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経済連携、「政治空白」の禍根    「考えること」を教えない大学に明日はない 真紀子大臣批判に出てない視点
http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/816.html
投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 15 日 07:21:45: cT5Wxjlo3Xe3.
 

経済連携、「政治空白」の禍根

2012年11月15日(木)  安藤 毅

日本の経済連携外交が足踏み状態に陥っている。TPPをはじめ、交渉全般の推進力減退は歴然だ。「政治空白」が続けば、日本の競争力低下に拍車がかかる。

 「TPP(環太平洋経済連携協定)と日中韓FTA(自由貿易協定)、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)を同時並行的に推進します。日豪EPA(経済連携協定)などの交渉を推進し、日欧州連合(EU)の早期交渉開始を目指します」

 10月29日の所信表明演説。野田佳彦首相は一連の経済連携外交に注力すると宣言した。


 野田首相が力むのは右表のように経済連携の枠組みを広げる節目が目白押しのため。だが、こうした野田首相の言葉と裏腹に、交渉全般の停滞は鮮明になっている。

 まずはTPPだ。日本がTPP交渉参加に向け関係国と事前協議に入ると宣言して1年がたつのに、政府は正式な交渉参加表明すらできていない。農業界などの反対を背景に、民主党内で根強い慎重論に配慮してきたためだ。

 「野田さんはTPPに強い意欲を示している」。野田首相に近い議員はこう指摘し、年内にも野田首相が参加表明するとの見方を示す。だが、民主党のある慎重派議員は「強行すれば民主党から離党者が相次ぎ、内閣は総辞職に追い込まれる。交渉参加も振り出しに戻るだけ。体力が弱った今の政権に参加表明などできっこない」と断言する。

 参加表明したとしても、その後の交渉がスムーズに運ぶ保証はない。外務省幹部は「日本の政権交代が確実視される中、米国など各国が現政権と交渉を推進していく機運は減退している。実質的な交渉は新政権発足までずれ込むはず」と漏らす。国内政治基盤の揺らぎが外交の推進力をそぐ。その典型のような状況に陥っているわけだ。

「TPP以外を推進」の限界

 TPP慎重派の多くが主張する「TPP以外の経済連携の推進」についても視界は不良だ。

 中国、韓国とは11月18〜20日に予定する東アジア首脳会議の期間中に、FTAの交渉開始で合意する方向で作業を進めてきた。だが、尖閣諸島や竹島など領土を巡る摩擦の激化から、日中韓の首脳会議を開くメドは立っておらず、このタイミングで合意に達するかどうか不透明になっている。一方で中韓2カ国間のFTA交渉は進んでいる。中韓FTAの発効が先行すれば、大市場の中国国内で関税などで日本企業が不利な状態に置かれるのは確実だ。

 EUとのEPA交渉も不透明だ。日本は年内の交渉開始を目指すが、フランスやイタリアなど自動車産業を抱える国が慎重な姿勢を崩していない。交渉開始が遅れるほど、EUとFTAを発効済みの韓国との差は開く一方だ。

 中韓やEUとの交渉が見通せない理由を領土問題や各国の事情に帰しがちだが、それだけではない。みずほ総合研究所の菅原淳一・上席主任研究員は「日本のTPP交渉参加表明が遅れ、アジア太平洋地域での経済連携の動きが鈍ったことで、中国やEUが日本と交渉する切迫感が薄れた」と指摘する。

 TPP交渉をテコにほかの交渉を加速する。そんな日本政府の当初の思惑は崩れ去っている。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓、オーストラリア、ニュージーランド、インドによるFTAのRCEPについては、今月中旬の関係会合で交渉入りで合意する見通し。カナダとのEPA交渉も始まる予定で、経済連携の間口は広がるかのように見える。

 だが、既に6年目に突入した豪との交渉が象徴するように、交渉進展のカギは農業問題に行き着く。既得権保護を優先し、国内農業改革が加速しない現状では、一連の交渉の多くが「着手すれども妥結せず」の状況に陥る公算が大きい。内向きの政争優先で続く事実上の政治空白。貿易立国の看板が色あせてきた。


安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員。


時事深層

“ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20121113/239380/?ST=print


「考えること」を教えない大学に明日はない

真紀子大臣批判に出てない視点

2012年11月15日(木)  関橋 英作

 前回は高校、それも専門高校のこれからの可能性について書きましたが、今回は大学について、大学ならではの役割について考えてみたいと思います。

 物議を醸した田中真紀子文科大臣の発言。それが、大学問題を考えるきっかけをつくり、日本の再生にとって「教育」は非常に重要だったことが鮮明になりました。

 今頃になって取りざたされるのも変な話です。国の抱えている問題が多すぎるのか、プライオリティがぶれまくっているのか。誰かが失態を起こして初めて問題視する。こういう場当たり的な問題解決はそろそろしまいにした方がいいと思うのですが。

足りないモノを補うための「考える力」

 低迷する経済の立て直しが急務と言って増税に走る。でもそれは、1つの施策にすぎません。それでも解決されなければ、またもう1つの施策に向かわなければならなくなる。目の前の問題は喫緊でしょうが、俯瞰した全体像を捉える事があまりにもおろそかにされている気がしてなりません。

 政治家や経済界からいつも出てくる言葉は、日本は資源がない国。だから、原発やTPPに頼らざるを得ないと。その問題は今回のテーマではありませんので触れませんが、日本には、山と海と人の知恵という“どでかい”財産があります。人口の問題はあるでしょうが、資源が豊富ではないことはいまに始まったことではありません。

 そのハンデを乗り越えてきたのが、日本人の祖先。モノを大事にし、違うものに転用したり、いろんなものを組み合わせたり、外から入ってきたものを上手にアダプトしてきました。それが、日本人独特の暮らし方を生み、工夫と美しさに富んだ文化を創造したのです。

 つまり、日本人は足りないものを補うための「考える力」を神様から与えられている民族と思った方がいい。それがいつの間にか、真似はうまいけど、オリジナリティがない、クリエイティブは苦手、という考えることにネガティブな風潮が当たり前になってしまいました。何ともったいないことか。

 私は、いくつかの大学で教えてきましたが、「考える」ことに対して苦手な学生の何と多いことか、と驚くことが度々。一流と言われる大学でもあまり変わりはありませんでした。正しい答えを選ぶことだけに考えが向いている感じです。

 その頃からですね、考える力を鍛えることに注力を注いだ教え方をするようになったのは。妙に熱いおっさん先生になっているかもしれませんね。

小山薫堂さんが学科長の東北芸術工科大

 そんな時に出会ったのが、東北芸術工科大。「考える」ということの大事さを中心に据えている大学です。山形の山麓にあり、まさに自由で開放的な場です。

 芸術・デザイン・文化全般を網羅する美術系大学でも希有な特徴を持っていますが、その中に企画構想学科という日本でも、いや世界でもここしかないだろうと思われる学科がありました。

 今年で4年目の新しい学科ですが、放送作家で脚本家でもある小山薫堂さんが学科長。私はこの春からの着任ですが、「考えること」を楽しんでいる学生の姿を見て、久しぶりに感動しました。これが、もともと人間がもっているクリエイティブな姿だと。

 ご承知のように、人間という動物だけがこれほど繁栄した理由は、クリエイティブな能力を持ったからであることは、脳科学者や人類学者たちの研究によって明らかになっています。

 それは、アナロジーという力。モノを違うものに喩えたり、類推したりするもので、月は母に似ているとか、この落ちている枝を持っていると身を守れるかも知れないなど。ここから、意味や価値の転用が始まったのです。

アイディアとは、既に知っているモノ同士の新しい組み合わせ

 近頃は、企業間やブランド間のコラボが盛んですが、これも違うモノ同士だけれど組み合わせたら新しい価値が生まれるという考え方。アメリカ広告業界の伝説のアドマン、ジェームズ・ウエブ・ヤングの「アイディアとは何か」を聞いたことがあると思います。アイディアとは、”New combination of old elements”、既に知っているモノ同士の新しい組み合わせから生まれるというもの。これなら誰にでもできる。常識を捨てて新しい視点を持つだけでいいのですから。

 誰も知らないことを発見したり、見たこともないものをつくったりすることはすべての人の夢ですが、それは天才にまかせておきましょう。

「考える」能力をどう使う

 つまり、誰でもが持っている「考える」という能力をどう使うことができるかがポイントになってきます。

 そんなこと言われなくても、毎日考えて仕事をしている、とお答えになる方も多いでしょう。考えない仕事は存在するわけがありませんから。

 ただ、「考える」という言葉は非常に曖昧で広義。「考える」の類語を調べただけでも、ものすごい数になりますから。企画する、着想する、慮る、省みる、たくらむ、思索する、画策する、推量する、決め込む、などなど書ききれません。

 しかし、現在の「考える」を考えると、正しい答えを出すというルートに偏っている。学校の勉強からして、答え探しが主流。1つの答えを求めることが勉強としてまかり通っています。

 受験勉強の悪い面がでているようですが、本来の教育は、人間をつくることと、どんなときも生き抜ける創意工夫の態度を身につけること。そうでなければ、社会の激しい人間関係や、直面する難問の数々に対応することはできません。

同じような大学がたくさんあるのが問題

 果たして、大学ではそういう教育が行われているのでしょうか。もちろん、大学教育にはいろんな側面があります。研究者としてのアカデミックな学問を学ぶ、総合的な知識を身につける、企業で即戦力になる専門性を習得する、豊かな社会人としての人間性を磨くなど。大学には、いろんな人間を育てるという役割が存在します。ですから、多種多様な大学があれば問題はありません。しかし、同じような大学だけがたくさんあるのはどうでしょう。

 これが、大学が多すぎるという問題の根本です。私大の約45%が定員割れしているという現象は、少子化による入学者数の減少も要因ですが、似たような大学が多すぎるということによる結果なのではないでしょうか。

 それに加えて、首都圏、関西圏に大学が集中していることも。経済的な面と地域を愛することから地元の大学に行きたいという学生も多くなってきています。地域と地元大学の産学も以前に比べて非常に増えています。それが、地域の経済活性化につながっていることは否定できません。

 今回の3大学はすべて地方で、個性のある大学。中央しかスポットが当たらない中で、取り上げられたことは不幸中の幸いでしょうか。

東京にない「価値」

 前述した東北芸術工科大が、大学の役割を存分に果たすことができるのも、山形という場が大きな意味を持つことは疑いの余地がありません。もし東京にあったら、と考えるとどうでしょうか。

 小山薫堂さんの企画構想学科も、山形の自由な場だからこそできるのではないか、と思いました。すべての既成から解き放たれて考える。人間らしい野生の思考に戻る試みでしょう。

 この学科では、1年生のときからリアルな企画課題に取り組みます。実際のクライアントのオリエンを受け、それをチームで、個人で考え企画する。それを発表、プレゼン、評価のコメント。うまく事が進めば、実際にその企画が実現するのです。

 まさに考えることを学び、実践して試す。これを繰り返しているうちに、アイディア体質に変わっていくのです。

 教授陣も、現場で企画関係の仕事をしている方が多い。講義も、実際の企画するに当たって必要なことを教える。発想法、企画書の書き方、言葉の選び方、問題解決の方法、マーケットの見方、地域コミュニティなどなど。

 そして、時間があれば学生は演習室でチームとブレスト。アイディアにつまれば、裏山に行ってリフレッシュ。本当に、みんな考えることが楽しそうです。

 このような授業を行っていますから、たくさんの産学を行っています。企業、行政、商店街、小さな商店など。それが、東北という地域の活性化に貢献しているのは間違いありません。


 しかも、企画・デザイン・文化という目に見える形での貢献。企画やデザインは、見ているだけで幸せな気分にしてくれるもの。芸術系の大学が地域にあることの大きな意義だと思います。芸術家を育てるのではなく、考えて実施する人を育てるのですから。

「考える」ことが苦手な企業人とは?

 つい先日、11月11日には、「月山青春音楽祭」というライブイベントを、東北芸術工科大企画構想学科の3年生が、企画・協賛金集め・運営実施まで全部学生の力で行いました。山形月山麓にある廃校にアーティストを呼んでのイベント。最後は花火が打ち上がり、感動の嵐だったようです。


 私もよくセミナーや研修で企業人と「考える」をすることが多いのですが、クリエイティブは苦手でという人が多数を占める。「指針のない考え」をすることがとても苦痛のように見えてしまいます。

 つまり、正しい答え探しが、考えることだと無意識に思っているのでしょう。本当は、考えることは自由な行為。楽しい妄想と言ってもいいでしょう。小山薫堂さんは、企画は人を幸せにするためのもの、と言っています。まさにその通りだと思いました。

 しかし、「考える」ことは自由な行為だからこそ大変な側面も。ロジカルシンキングのようにツールも定理もありません。あるのは、大量に考える、もっともっと拡散しながら考える。つまり、脳に負荷をかけることなのです。

 それが多ければ多いほど、神様はひらめきをくれる。一生懸命考える人には、セレンディピティが訪れるのです。経験がおありでしょう。

マーケティング部より「考える部」を設置した方がいい

 最後に、考える人が増えることによって生まれる最高のことがあります。それは、素晴らしい商品やユニークなアート作品の企画意図が明快になること。いいものさえつくれば売れるという呪縛から離れられない日本は、その良さが理解されず世界のマーケットで苦戦を強いられています。

 そこで欠落しているのが、考えの中心にあるコアのコンセプトが見えないこと。だから伝わらない。考えることの中心は、実はここにあるのです。つくる人が何をしたいか、誰に喜んで欲しいか。それが端的に、魅力的にコミュニケーションできれば、商品はもっと輝いて見える。

 クリエイティブの力は、コミュニケーションの強さをも創造するのです。考える人は、自分でデザインできなくてもいい。人を幸せにする企画を考えることで、一流のアーティストとも対等に仕事ができる。そういう人をもっともっとつくること。それが大学の役割でしょう。

 企業のみなさん、マーケティング部も大事ですが、考える部という部署をつくってみてはいかがでしょう。それを実感するために、覗いてみませんか、東北芸術工科大。

 考えることは、明日の幸せは生むためですから。


関橋 英作(せきはし・えいさく)

マーケティング・コミュニケーション・ユニットMUSB
青森県生まれ。
外資系広告代理店JWTでコピーライターから副社長までを歴任。ハーゲンダッツ、キットカット、デビアス・ダイヤモンド、NOVA英会話学校など、数多くのブランドを担当。その多くを、トップブランドに導き、ギャラクシー賞グランプリをはじめ、NYADC賞、ACC賞など数多く受賞した。特にキットカットにおいては、クリエイティブの斬新さに加え、ビジネスの結果を出さなければ受賞できないAME賞(アジア・マーケティング・イフェクティブ賞)を2年連続グランプリの快挙。アジアマーケットナンバーワンを勝ち得た。また、日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーを取得。消費者インサイトを深く洞察する。女子美術大学・拓殖大学非常勤講師。


マーケティング・ゼロ

メール・マーケティングに始まり、アフィリエイト、検索連動型広告、コンテンツ連動型広告、動画広告にRSS広告などなど実に多彩な発展を遂げているネットマーケティング。こうした広告のプラットフォームが次々と登場することは喜ばしい半面、企業は踊らされがちになります。本来、マーケティングとは何だったか? これを忘れそうになったときに皆様を原点に引き戻す、そういうコラムを目指しています。テクノロジーがどれだけ進化したとしても、マーケティングの原点はいつの日も変わらないのですから。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20121113/239359/?ST=print  

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コメント
 
01. 2012年11月15日 10:36:54 : Arzzcab0jA
考えさせない大学教育は戦後GHQの政策に組み込まれていた。
一方でテレビで白痴化を行い、日本を植民地化した。
実行部隊が奸僚、大手メディア、日銀、御用学者、検察、・・・・・

韓国も同様植民地化された。

日本、韓国の自殺率が突出して高い要因はここにある。


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