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2012/11/13 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
最新情報シミュレーション
野田首相が年内解散を決めた。投開票は来月16日が軸だ。それもTPPへの参加表明を争点にするというから、大胆不敵というか、錯乱している。きのう(12日)は「国民の生活が第一」の小沢代表の控訴審が棄却され、晴れて無罪が決定的になった。小沢は第三極の連携に向けて、フリーハンドを得る。年内解散、TPP、小沢無罪という3つの条件で、選挙シミュレーションをしてみると、民主党の歴史的大惨敗が見えてきた。
野田がこのタイミングで解散を急ぐ理由は1つだ。小沢恐怖症である。
「小沢代表が無罪になったことで、放っておいたら、第三極をまとめられてしまう。これを民主党執行部は本当に恐れているのです。だったら、第三極がまとまる前に急いで解散しちまえ、ということです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
野田がTPPを選挙の争点にしたのも第三極潰しだ。
「維新の会やみんなの党はTPP賛成。小沢氏の国民生活は米国の言いなりには反対です。これを争点にすれば、第三極はまとまらない。そう見越しているのでしょう」(政治評論家・野上忠興氏)
第三極潰し、早期解散であれば、自公とも利害が一致する。で、とんとん拍子で年内解散が既定路線になったのだが、それじゃあ、野田が思うように勝てるのかというと、とんでもない話だ。TPPはもろ刃の剣どころか、民主を消滅させることになる。かねて選挙分析を続けている前出の野上忠興氏はこう言っている。
「民主党は独自の選挙調査で当初は選挙区90議席と出ていた。それが10月末には60くらいになった。TPPを争点にしたことで、もっと減ります。おそらく、選挙区40議席程度になるでしょう。比例は20議席そこそこ。民主は60議席程度に沈むとみています。さらにTPPを争点にしたら、北海道や中国、四国は全滅危機ですよ。北海道では新党大地がTPP反対で全選挙区に候補者を立てれば、大善戦する。鳩山元首相も生き残れない。東北は小沢新党が圧倒的に強くなる。岩手では小沢氏も含めて選挙区3勝の可能性も出てきます。安住幹事長代行も落選危機です。そうなると、TPP反対の鳩山新党みたいなものができて、十数人くらいが離党することになるでしょうね。ただでさえ、苦戦なのに、基数がどんどん減っていく。とてもじゃないが選挙になりません」
野上氏は年明け選挙、第三極が連携という条件で、民主82、維新65、国民生活35、みんな26、石原新党5、減税日本10とはじき、自民は200程度、公明は27と予測していた。それを今回、さらに下方修正したわけだ。
「民主はさらに20議席減。それを自民と第三極が分け合うことになる」と言う。
◆談合シナリオなど簡単に吹っ飛ぶ
鈴木哲夫氏はもっとシビアだ。
「自民180議席、民主は限りなく50議席に近くなる。公明は30弱。第三極で200議席を超えてくる可能性が出てきたと思います。TPPで連携できないというが、第三極は相打ちになれば、共倒れになってしまう。小沢さんに『候補者調整は難しいのではないか』と聞いたことがあるんです。小沢さんは『簡単だよ。調査して誰なら勝てるかを決めればいい。勝てない人は他に回せばいい』と言っていました。つまり、小沢氏がしゃかりきになって調整しなくても、自然に落ち着くということです。それが選挙というもの。小沢さんは知り尽くしているのです」
だから、小沢はまだ動かない。最後に決着がつくとみて、「待ち」の姿勢を貫いている。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏によれば、それでも野田民主党が解散に踏み切るのは「財務省シナリオが絡んでいるのではないか」という。
「今、選挙をやれば、自民党が第1党になる。しかし、自民党も3党合意の責任を果たす義務がある。財務省がそうネジを巻いていて、選挙後に民自公の談合を働きかけているのでしょう。だから、野田首相も解散を決断したのだと思います」
党が惨敗しても、自分は与党に残るという算段なのだが、民主が想像を超える惨敗を喫すれば、そんな談合シナリオも吹っ飛ぶ。あとは有権者の判断だ。
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