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2012年11月21日 世相を斬る あいば達也
以下の朝日新聞の記事は、事実に基づく報道の体裁を整えながら、実際は小沢「国民の生活が第一」、亀井ら「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」の政治行動は単なる思惑であると断じている。その上、小沢が提唱する“国民連合・オリーブの木”構想は頓挫している、と述べている。小沢、亀井を“ベテラン政治家”と云う呼称で一まとめにして論じている。彼等を単純にベテラン政治家と呼ぶのであれば、二番煎じの自民党安倍晋三をなんと呼称するつもりなのか?橋下に抱きついた暴走痴呆老人石原慎太郎をなんと呼称しようというのだ。嘘八百な政策を実行した民主党野田佳彦を“馬鹿正直”と呼称する欺瞞はすり替えも、度を越している。
≪ 第三極結集へ「脱原発」 思惑はすれ違い〈乱流総選挙〉
亀井静香氏と小沢一郎氏が「脱原発」の勢力結集に動き出した。石原慎太郎氏と袂(たもと)を分かって新党を結成した亀井氏、民主党を離れ、ようやく無罪が確定した小沢氏。日本維新の会が降ろした「脱原発」の旗を掲げ、2人のベテラン政治家が反転攻勢を狙うが、総選挙での支持の広がりは見通せない。
■勝負に出た亀井静氏・小沢氏
「経済が土砂降り、傘も差せずに明日なき生活をしている人たち。(そこに)税金を取るぞと。こんな無情な政治が日本の開闢(かいびゃく)以来あったか」
国会内で開かれた19日の結党記者会見は亀井氏の独演会だった。亀井氏の横に座った新党首の山田正彦氏はかすんだ。 新党名は「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」で所属する前国会議員は2人。亀井氏は「自由貿易の名の下で奴隷のごとく米国に従わないといけないのか」と訴え、「政府がやる気がないから、原発に頼らざるを得ないとだましている」と断じた。
国民新党代表の座を追われ約7カ月。東京都知事だった石原氏をトップに「石原新党」を画策したが、主導権を失った。石原氏は太陽の党を立ち上げて、橋下徹大阪市長率いる日本維新の会に合流した。
76歳の亀井氏。2005年には小泉政権の郵政民営化に反対し、自民党を除名された。09年の政権交代で国民新党代表として入閣し、復権を果たしたが、 野田政権の消費増税路線に反発して連立を離脱した。
再起に向けた大勝負の道のりは順調ではなかった。「とんでもない大物が入る」と周囲に語っていたが、亀井氏に近い関係者は「目玉候補にと温めてきた俳優の菅原文太氏は出る気がなかった」と明かす。永田町に解散風が吹き始めた11月上旬、亀井氏は周囲に「これが最後の大勝負だ。酒も足腰もすっかり弱くなった。だけどね、政治への情熱は消えないよ」。
「脱原発」を掲げるベテランがもう一人いる。国民の生活が第一の小沢代表だ。民主、自民両党との対立軸になる上、維新が太陽の党との合併を優先させて 「脱原発」を後退させたことも追い風とみる。それだけに、小沢氏は無罪が確定した19日を反転攻勢の節目にしたい考えだ。
「3年7カ月余に及ぶ検察の捜査と裁判の日々だったが、本当に忍耐の毎日だった。国民の励ましがなければ、到底この重圧に耐えられなかった」。記者会見で小沢氏は一言一言、かみしめるように語った。小沢氏は小政党の連携構想を進めており、側近は「無罪確定が結集の追い風になる」と期待を寄せる。
ただ、年内解散はないと踏んでいた小沢氏の読みは違った。維新やみんなの党との選挙区調整を念頭に、10月末に発表した公認内定者の選挙区を「未定」としていたが、維新は太陽と合併。選挙区での選挙活動で出遅れる格好になった。
攻勢へ時間との競争になった小沢氏は会見で「新生日本を作り出そうという志を持つ人たちと力を合わせて総選挙に臨みたい」と強調。自らに言い聞かせるように「今週、来週いっぱいは連携の道を探っていきたい」と語った。
■「クリーンなイメージほしいだけ」
「脱原発」の世論の受け皿をつくって総選挙で躍進する――。亀井氏も小沢氏も「脱原発」で第三極を結集する戦略を描く。 小沢氏は19日の記者会見で維新と太陽の合併について「私どもと考え方が違う方向に行っている」と指摘。亀井氏との連携は「共闘も可能だ。原発、消費税、TPPなどの大きなテーマについて共有できるグループや個人と協力関係を進めたい」と語った。
脱原発を結節点に、維新との連携に進むみんなの党を引き寄せるとともに、脱原発に強い思い入れを持つ「みどりの風」などとの結集を目指す構えだ。小沢氏は衆院が解散された今月16日、山田氏と会談した。生活幹部は「維新やみんなの党まで連携の線が延びてほしい。連携できるなら、小沢代表は解党もいとわない」と語る。 ただ、「脱原発」を軸にした結集はそれぞれに思惑に違いもあり、一筋縄ではいきそうにない。新党結成直前のみどりをめぐる駆け引きが、その難しさを象徴している。
亀井、山田両氏は当初、国政政党化を控えたみどりに合流する方策を探っていた。14日夜、社民党を離党する阿部知子氏、みどりの谷岡郁子氏、「脱原発」の運動を展開している人類学者の中沢新一氏がひそかに会談。谷岡氏はみどりの綱領案を示し、賛同するなら入党を認める姿勢を示した。
これに対し、亀井氏は「みんなそれぞれプライドがある。綱領に賛同する人は入れるというやり方では、うまくいかない」と再考を求めた。だが、谷岡氏は譲らず、みどり入りは見送られた。
阿部氏の行き場も迷走。離党に不快感を示す社民党の福島瑞穂党首は谷岡氏に「阿部さんを入れないでほしい」と要請。谷岡氏は「それは筋が違う」と断ったが、みどりの亀井亜紀子氏は地元の参院島根選挙区で社民党と選挙協力しているだけに、「社民党との関係に影響が出る」として阿部氏入党に難色を示した。
阿部氏がみどりへの参加を見送ると、亀井、山田両氏は18日、阿部氏に電話。「一緒に結党会見に出てほしい」と誘ったが、断られた。阿部氏には生活もラブコールを送るが、阿部氏は別の枠組みで「脱原発」の受け皿づくりを目指す構えだ。
一方、山田氏とともに民主党離党の機をうかがっていた初鹿明博氏は18日、亀井新党に見切りをつけ、みどり入りを表明した。亀井氏や小沢氏との連携について、みどり幹部は「小沢さんたちは私たちのクリーンなイメージがほしいだけだ。総選挙前の合流は100%ない」と慎重姿勢を示している。≫(朝日新聞デジタル)
以上の朝日の記事は、一見抑制的だが、極めて無礼な解説記事になっている。亀井、山田、小沢と云う、国士的政治行動を、思惑で動き出したベテラン政治家と云う括りで片づけようと云う意図が見え見えである。小沢一郎の無罪判決による、政治活動への追い風も思惑であり、たいしたことはない。“ようやく無罪が確定した小沢”などと云う表現を、検察とグルになり小沢ネガティブ報道に徹していた朝日に語る資格など、コレッポッチもない。盗人猛々しいとはこう云う事を指すのだろう。自分達の小沢報道の問題点を検証するフェアネスな姿勢は皆無である。彼らに検察の暴挙を批判する資格など、毛ほどもない。
また朝日は、“年内解散はないと踏んでいた小沢氏の読みは違った。維新やみんなの党との選挙区調整を念頭に、10月末に発表した公認内定者の選挙区を「未定」としていたが、維新は太陽と合併。選挙区での選挙活動で出遅れる格好になった。”と胸を撫で下ろすような表現をしているが、此処はポイントだ。「国民連合・オリーブの木」構想は、谷垣自民が野党8党の野田内閣不信任案に加わらざるを得なかった時点から始まっている事で、今に始まった小沢の戦略ではない。逆に言うなら、小選挙区の候補を定めなかったのは、朝日には思惑と読めるようだが、筆者が解釈すると、小沢一郎の誠意の現れであり、政治テクニックだけで動こうとする民主や維新の会の橋下・石原らとは次元が異なると云う現れに過ぎない。
たしかに、筆者などは選挙資金の関係上、年内の総選挙は新党にとってかなりのハンデだとは思っていた。故にコラムの予想でも、意図的に年内総選挙なしとしてきたが、民主党内の“野田降ろし”の言動が激しさを増し、泥船から野田と云う代表が真っ先に逃げ出した按配の解散総選挙になってしまったのは、個人的には痛恨だと思う。しかし、小沢が選択した10月末“小選挙区候補の内定”という手法は、小沢の誠実さを現している方に目を向けるべきであって、読みがハズレタ、と云う解釈は愉快犯的マスメディア独特の思考経路によるものだ。
しかし、このような事実報道のような体裁を整え、自社の世論調査で、政党支持率1%程度の「国民の生活が第一」の行く末を占うような記事を書く必要などないわけである。“争点隠し”或いは“捏造争点”、時には“捏造第三極”と云うプロパガンダ報道の徹底にも関わらず、どこかに彼らの“不安”があるからに相違ない。自分の思惑や企てに、ある出来事が杞憂と云う情緒を齎した時、人は“自問自答”するわけである。そう云う場合人と云うものは、聞きかじった情報を繋ぎあわせ推量し、論法を組み上げ、“そうだよな、斯く斯く然々なわけだし、あれはこう云う意味で、こっちはこう云う風に考えられる。やっぱり考えは間違っていない、大丈夫、ね、大丈夫だよね?”杞憂を打ち消す人間の安堵の思考手続き、と読むのが妥当だろう。記者が特別な人間でないことは周知の事実、平凡な人間の思考と変わりはしない。
おそらく、総選挙の“争点隠し”が彼らに与えられたミッションなのだろう。それを命じ、直接手を下した下手人は財務省だ。ただ、財務省の権力背景には多くの既得権益派が睨みを利かせていると云う構図だ。一昔前であれば、これだけのプロパガンダ報道を行えば、有権者がミスリードで、あらぬ方向に向かう確信があった。しかし、ネットの世界がジワジワと、彼らが独占していた国民洗脳、そして誘導の情報発信能力に陰りが出てきたという証左なのだろう。ネットが普及し始めた数年はその影響は軽微だったが、最近のツィツター、Fbなどの簡易性は、彼らが持つ独占的情報発信機能の効力を、相当に浸食している事実があると云うことだろう。
まだまだ、マスメディアの力は侮れないわけだが、絶対的効力を発揮するツールの座を追われようとしている実態が見えてくる。当然、彼らにミッションを授けた勢力は、“本当に大丈夫か?ネット界では、小沢の生活が存在感を示しているぞ。君らの霊験あらたかも怪しくなってきてるンじゃないのかね”そのような疑念が生まれ、煽られるように、今回の記事のように不都合な事実を否定する材料を提供する。捏造に捏造を重ねる愚挙に走り、嘘に嘘を重ねる野田佳彦ソックリさんになっているのかもしれない(笑)。
PS:
最悪のマスメディア・テレビ軍団なので、筆者は殆ど視聴することはないのだが、国民がどのような形で洗脳され、サブリミナル効果の罠にかかるかを知るために、たまには報道ステーション程度を見ることはある。丁度遅い夕食と重なったので、昨夜の番組を見ていたのだが、選挙の争点(TPPに関する)を取り上げていたシーンで各党の党首の会見や演説等々の画像が紹介された。ハッキリは記憶していないが、橋下、石原は3回顔が映し出され、安倍、野田は2回、志位、山口、亀井、福島は1回、顔が映し出された。小沢は“いつだいつだ”と待ち受けたが、遂に党勢第三党である「国民の生活が第一」代表・小沢一郎の顔は映し出されなかった。昨夜は例外かもしれないが、これでは、テレビ依存で生きている有権者に、小沢一郎は無きに等しい印象を植え付ける。小沢一郎の影も形も消し去る選挙ネタ報道は枚挙にいとまがないのだろうが、実に驚きである。これでは、B層、C層のテレビ人間には、橋下、石原、安倍、野田しか、政党を代表する政治家がいないような印象を与えるだろう。
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