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2012/11/13 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
歴史は繰り返すというが、本当にそう思えてくる。野田首相が年内解散に向かって突き進む姿を見ていると、1980年に「ハプニング解散」へと追い込まれた大平正芳元首相の悲壮な姿にダブってくるのだ。
野田は首相就任後に寄稿した月刊誌の手記の中で、〈いまあらためて学ぶべきは、大平正芳さんの政治のあり方ではないか〉と書いた。党内や野党、有権者の猛反発を浴びても「一般消費税」を導入しようとした大平の姿勢に増税一本の自らの姿を重ね、「政権運営の師」と仰いできた。
その大平は消費税導入に執着したあまり、党内に大量の反主流派を抱えて、自民党は真っ二つに割れた。
「いわゆる『40日抗争』です。当時の自民党は国民度外視の党内抗争に明け暮れていました。ついには社会・公明・民社の3野党が内閣不信任案を提出すると、自民の反主流派による大量欠席のため、まさかの可決。こうして、与野党ともに意図しなかった衆参ダブル選に突入したのです」(ベテラン秘書)
当時の大平自民党も選挙になれば惨敗必至とみられ、メディアは「自民は結党初の単独過半数割れも」「連立政権時代の到来か」と書き立てた。そんな玉砕選挙の公示日に大平は倒れ、そのまま帰らぬ人となった。享年70歳、死因は心筋梗塞。もともと心臓に不安があり、大敗必至の分裂選挙による過度なストレスが、さらに死期を早めたとされる。
◆過度なストレスで酒量は増すばかり
非業の死を遂げた大平と野田の姿がダブるのは、消費税をめぐって党が割れたことだけではない。政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「造反予備軍を大量に抱える状況もそっくりだし、国会空転の連続で政治がちっとも前に進まなくなったのも同じなのです。支持率低下で政治抗争をはね返すパワーも消え失せ、やれば必ず負ける選挙に次第に追い込まれていった点も似ています。何より野田首相は政権運営が重荷となっているのか、どんどん覇気を失っています。首相の体調異変まで妙にダブってきて気になります」
野田のストレスは相当なもので、たばこや酒の量が日に日に増しているという。夜は公邸にこもって、ひとりで酒をあおり、飲む量は「一升瓶じゃ済まない日も多い」(民主党ベテラン議員)ともいわれている。そのため、国会答弁中にロレツが回らなくなった時には「アルコール依存症ではないか」と指摘されたほどだ。
野田が心身ともに限界なのは明らかだ。新聞各紙は一斉に「首相、年内解散の意向」と報じたが、その真意をめぐっては諸説ある。どう見たって勝てないからだ。野田は消費税法案が通らなかったら、議員辞職するつもりだったと吐露した。だとすれば、その後は野となれ、山となれ。破れかぶれかもしれない。
はたして、野田にマトモな判断能力は残っているのか。そう疑いたくなるほど、野田がヘタり、弱っているのは間違いない。
◆裏切り首相への報いは惨敗だけでは済まない
玉砕覚悟で、破れかぶれ解散に打って出る野田は輿石幹事長に「TPP推進」を総選挙の争点に掲げることを伝えたという。
「どうせ、いつ選挙になっても負ける。苦し紛れに“近いうち”と約束した手前、解散時期を延ばすほど、『うそつき』批判が高まる。だったら、TPPという対立軸を打ち出して、いわゆる『第三極』の選挙態勢が整わないうちに解散に踏み切った方が得策。予算編成前に総選挙を戦えば、曲がりなりにも与党の立場を生かして業界票を集められるかもしれない。まあ、野田首相の考えはこんなところでしょう」(山口朝雄氏=前出)
まさにやけっぱちの心境なのだろうが、民主党惨敗の結果は揺るがない。その後の政局も悲惨を極めることになりそうだ。
「選挙の争点にTPPを掲げることが、墓穴となりそうです。民主党の離党予備軍にはTPP慎重派が多く、確実に党内は分裂する。TPPには国民の批判も根強く、大きな反発を招くだけです。恐らく野田民主党は解党的な敗北を喫する。単なるミニ政党に成り下がり、残る議員は野田首相と考え方が合うホンの一握りの松下政経塾出身議員だけ。そんな見るも無残な状況が目に浮かびます」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)
◆それでも生き恥をさらし続けるのか
選挙後はどうなるのか。民主党はほぼ消滅の運命で、自民党の補完勢力になれれば、まだマシ。実際は、野田以下の政経塾あがりの頭デッカチ、トンチンカン議員など、誰が相手にするものか。弱小政党に転落し、当分、冷や飯が続くことになる。
財務省に踊らされ、有権者を欺いた報いだが、はたして、野田はそんな状況に耐えられるのか。政権は吹っ飛び、無数の同志が討ち死にし、党も消滅するのである。それでも野田は生き恥をさらし続けるのか。
ずぶとい野田はそう簡単には死なないだろうが、政治的には死んだも同然だ。しかも、憲政史上最大の汚名を着ることとなる。前出の五十嵐仁氏はこう言った。
「1980年のダブル選は、大平元首相の急死による弔い選挙で自民党が同情票を集め、地すべり的大勝を収めました。大平氏は自らの命と引き換えに、自民の惨敗ムードをはね返したようなものです。大平氏は死後30年以上が経過し、国民に正面から消費税導入を説いた誠実な姿勢が再評価されています。国民との約束を裏切って、ダマシ討ちのように消費税増税を強行した野田首相とは政治姿勢が百八十度違います。野田首相は後の世に汚名を残すことはあっても、評価を高めることはあり得ませんね」
死して名を残す政治家と、生きて汚名を残す政治家。野田が大平の二の舞いを演じるのは、選挙にいたる過酷な運命だけである。
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