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11月17日(土) 「大異」を残して「小同」についた石原・橋下新党
石原慎太郎さんが「立ち上がれ日本」を乗っ取って結成した「太陽の党」は、「日本維新の会」に合流することになりました。今度は「日本維新の会」が乗っ取られて、後から入った石原さんが代表になり、元々の代表だった橋下さんは代表代行に格下げされるそうです。
可哀想なのは、「太陽の党」との「婚約破棄」を突然申し渡された「減税日本」代表の河村たかし名古屋市長です。東京と大阪の間に挟まって沈没させられたような形になってしまいました。
「これはですね。小異を残して大同についたということですよ」と、石原さんは説明していました。これは詭弁です。
原発やTPP、消費増税をめぐる政策的な違いは「ささいなこと」ではなく、大きな違いです。この「大異」をそのままにして、総選挙での当選という当面の利益のために慌てて一緒になったわけですから、「小同」についたと言うべきでしょう。
石原さんたち「太陽の党」と合体した新しい「日本維新の会」は、選挙目当てに急ごしらえした掘っ立て小屋のようなものです。選挙に間に合いさえすれば、中味はどうでも良かったということなのでしょう。
政治家にとって信念というものがこれほど軽く扱われたことが、かつてあったでしょうか。その信念が、これほど簡単に投げ捨てられるということがあって良いのでしょうか。
原発維持と脱原発とは正反対ではありませんか。TPPに参加するのかしないのかということも、全く逆の政策でしょう。
それが、わずか数日の協議と折衝がなされただけで、「賛成は反対」に変わり「反対は賛成」となってしまいました。「そんな、馬鹿な!!」と言いたくなります。
新党「太陽の党」は、わずか数日で姿を消しました。平沼さんはじめ「立ち上がれ日本」に属していた人々は、それで良いのでしょうか。
これでは、石原さんの我が儘に振り回されているだけではありませんか。政治家としての信念、矜持や誇りはどうなったのですか、平沼さん。
暴走老人が自分勝手に突っ走るために利用されただけではありませんか。政治家として、それで恥ずかしくないのですか。
民主党はマニフェストを反故にし、石原さんの「太陽の党」は基本政策を投げ捨てて選挙互助会の中に逃げ込んでしまいました。こんなことが繰り返されれば、有権者としても何を信じたら良いのか分からなくなってしまいます。
これで、民主党を批判できるのでしょうか。「国民との約束」はどうしたのかと、昨日までの「国民との約束」を投げ捨てた政治家や政党が問えるのでしょうか。
つい先日まで「立ち上がれ日本」という政党に属していた平沼さんたち5人は、日本維新の会に入るためにそれまでの主張を投げ捨ててしまいました。これは、それまで「立ち上がれ日本」を支持していた人々を裏切り、有権者を愚弄する犯罪的な行為ではありませんか。
絵に描いたような「野合」だと言うべきでしょう。選挙目当ての集散が、これほど醜い形で展開されたことに呆れてしまいます。
基本政策の相違という「大異」を捨てて当選のための互助会作りという「小同」につくことが政治家としての本分を全うすることになるのかどうか。日本維新の会に合流した人々には、自らの胸に手を当ててじっくりと考えていただきたいものです。
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