかもしれない。言葉先行の右傾化は石原・橋下を意識した部分も見えるが、公明には刺激的。
次は与党政権を喜んで投げ出した民主党。もう修復は不可能なレベルに達しているので、コメントすら浮かばない。幾らなんでも100議席には達するだろうと云う予想が多いようだが、筆者などは5,60議席じゃないのかと狂喜乱舞している(笑)。野田佳彦は選挙区で落選するだろうが、比例で復活当選か。仮に比例で復活しても、求心力はガタ落ちなので“野田降ろし”の再来は必定になる。現在の民主党衆議院選立候補者を見ると、来年の参議院選睨みのシフトを敷いている節があり、参議院でのネジレ維持が本命と云う選挙対策を打っている感がある。
マスメディアの寵児、日本維新の会の形勢は、石原慎太郎の自己顕示欲に振り回され、予期せぬ方向に暴走しているようだ。朝令暮改の連続で、発言趣旨はコロコロ変わる。ほとんど“船中八策”などと云う言葉さえ、マスメディアは口にしなくなった。マスメディアに祭り上げられた「架空の風」と云う政治勢力なのだが、民族主義と市場原理主義が同居する政党と云うのは、あまりに無理がある。候補者も350人擁立が、241になり、ついには150と言い出した。その150人の顔ぶれも玉石混交と云うか玉はごく僅か。予想獲得議席は、マスメディアの世論調査でも大きな振幅をみせ50〜100議席、当初の200議席オーバーなどの予想は流石に消えた。なにせ「架空の風」に身を任せた政党だけに、電波ジャックに公平性が厳しく求められる公示日以降、ビックリするほど凋落する事もあり得る。
公明党は安倍自民の前のめり右傾化発言に翻弄され、支持母体S学会の会員達の意識と選挙協力中の自民党との板挟みに悩まされ、選挙動員学会員の士気が今ひとつ盛り上がっていないのが悩みのようだ。共産党は、小沢が中心に纏めようとしている「国民連合・オリーブの木」に参加するのも微妙な問題で、直近の政策が同じでも、独自の闘いを展開するのだろう。
ジワジワと存在感が出てきたのが「国民連合・オリーブの木」だ。「日本維新の会」が唯一の選挙手法、電波ジャック・空中戦で“架空の風”も更に吹かせたいところだが、石原と合体するまでのパフォーマンス以上のパフォーマンすを起こすことは容易ではない。逆効果なパフォーマンスを行う可能性の方が高いだろう。それに対し、出遅れ感があった「国民連合・オリーブの木」と云う、マスメディアからナッシングな取り扱いを受けていた政治勢力がジワジワと追いかけており、追い越す勢いを見せている。架空の風に乗りまくり、自分らが何処を飛んでいるのか判らない空中戦展開の石原や橋下に比べ、小沢、鈴木、亀井、山田らの勢力は黙々と地べたを歩んでいる。
拙コラム「亀井、山田の新党「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」 なんだ二人かと思うことなかれ」 (http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/a967b28074a8d427793222ae8b32a19b )で注目したように、此処に今回の選挙戦の潮目があったのかもしれない。「反原発、反消費増税、反TPP」の大同団結を目指しているが、この3本の柱から“TPP”の扱いがワンランク落ちた感じになっている。これが誰の戦略かは判らないが、TPPが本来の強権的ブロック経済(ISDN条項等)から、原則関税撤廃方向が骨抜きされる傾向を見せている事と、他のアジアブロック経済枠組みも同時進行させる事で、米国主導のブロック経済の影響を和らげ、緊急性が遠のいた部分もあり、ワンランク下げる理由づけは出来た。
直近の選挙戦における有効性としては「みんなの党」への“誘い水”としての配慮だ。此処に来て、何故「みんなの党」に誘い水を向けなければならないのか、ここもポイントでもある。各社の世論調査によれば、社民も、大地も、みどりの風も、亀井新党も支持率0%の泡沫政党扱いだ。小沢の生活にしても1%前後と厳しい数字が示されている。つまり、全部合わせても2〜3%の政治勢力が、3大命題の一つの格付けを下げる意味合いは皆無だ。共産党のように、兎に角反対だと打ち出せば良いわけだが、そうすることで「中道リベラル」と云う政治勢力の結集(オリーブの木構想)が困難であるなら、ランキングを下げてでもと云う情勢が一定の範囲で存在する事を示唆している。
政党政治の理想からいっても、「極右・右派連合」(自民・公明・民主・維新)が大政翼賛政治を目指しているのなら、「中道リベラル連合」(生活・大地・社民・みどり・反TPP等々)と云う政治選択肢は当然必要である。その意味だけでも、今後の日本の民主主義にとって良い事である。しかし、現在起きているこのような動きは、理想論の話ではなく、現実論としても有効に作動していると見る事が可能なのだろう。前者の右派連合に加えられた公明党にしても、支持団体からは後者に属すべきだと云う雰囲気は充分にある。民主にしても、右派連合と言われたくない政治家は所属議員の半数に達するだろう。
解散から1週間で、これだけの合従連衡が繰り広げられているのだから、これからの3週間でも、驚くような情勢の変化もあるような気がする。マスメディアの世論調査の数値も、徐々に「架空の風」シナリオから、実測値を示し始めるに違いない。今回の選挙ほど、5割近い無党派の人々の投票行動が結果を左右しそうだし、投票率によっても大きな異なる選挙結果を生むのだろう。また、選挙後の政権枠組みも現時点では予想する事もなかったような組み合わせの可能性まで出てきている。マスメディア曰く「争点なき選挙戦」だそうだが、奇しくも民主党も自民党も維新の会も右派が代表であると云う事実が、有権者に「右派」と云う意味なく怖いイメージを与えている。流石のマスメディアや財務省も、この「右派」の3巨頭が並んだ絵図は想定外だったに違いない。
奇しくも尖閣諸島における問題児、石原慎太郎と野田佳彦が並び、国土強靭化、国防軍等と言い出す安倍晋三が加わるわけだから、「極右・右派連合」と称するにあまりにも顔ぶれが揃い過ぎた。これは明らかに戦略の過剰から生まれた「鬼っ子」である(笑)。元祖民族派と思われる亀井静香と小沢一郎、鈴木宗男が「中道リベラル」としてクローズアップするのだから、如何に前者の浮き上がりが度を過ぎていたかが、窺い知れる。ドタバタで起こった解散総選挙と云う騒動なのだが、意外な国家を二分するような“争点”を国民に示し始めている。「極右・右派連合」なのか「中道リベラル連合」かと。どちらの勢力が勝つにしても、日本の方向性を“右派か中道か”で争う事は悪いことではないのだろう。
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