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2012/11/17 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
目に見えている総選挙後の荒涼たるこの国の風景、まるで大震災後の東北さながら
野田首相がきのう(16日)、衆議院を解散した。「(近いうちに信を問うとの)約束を果たすため」と語り、高揚していたが、その野田の表情はこわばり、逆に安倍・自民党総裁は満面笑みを浮かべていた。この違いが、今度の解散の異様さを物語っている。
「こんな解散は前代未聞だ。だって、向こうから政権を渡してくれるのだから」と言う自民党議員がいたが、その通りだ。今、解散すれば、民主党は万が一にも勝ち目はない。野田は首相の座から引きずり降ろされ、民主は壊滅的に惨敗する。それは各種世論調査でハッキリ出ていることなのになぜ今、解散するのか。
野田は先輩議員に「死中に活を求める」と言ったらしいが、こういう大仰な表現を使うこと自体、マトモとは思えない。すでに正常な判断力を失っているのではないか。
何年もかかって大きくし、ようやく3年前、政権交代を実現させた民主党。それをトップ自らが解体しようというのである。
「こうなったのは、野田首相を引きずり降ろす動きが民主党内で広がったからです。それを察知した野田首相は財務省の働きかけもあって、これは解散しかない、と覚悟を決めた。たとえ、大惨敗を喫しても松下政経塾出身を中心とした野田一派が生き残れれば、政権に復帰した自民党と新たな保守合同ができる。そうすれば、消費増税も実現できるし、自分も与党に居続けられる。そんな思惑が透けて見えます。で、党内で解散の了解を求めたところで潰されてしまうので、TV中継がある党首討論を利用、いきなり宣言したのです。自分のことしか考えていないわけで、信じられない首相です」(政治評論家・森田実氏)
国民も今度こそ、口八丁のペテン首相、野田の「正体」が分かったのではないか。
野田は「日本の舵取りを前に進めるのか、時計の針を戻すのか」とか何とか言っていたが、そんなキレイ事じゃない。世紀の自分勝手解散で、自分の生き残りのために自民に民主党を差し出すのである。
◆議員50人程度の小政党が乱立し、何も決まらず政権交代が頻発する
野田の錯乱解散の結果、この国の政治も経済も絶望だ。未曽有の混乱は避けられない。有権者を裏切った民主党なんて、「勝手に死ね」だが、トバッチリはアチコチに及ぶことになる。
「まずは政治がグチャグチャになりますよ。すでに政党の数は15もある。右から左までズラリです。選挙後はどこがどこと組むのかで、連立の枠組みが変わってくる。まずは自公が組み、野田民主が合流するのでしょうが、首相になる前から浮かれて、頬が緩んでいる安倍政権は長続きしませんよ。すぐに倒れれば、次は別の組み合わせになる。政党の 合従連衡、離合集散が繰り返され、何も決められない政治が続くと思います」(森田実氏=前出)
次の総選挙で「自民は200程度、公明は27。民主は63」とはじくのは政治評論家の野上忠興氏。
「だって、朝日の世論調査では自民の支持率が19%から16%に急落した。民主は1%増の13%で、自民の議席予測は下方修正せざるを得ません」
いきなりの選挙になり候補者を立てきれない「日本維新の会」は40台だろう。一方、国民の生活が第一、きづな、みどりの風、大地も合わせて70程度とみる。
そうなると、衆参合わせて30〜70くらいの政党がボコボコできることになる。これは異常なことだ。2大政党制どころか組み合わせ次第でクルクル政権が代わり、訳が分からない混乱政治が続くことになる。
野田は解散会見で「決められない政治が続いてきた。その悪弊を断ち切りたい」と大見えを切ったが、民主党をぶっ壊しておいて、「よく言うよ」だ。政治を無用に混乱させ、決められない政治を加速化させたのは野田本人だ。それなのに、口先でゴマカシ、自分を正当化しようとする。トチ狂っているとしか思えない。
◆国債が無限に発行され、役人天国が肥大化
政権交代が繰り返されるような事態になれば、喜ぶのは役人だ。身分が保障されているうえに、素人大臣相手に国会答弁のサポートで恩を売れば、今以上にやりたい放題ができるからだ。無駄を削らず、増税で増やした税金を自分たちの懐に還流させるデタラメがエスカレートしていくことになる。
ジャーナリストの若林亜紀氏が言う。
「いまでも国会は官僚が作った作文を国会議員が読む人形劇のようなものです。小政党によってクルクル連立政権が代わるようなことになれば、さらに官僚主導が強まるはずです。彼らは肉は切るが骨は切らせない。給与カットなどに応じ、公務員改革をしたようなフリをして、自分たちが使える予算や雇用、天下り先は絶対に減らさず、スキがあれば、拡大しようと狙っている。被災地の復興予算が全然別のところに使われていたのがいい例です。消費増税によって、予算枠が増えたので、なおさら、こういう動きに拍車がかかると思います」
こういうシロアリ役人を一掃しなければ、財政再建なんてできっこない。穴の開いたバケツのようなものだ。国債乱発に歯止めがかからず、それを理由に再び消費増税ということになる。庶民はヘタリ、内需は冷え込み、ますます、景気回復が遠のくことになる。それを承知で野田は狂乱解散に踏み切った。そこが許しがたいところだ。
◆暴力団が地方政治を支配しマフィア化する
政治が混乱すれば、他にも喜ぶやからがいる。
役人が公共事業をばらまき、せっせと道路や橋を造れば、用地買収、砂利利権などの調整が必要になってくる。地元の顔役の登場だ。
「国民の生活が第一」の小沢一郎代表の言うように政治主導を実現し、統治機構を抜本改革し、真の地域主権、自立を実現させなければ、政権与党のゴキブリ議員が予算を仕切り、シロアリ官僚が跋(ばつ)扈(こ)し、ゼネコンや利権屋だけが潤うことになる。
安倍自民党なんて、防災減災名目で200兆円もの予算を分捕ろうとしているのだから、絶対に監視が必要だ。公共事業に詳しいジャーナリストの横田一氏が言う。
「建設業者や漁業関係者は末端で暴力団とかぶってくる。海を守らなければいけない漁業関係者が開発に反対し、迷惑料を取って、暴力団に流したりする。砂利も同じようなところがありますね」
ジャーナリストの溝口敦氏によると「暴力団も親しい政党がある」という。政治が混乱すれば、彼らにも付け入る隙を与える。戦後の混乱期の日本やマフィアがはびこった米国のような話になる。
◆この国はイタリア並みの没落をするだろう
こうして見ていくと、今度の選挙結果はロクなことにならない。民自公のイカサマ談合連立か少数政党の群雄割拠。少なくとも数年間は政治が落ち着かないことは間違いないからだ。
となると、日本もイタリアのようになるのではないか。戦後、少数政党が乱立し、くるくる政権が代わった結果、債務危機に陥り、ユーロ圏最大の借金国になったイタリアである。
昨年、ベルルスコーニ政権が倒れ、ナポリターノ大統領は経済学者のモンティを首相に指名、慌てて財政緊縮策を始めたが、失業率は10%を超え、つい先日、ローマでは「反モンティ」の10万人デモが行われた。
イタリアの衰退にはさまざまな理由が絡むのだが、政治の不安定も大きな要素だ。そこが日本とかぶってくる。
「世界の潮流は民主主義の枠内で、政権にある程度の権力を集中させて、経済、外交政策を任せる傾向にあります。その方が効率的だからですが、その一方で、イタリアや日本のように少数政党乱立の国もある。さまざまな価値観が出てきたことで、人々のイデオロギーをひとつの政党がまとめるのが難しくなってきたからだと思いますが、少数政党の連立政権は政策合意ではなく、派閥連合のような野合に陥りやすいのです。そうなると、連立政権の負の側面ばかりが出てしまう。イタリアのように学者政権になれば、政党政治が終焉することになります」(国際政治学者・安井裕司氏)
経済破綻の揚げ句、政党政治が終わってしまっては真っ暗闇だが、日本は着実にその道を歩みつつある。
民主党だけでなく、議会制民主主義までぶっ壊す野田の罪はあまりに重く、そんな極悪人が選挙で「責任ある政治」とかわめくのかと思うと、怒りがこみ上げてくるのである。
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