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党首討論の場で突然の衆院解散表明 野田首相が「その先」に見ているものは何か
http://www.asyura2.com/12/senkyo139/msg/349.html
投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 21 日 01:40:47: cT5Wxjlo3Xe3.
 

【第48回】 2012年11月21日 上久保誠人 [立命館大学政策科学部准教授]
党首討論の場で突然の衆院解散表明
野田首相が「その先」に見ているものは何か
 野田佳彦首相が、国会の党首討論で衆院解散の決断を明らかにする前代未聞の手を打った。衆院総選挙の日程は12月4日公示、16日投開票に正式決定された。

 野田首相の決断については、「政局」の観点からさまざまな議論が展開されている。だが、この連載は「政局論」と一線を画したい。前回、「政治生命」を賭けた消費増税の実現によって、政治哲学である「一内閣一仕事」を達成した野田首相は、政権の延命に拘っておらず、特例公債法案の審議拒否への世論の反発に悩む自民党・公明党を揺さぶり、よりよいタイミングで解散を狙っていると論じた(第47回を参照のこと)。

「政局論」では、野田首相が解散に追い込まれたと主張するものが多い。だが「政策」に焦点を当てると、全く別の見方が可能になる。むしろ、野田首相は自民党・公明党との解散時期を巡る駆け引きを、終始自分のペースで進めてきた。そして、首相は党首討論で「定数削減を確約すれば、16日に衆院を解散してもいい」と安倍晋三自民党総裁に迫り、「詰めの一手」を打ったといえる。

野田首相は「社会保障と税の一体改革」の
衆院選争点化の回避に成功した

 野田首相は、衆院解散に「一票の格差是正」「特例公債法の成立」「社会保障制度改革国民会議メンバーの人選」の3つの条件を提示した。「政局論」では、このうち、「赤字国債発行法案」「一票の格差是正」に焦点が当たりがちだが、「政策論」では「国民会議メンバーの人選」も重要である。

 総選挙前に国民会議の人選が決まれば、民主・自民・公明の三党は、社会保障制度改革を衆院選の争点から外すことになる。総選挙の結果で、改革の方向性が「政治的」に決められることもなくなる。そして、社会保障制度改革は、国民会議を舞台に専門家によって議論されることになるからだ。

 この連載では、将来の社会保障制度のあり方を、「政局」で拙速に決めるべきではないと主張してきた。三党合意によって国民会議の設置が決まったことは、「問題先送り」と批判されるが、制度改革を専門家が1年間かけて議論する場が設けられたことは、高く評価すべきだ(第38回を参照のこと)。なぜなら、民主党・自民党のどちらの社会保障改革案も、既に一度「政治的」敗北を喫し、そのままでは国民の支持を得られないものだからだ。

 民主党政権の3年間、野党とマスコミは、民主党の政策を「バラマキ」と決め付けて徹底的な批判を続けた。年金改革に関しても、保険料を払っていない人にも月7万円を払う「最低保障年金」を、収めた保険料に見合う「所得比例年金」と組み合わせる民主党案は、消費税率を10%に上げた後に、最大で7.1%の更なる増税が必要と試算され、野党・マスコミから撤回せよと猛批判された。民主党の案は「高負担・高福祉」の思想に基づいた社会保障制度導入を目指したものであったが、野党・マスコミが貼り付ける「バラマキ」というレッテルを、民主党は剥すことができなかった。

 一方、自民党は現行の社会保障制度を「100年安心」と訴え続けてきたが、2007年参院選、2009年総選挙で自民党惨敗の原因の1つとなった。こちらも国民の信頼を完全に失ったものだ。現行制度は、実際には厳しい財政事情を考慮すれば現実的に運用可能な制度なのかもしれないが、国民にそれを改めて理解してもらうのは困難だ。

 要するに、民主党案も自民党案も専門的に見れば、評価すべき点もあるのだが、既に「政治的敗北」を喫したために、国民の信頼を得られないということだ。

 従って、将来のベターな社会保障制度は、民主党と自民党の中間のどこかで探さないといけないし、政治から離れたところでの検討が必要になる。国民会議の専門的な議論に制度構築を委ねるのは、決して「先送り」ではなく、現実に即した妥当な線なのである(第38回を参照のこと)。

 元々、小泉政権期から「年金は100年安心」と先頭を切って主張していた安倍総裁は、国民会議設置を「衆院選後」と主張していた。安倍総裁は、衆院選で勝利して、現行の社会保障制度に準じた方向性で国民会議の議論が進むことを狙っていたのだろう。だが、野田首相は安倍総裁が世論の反発を恐れていることを見透かし、解散を巡る駆け引きの主導権を握った。安倍総裁は、国民会議の人選を衆院選前に行うことを、呑まざるを得なくなった(第47回を参照のこと)。

 野田首相は解散を巡る駆け引きを通じて、民主・自民・公明を三党合意の原点に引き戻し、「税と社会保障の一体改革」が衆院選で三党間の争点となることを回避することに成功した。

「乾坤一擲」の解散決断は、
第三極の消費増税「最後の抵抗勢力」化を防いだ

 三党間で「社会保障と税の一体改革」の衆院選争点化が回避されると、改革実現の「最後の不確定要素」は「第三極」となる。だが、野田首相の乾坤一擲の早期解散決断は、第三極が政策的に一致して「大合流」する時間も奪った。

「第三極」の合従連衡の動きは混乱している。「太陽の党」(代表・石原慎太郎前東京都知事)は当初、「減税日本」(代表・河村たかし名古屋市長)との合流に動いた。しかし、消費増税に基本的に賛成の太陽の党と、反対の減税日本では政策志向の違いが大きかった。

 石原代表は「小異を捨てて大同につく」と訴えたが、翌日「日本維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)との交渉を始めると、減税日本との合流方針をあっさり撤回した。そして、太陽の党は日本維新の会との合流を決定したのである。日本維新の会は消費税の地方税化を提唱するが、増税そのものには反対ではなく、減税日本に対して合流の条件として「減税」という党名の変更を要求している。

 一方、日本維新の会と「みんなの党」(代表・渡辺喜美氏)との合流はなさそうだ。みんなの党は消費増税に反対であるだけではなく、環太平洋経済連携協定(TPP)参加や原発政策でも太陽の党と政策志向が合致しない。渡辺代表は動きようがなくなり、合流ではなく選挙協力を模索し始めた。結局、第三極が「消費増税反対」で一致して民主・自民・公明の三党合意を攻め立てる態勢を作るのは困難になった。

 野田首相は解散を巡る駆け引きによって、「政治生命」を賭けて取り組んだ「社会保障と税の一体改革」を衆院選で争点化しようとする勢力を、ほぼ無力化することに成功したといえる。

野田首相は将来の「もう一仕事」のために
「政界再編」を狙う

 前回、野田首相が、民主党からの離党者が増えることも気にしていないと書いた(第47回を参照のこと)。その後、野田首相は党内に多数の反対派が存在するTPPへの参加を衆院選の争点に掲げる意向を示した。党内は大荒れとなり、公然と「野田降ろし」を宣言する議員まで出てきた。しかし、首相は全く意に介さず解散を決断した。解散後、民主党からの離党者は10人を超え、衆院で過半数を割ったが、野田首相は強気な姿勢を崩そうとしていない。

 TPPに関しては、野田首相は民主党内だけでなく、すべての政党に政策的立場の明確化を求めているようだ。

 自民党は「聖域なき関税撤廃を前提とする限り、交渉参加には反対」という立場だ。だが、安倍総裁は野田首相のTPP争点化発言を受けて、「聖域なき関税撤廃を突破する交渉力は自民党にある」と自信を示し、次期衆院選で政権を取った場合、交渉に参加する可能性を示唆し始めた。自民党が政権に復帰した場合、TPPに賛成なのか、反対なのか。自民党が動揺し始めている。

 野田首相は、第三極に対しても「小異を捨てて大同につくという言葉を安易に使うが消費税、TPPを含めた経済、外交・安全保障はどうするのか。大事なものを捨ててくっつくのは野合だ」と批判を浴びせている。

 更に、野田首相が衆院比例代表定数の40削減について遅くとも次期通常国会で処理することを、安倍総裁に解散の条件として呑ませたことである。中小政党に有利な比例代表を削減することで、これまで「選挙制度改革」「普天間基地移設問題」「社会保障と税の一体改革」などで、単一争点を強硬に押し通す中小政党の態度に、民主党政権が振り回され続けたことに(第42回を参照のこと)、終止符を打つという野田首相の強い意思が感じられる。

 野田首相はまだ50代の若さである。野田内閣の「一内閣一仕事」は完結しても、首相個人は健康であるならば、あと20年程政治家を続けられる。当然、将来にもう一度、政治家として「一仕事」することを考えるはずだ。その時、今の民主党のような、政策志向がバラバラの政党で仕事をしたくないだろう。また、単一争点を振り回すポピュリズムに堕した中小政党とも付き合いたくないだろう。

 巧みな政治手腕で「ねじれ国会」「与党内の抵抗勢力」を乗り越え、国民に不人気な増税を実現させた野田首相だが、次に「一仕事」に取り組むときは、政策志向の一致する政治家と強固な体制を築いて、「決められる政治」を実行したいと考えるはずだ。

 だから、野田首相は衆院選で、すべての政治家に政策的立場を明らかにせよと要求するのだ。「小異を捨てて大同に付く」という詭弁では、結局政治は動かない。同じ政策志向を持つ政治家が集まって、強固な体制を作ってこそ「決められる政治」が実行できると野田首相は訴えている。首相がその先に見るものは、政策を軸とした「政界再編」であろう。
http://diamond.jp/articles/print/28237  

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コメント
 
01. 2012年11月21日 02:24:19 : alF6LEYAJQ
> 野田佳彦首相が、国会の党首討論で衆院解散の決断を明らかにする前代未聞の手を打った。

自民党と通じて財務官僚の振り付け通りに茶番を演じたという観点を欠いているところに違和感を覚える評論である。


02. 2012年11月21日 02:33:06 : nciwQnKVjk
野田NO体脂肪が崩壊しなければの話。
うそつきデブ
だけど、それまで議員でいられるのかね。

03. 2012年11月21日 02:34:43 : UAv0ws9fqw
野田首相が「その先」に見ているものは何か

三宅雪子に敗れ現職総理として初めて落選という恥をさらす己の姿である。


04. 2012年11月21日 02:41:53 : u1MYwE4uZw
なにいってんだ。ブタがゲリゾーと示し合わせて一芝居うったデキレースじゃねえか。
だいたい首相は独裁者なのか。前代未聞というよりユダ金に命令されてガケから突きされた哀れなブタだよ。
買いかぶるんじゃない。

05. 2012年11月21日 03:56:52 : CKyUt6RIkk
>>04
それは承知で書いてるから
情報操作以外に目的はないから

こういうやつらを如何に黙らせていくかが選挙戦の課題だ


06. 2012年11月21日 04:51:42 : n9YxCr1oPs
議員生命をかけた野良豚を
選挙でただの人に戻してやる
それが優しさというものだ
きっちり成仏(落選)させてやりなさい
国民を騙してまでもしたかったんだから
落選しても大満足のはずだ
国民多数は野良豚を見たくない
千葉4区のみなさん
ペテン師に罰をよろしくお願いします

07. 2012年11月21日 06:09:53 : jXaTmXcG3s
 この投稿は、えらく野田糞ブタを持ち上げている。
 野田がやったことは、国民に嘘を付きまくり、国民が反対した消費税増税を騙し討ちし、民主党を売国政党に塗り替えて党内を分裂させ、日本を完全にアメリカ化する「TPP参加」で、日本を存亡の危機に立たせ、尖閣諸島の国有化で日中間を紛争させ、戦争経済が国策であるアメリカに完全に従属する売国奴の姿を露呈した。
 さらに、東日本大震災後の瓦礫処理を全国の自治体に押し付けて、日本全土を放射能汚染させようとしている。
 嘘つき・売国奴の野田糞ブタは、日本人の敵である。内政・外交とも無知無能な男が、アメリカの命令に従って動いているだけ。コイツの出自は在日朝鮮人だとも云われているだけあって、日本からの日本国民排斥には何の呵責も感じていない。

08. 2012年11月21日 07:20:42 : 26RIRFBFXc
マニュフェスト違反の消費税増税法案を採決する前に国民の意見を問うのが常識。
野田は非常識。
今度の選挙は、消費税増税に対する賛否を問うのが筋であって、TPPを問うのは論点のすり替え。
野田は卑怯で詐欺師である。小泉と同じ。

09. 2012年11月21日 10:04:58 : bOLBmyzLcE
 MR、仕業屋、真相の道…。増えてきましたね、最近。

10. 2012年11月21日 22:47:23 : ZgeJ1y62X2
最近、テレビ・新聞はけっこう野田をほめているよ。

しかし、同調する向きは少なく逆にマスコミ自体の信用が堕ちつつある。


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