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政治評論家の田中良紹氏が「政治家に『説明責任』があると言うのは、官僚とメディアの二人三脚ですり替えた『嘘』である」と喝破されている。政治家は選挙の洗礼を受けるから、メディアを前に「説明する」かどうかは政治家本人が判断すればよい。政治家は選良なのだから、有権者に説明するかしないかを自分で決めればよい。適切に説明できなければ選挙で非常に不利になるからである。
企業の経営者には株式を持つ株主に対して「説明責任」がある。民の税金を使う官庁にはもっと重い「説明責任」がある筈である。しかしこの国は、政府と官庁の税金の無駄遣いについて非常に甘い。国家予算の通常会計と官僚に恣意的に使われる曖昧な特別会計、最近批判にさらされた復興税の使い方、機密費の使い方など今年度も是正されそうにない。政権与党は官僚機構に完全に飲み込まれ、舐められている。
小沢事件では、検察の政界捜査と大手メディアの連携で、無罪判決が出ても、政治家・小沢一郎の「説明責任」を求めつづけている。捜査は司法の問題なのだから、司法に任せればいいのに、多くの国会議員が「説明責任」に同調して騒いでいる。報告書の偽造までした検察を追及するのが政治家本来の仕事であるのに、矛先が自分に向かってきたらあまりにも危険なのを知っているからなのか?自分が検察によって破滅させられてしまうからなのか?
国の最高決定機関である国会が要求すれば、官庁・省庁は税金の使い道を全て明らかにし、その経緯を説明しなければならない筈である。与党・野党を問わず政治家は「説明責任」を行政府の官僚に求めるべきなのだ。これが政治家本来の大きな役割りであり、政治の「説明責任」を果たすことになるのである。国民生活をいかに「よく」するかを議論するための立法府が、そうした議論をほったらかしにして、特定の政治家の道義的・倫理的問題をあげつらい、官僚の「説明責任」ではなく特定政治家の「説明責任」を叫ぶ。
いま日本はいうに及ばず、世界中が経済の行方に頭を悩ませている時、また、この国は震災復興とエネルギー問題の解決法を考えねばならないのに、未だ原発問題処理の見通しも立たないまま、いったい何をやっているのであろうか。政治の「説明責任」を叫ぶ者ほど、自分の脇の甘さを露呈しているではないか。見事に官僚の術中にはまって利用されている政治家と、官僚やメディアとタッグを組み、民の目を逸らそうとしている政治家が跋扈しているようにしか思えない。政治家とメディアには、いま何が必要なのかしっかりと見極めなければならない。
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