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◎ニッカンスポーツ　１５日（木）付け　２１面（社会面）より

【政界地獄耳○スペシャル●】（敬称略）

『野田派だけ生き残る気』

「やりましょう」と投手討論で解散を宣言する首相・野田佳彦の顔を見ていると
自民党総裁・安倍晋三と示し合わせていたと感じられた。１６日解散となればまさに
公明党代表・山口那津男が示した日程とそのもの。この解散は、民主、自民、公明の３党の談合解散といえる。
幹事長・輿石東は首相の解散発言にも「首相が撤回することはないだろう。首相の専権事項
だから首相に委ねるしかない。首相が判断したのだから、それでいいではないか」と淡々と
記者に答えたところを見ると事前に聞かされていたのだろう。ある自民党議員は
「１４日の党首討論に注目せよ、というシグナルも聞こえてきていた」という。輿石が党首会談
ではなく、党首討論で安倍との会談をオープンに行うべきだという意味を党首討論を解散宣言
の演出にするという意味もあったようだ。
ある民主党議員が「輿石は外遊についても先週金曜日には「大丈夫だ。国体に言ってくれ」
と言っていたが、昨日は『１日、２日待ってくれ』と言われた。すべては党首討論を
見てからということだった』と語る。輿石の説得が実らない可能性もありうるということを
示唆する発言だった。それだけ野田首相は財務省のシナリオ通りに演じていたと言え、
その際、民主党すら捨てて３党合意を優先するという選択までしたのだ。
民主党中堅議員が言う。「党内がどうなろうと、野田にとっては財務省との消費税増税
という約束と民自公の３党密がすべてと言うことだろう。消費税を強引に進めた段階で
党を捨てていたのは間違いない。ただ、この解決は安倍の挑発に対して引きずられただけで、
国民に対して解散の大義がない。何のために何を問う解散なのか。まったくわからない。
雪崩を打つように離党者が出るのではないか。民主党は瓦解（がかい）していくだろう」と突き放した。
別の議員は言う。「このシナリオは内閣改造の段階で描かれていたのかも知れない。
自分に近い人の選挙対策の意味合いが強い人事だ。例えば首相補佐官の三谷光男、北神圭朗、
大串博志は選挙が弱いけど、野田がかわいがり政界に残しておきたい人材だ。彼らは補佐官の
肩書きと選挙活動の時間が与えられた。花斉会も軒並み副大臣だ。野田は次の選挙で自分の
考えに近い人だけ残して、ある程度の勢力を保とうとしている。結局負けを覚悟し、民主党の
目標は野党第１党死守だろう。その時の主流派を維持して自民党とうまくやっていき、
あわよくば与党を構成していたいという断末魔の判断だったのだろう」。いずれにせよ、
国民をばかにした話しだ。

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◎ニッカンスポーツ　１６日（金）付け　１８面（社会面）より

【政界地獄耳】（敬称略）

『野田のスパイ工作が成功』

１５日、野党に内閣不信任案提出の動きがあったものの実行されず、首相。野田佳彦と
自民党総裁・安倍晋三の思惑通りに事は進んでいる。しかし国会は今までの審議は何だったのか
と言いたくなるほど自民党は全ての法案に全面協力の様相。国会審議自体が随分と軽いものになった。
つまり、解散ありきのこの談合的あうんの呼吸は国民不在の解散であることを裏付ける。
★党内の野田への怒りは相当なものだ。選挙後は自民・公明との連立志向を野田は強めるだろう
だが、権力の基盤だった人事権、解散権を使い尽くした後の野田に求心力などなく、
党内の怒りの矛先は副総理・岡田克也、国家戦略相・前原誠司、党政調会長・細野剛志らの、
野田の意思を引き継いでいく党主流派に向くだろう。というよりも選挙で生き残った者たちだけで
権力だけは守ろうとする構図が透けて見える。
「日本維新の会の牙城である関西地方、特に大阪の選挙区の民主党は壊滅するだろう。
野田は官房長官・藤村修を比例の１位にするなど延命策を側近に講じるだろうが、それはかつて
の独裁者の末路にさえ似ている」（民主党閣僚経験者）。民主党は選挙で壊滅、下野せず
３党連立を表明してまた離党者を増やし、瓦解（がかい）していくはずだ。
「大義なき解散の先には、野田の壮大な政治改悪プランがあった。民主党の内部に潜み
最終的には２大政党どころか自民党に民主党を吸収させていく工作員だった自民党野田派の領袖（りょうしゅう）、
野田のスパイ工作が成功したと考えればわかりやすい」（民主党ベテラン議員）。
党首討論では自ら「正直にバカがつく」と話した野田だが、愚直に財務省プランを履行した
工作員の作戦はさしずめ大成功だ。

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