http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/839.html
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まず、解散総選挙を言明した総理大臣が、衆議院解散中であろう国際会議で国家の重要問題について立場を表明するのは異常な政治行動である。
さらに、主要メディアなら阿修羅に劣らぬデータベースを構築しているはずである。
そうであれば、野田首相が、昨年11月13日(現地時間)に、ホノルルAPECでオバマ大統領に「TPPへの交渉参加」を表明し、そのために事前協議を行って欲しいと申し入れた事実くらい知っているはずだ。
交渉参加を表明し各国との事前協議も進めてきた日本が、TPP交渉に参加できていないのは、ひとえに、米国政府が事前協議でOKを出していないからである。(豪州とNZも未了解だがキーは米国)
外務省や民主党TPP反対派の山田正彦代議士Gなども、野田首相が表明したのは“事前協議”への参加であって、TPPへの参加表明でも、TPP交渉への参加表明でもないといった頓珍漢な説明している。
しかし、そんな子供だましのゴマカシは、国内向けには少しだけ通用しても、国際的にはまったく通用しない。
(米国などのように日本政府の“立場”を考慮して、それでスムーズにことが運ぶというのなら黙認という場合もある)
外国メディアは、昨年11月の野田首相発言を次のように報じている。
「TOKYO (Reuters) ロイター:
“Prime Minister Yoshihiko Noda on Friday declared Japan's readiness to join talks on a U.S.-led free trade pact that could radically transform the nation's economy and challenge its political status quo.”」
ざっと日本語に訳せば、「金曜日、野田首相は、米国が主導する自由貿易協定の協議に参加する意思があると表明した。この自由貿易協定は、日本経済の有り様を根底から変え、政治体制の変革を迫るものにもなるだろう」というものになる。
英文はともかく、並の知識と理解力がある人であれば、日本政府が“事前協議”への参加を表明したと受け止めるようなことはしない。
TPPへの参加を表明したわけではないことは確かだが、交渉への参加を表明したと言うことは、TPPの理念や趣旨など大まかな枠組みに賛同し参加したいという意思を世界に向け発信したと解釈されて当然である。
むろん、昨年11月の野田首相のAPECでの表明が、「TPPへの参加」表明ではないことは確かである。
それは既交渉参加国も同じで、それぞれの利害得失をぶつけ合う交渉を通じてTPPの実態(ルール)がまとまらなければ、最終的な参加判断はできないからである。交渉が自国の損失を大きくする流れになれば、交渉の途中で参加を断念する国は出てくる。それとて、関税撤廃はイヤだから、TPP協定に国内法が縛られるのは許せないからといったレベルの離脱であれば、国際的非難を浴びることは避けがたいのである。
「交渉参加表明」を概略的に説明すれば、
「TPPの基本的な理念や仕組みに賛同し参加したい意思がある」→「よりよきものにするため交渉に参加したい」→「既参加国から交渉参加の了承を得るため事前協議をして欲しい」
というものであり、“事前協議”だけを抜き出して、それに参加したいという表明だったというような説明は、国際的には物笑いのネタになるだけだ。
それはともかく、今ここに至って、米国大統領にわざわざ二度目の「交渉参加」を表明するのかという疑問は残る。
既参加国によるTPP交渉も大詰めを迎えつつある。
米国が設定している90日間ルール(連邦政府が連邦議会に諮って同意を得るまでの猶予期間)を考えると、米国など3ヶ国が12月にOKを出しても、日本が実際に交渉に参加できるのは、3月ないし4月以降の交渉からということになる。
いくら国内に“TPP交渉情報”が流れないほうがやりやすいとは言っても、他の国々が決めた協定内容に調印するだけというワケにはいかないはずだ。1回か2回は実質的な協議に参加したかたちを見せなければ、政府・与党は、国益を裏切る売国奴の謗りを免れない。それでは、国会での批准もあやしくなる。
そのような認識から、そろそろ米国も交渉参加にOKを出し、春には日本が交渉に参加できるようにする段取りなのだろう。
引用する記事の冒頭に「交渉参加に向けた日米間の事前協議の詰めを急ぎ」とあるが、自動車アクセス・ゆうちょやかんぽなどが問題になっていると言われているだけで実質的には棚晒しになったままだった米国との事前協議を決着させるというのが、記事の本旨であろう。この決着でも、日本が米国にどのような“譲歩”をするかが問題になる。
最近浮上してきた野田首相の「TPP交渉参加」の公約化言動は、ほとんど協議に参加しなかったTPPの協定文書に調印する腹づもりを表明したものと見ることができる。
TPP慎重派(聖域なし関税ゼロ反対派)とされる安倍自民党総裁も、野田首相とシンクロするように、TPP交渉への参加を認める方向を打ち出している。
安倍氏は、「大事なことは“すべての関税ゼロ”を突破していく交渉力だ」と強調したそうだが、交渉はすでに大詰め段階に達しており、関税問題は二国間交渉でやるとしても、いちばん最後に遅れてやってきた国として、時間と相手国の都合に合わせて引きずり回される可能性もある。
豪州とのあいだでは米の関税は残せるが、米国とのあいだでは残せないとか、米国とのあいだでは乳製品で関税は残せるが、豪州やNZとのあいだでは残せないといったことが考えられる。
包括的な関税交渉であれば、米と言った日本がどうしてもという品目について、5年から10年のあいだで関税撤廃猶予が認められる可能性はあるだろう。
バブル崩壊から22年、デフレ不況でも15年続いているがあっという間である。先住民や零細農民(大恐慌期)の土地を奪って構築された大規模経営の農業と、放射能汚染問題でも苦しんでいる日本の農家を素手で競争させるというのは、国土保全・食糧供給維持の面からも許し難い暴挙である。
外見上米国などから排除されてろくに交渉さえできないまま合意に達しようとしているTPPに参加することを考えるような政治家をとうてい保守派や愛国者と考えることはできない。
まともな保守派政治家であれば、交渉が何度も積み重ねられ合意に近づく一方で、日本はその交渉テーブルから排除され続けたようなTPPには焦って参加しないと判断するはずである。
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TPP交渉参加、日米首脳会談で伝達へ…首相
首相は、交渉参加に向けた日米間の事前協議の詰めを急ぎ、12月にも交渉参加を正式に表明したい考えだ。12月4日公示、16日投開票の衆院選で争点とし、TPP参加に慎重な自民党を揺さぶる狙いもある。
首相は、18〜20日にカンボジアで開かれる東アジア首脳会議(EAS)などに出席する。オバマ大統領も参加するため、日米両政府はこの機会に首脳会談を行う方向で調整している
首相は、TPP参加により貿易の拡大を図り、経済再生につなげたいとしている。TPP交渉では、参加が遅れるほど不利な交渉を強いられる恐れがあるため、首相は交渉参加を急ぐ必要があると判断した。
(2012年11月15日14時38分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121115-OYT1T00725.htm?from=main3
※ 昨年11月の野田首相の「TPP交渉参加表明」関連記事
日米首脳会談のTPPめぐる発言で食い違い、米政府声明を日本が否定
ロイター 11月14日(月)9時23分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111114-00000457-reu-bus_all
[ホノルル 13日 ロイター] 日本政府は、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合で米国ハワイを訪れている野田佳彦首相がオバマ米大統領との会談で、日本が環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に向けた協議に入る上ですべての物品およびサービスを貿易自由化の交渉対象に含める方針を明らかにしたとするホワイトハウスの12日付声明を否定した。
一方、ホワイトハウス側は日本側の否定にかかわらず、この声明を維持している。
日本政府は「野田首相が首脳会談でこのような発言をしたということは事実ではない。われわれは米国側に対し、問題の声明は事実でないと指摘し、説明を求めた」とする声明を発表。
「日本側が過去に発表あるいは示した基本方針と説明に基づく米国側の解釈であり、そのような発言は(今回の首脳会談で)なかったことを確認した」としている。
双方の意見の食い違いについて、マイケル・フローマン米大統領副補佐官(国際経済担当)は「両国がTPPの包括性、二国間で解消する必要のあるさまざまな問題、それに向けた第一歩である協議プロセスについて話し合ったとする、われわれの先の声明を支持する」と語った。
野田首相は11日に東京でTPP交渉参加に向けた協議入りを表明した際、「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村」を守る決意を示していた。
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野田首相、TPP“猿芝居”!すでに米大統領に伝える内容決定済み
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20111111/plt1111111130003-n1.htm
2011.11.11 夕刊フジ
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加をめぐる攻防で、野田佳彦首相が狡猾さをあらわにした。民主党慎重派の反対圧力を受け、「1日ゆっくり考えたい」と記者会見を11日夜に延期したのだが、何と、今週初めには日米首脳会談(13日)でオバマ大統領に伝える発言内容を決めているという。慎重派に配慮した単なるガス抜きであり、11日の集中審議を乗り切る政治的芝居ともいえそうだ。
「みなさんが国のことを思い、議論したことをしっかり自分自身で受け止めたい。まだ方向を決めたわけではない…」
野田首相は10日の政府・民主3役会議でこう語り、同日夕に予定していた記者会見を延期した。「首相迷う」「危険な賭け」「ブレなら致命傷」などと報じたメディアもあるが、首相周辺は舞台裏を語る。
「計算ずくだ。まず、離党までチラつかせた民主党内慎重派に配慮した。党のプロジェクトチームが『慎重判断を』と提言した翌日の参加表明は火に油を注ぐ。冷却期間を置いた。次に、11日の衆参両院でのTPP集中審議対策。約7時間、『各党の意見を聞いて判断した』という姿勢を示す。輿石東幹事長のアドバイスもあった」
そして、首相周辺は「交渉参加の意向に変わりはない」といい、こんな事実を明かした。
「今週初めに、オバマ大統領との日米首脳会談で、どういう言葉でTPP交渉参加を伝えるか、日本語と英語の発言内容を決めている」
つまり、「まだ方向を決めたわけではない…」という首相発言は方便というわけだ。
一方の民主党慎重派はどうか。山田正彦元農水相は10日夜、「まだまだ、これからだ」と記者団に語り、徹底抗戦の構えを崩していないが、全員が同じ意見ではない。
夕刊フジは10日紙面で「TPP茶番全真相」という、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏の緊急リポートを掲載した。これが慎重派の目に留まり、「本気でやっている人間もいるんだぞ!」と激怒する議員もいた。だが、番記者らが「では、離党するのですね?」と聞き返すと、沈黙してしまったという。
ともかく、野田首相は11日の集中審議後、同日夕に政府・民主3役会議と閣僚委員会を開き、同日夜に記者会見。経済連携と農業再生の両立に全力を挙げる考えを示す。
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